コスパ抜群の音響ブランド「M-SOUNDS」から、高スペックな完全ワイヤレスイヤホン「MS-TW3」が登場しました。
キャッチコピーは「目を閉じれば絶景サウンド」
1万円前後の価格帯ながら、
- HDSS搭載のクリアサウンド
- 最新チップで実現した安定接続
- 最大60時間のロングバッテリー
- 高音質低遅延コーデック(AAC,aptX)対応
- 落下衝撃に強く、防水等級IPX7の使いやすさ
- カナル型ロングノズル式による高い遮音性と音楽への没入感
などの特徴を持ち、高すぎない価格帯で、「音質」と「日常の使い勝手」を両立するワイヤレスイヤホンに仕上がっている印象を受けました。
そんな「MS-TW3」について、メーカー様より製品をご提供いただくことができたので、使用した感想や評価を交えつつレビューしていきたいと思います。
「MS-TW3」の外観やスペック
「MS-TW3」の充電ケースの外観は、中心に「M-SOUNDS」のロゴが据えられたシンプルなデザインです。
裏面には簡単な仕様とPSEマークが記載されています。
充電ケースの内側もシンプルなデザイン。
イヤホン充電中は、LEDロゴが発光します。
イヤホンのLR表記も見やすいです。ときどきLR表記が見にくい製品も見かけるので、個人的には嬉しいポイント。
イヤホンはカナル型のロングノズルタイプ。耳の奥にピタッとはまるので、密閉感が強く、遮音性に優れます。
周りの音をかなりシャットアウトしてくれるので、音楽への没入感が得られるのが「MS-TW3」の魅力のひとつです。
イヤホン外側の丸い円は「タップサークル」という部分で、タッチセンサーが搭載されています。
左右のタップサークルを指でタップすることで、音楽操作や通話操作が可能。
充電用の接続端子はmicroUSBが採用されています。
高い完成度を誇る「MS-TW3」ですが、唯一要望があるとすれば今後のスタンダードとなるであろうUSB-Cが採用されていると個人的には完璧でした。
付属品は全部で7種。写真に写っている物のほか、ガイドが2種付属しています。
付属品
- イヤホン
- 充電ケース
- イヤーピース(S/M/L)
- SpinFit(S/M/L)
- 充電ケーブル(USB-A to microUSB )
- クイックスタートガイド
- リファレンスガイド
イヤーピースは、通常のもの3サイズと遮音性に優れた「SpinFit」が3サイズで計6種。
開封時のデフォルトでは、通常のイヤーピースMサイズがイヤホンに装着されています。
装着感、音の好み、耳の穴の大きさにより、最適なイヤーピースは異なるので、いろいろ試せるのは嬉しいですね。
安いイヤホンは、付属イヤーピースの種類が少ないことも珍しくありませんが、「MS-TW3」は6種の中から選べる点が高評価。
最大使用時間 | 約10時間 充電ケース使用時は約60時間 |
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充電時間 | 充電ケース:約2時間 ケースからイヤホン:約2時間 |
ドライバー | 直径5.9mmダイナミックドライバー |
再生周波数 | 20Hz~20000Hz |
防水 | IPX7相当 |
サイズ | 充電ケース:幅71×奥行44×高さ29mm イヤホン:幅22×奥行21×高さ25mm |
重さ | 充電ケース:約52.2g イヤホン:片耳約5.6g |
カラー | ブラック ホワイト |
通信方式 | Bluetooth5.0 |
Bluetooth 圧縮コーデック | SBC、AAC、aptX |
Bluetooth プロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
カラー展開は白と黒の2色展開です。
引用:m-sounds公式
圧縮コーデックとは?
無線通信では、音源データを圧縮してイヤホンに送り、イヤホンで受信後にデータを復元しています。
その際のデータ圧縮方法が「SBC、AAC、aptX」などのコーデックです。
全てのBluetooth機器が搭載する基本コーデック「SBC」は遅延が大きく低音質ですが、「MS-TW3」では、遅延が少なく、より高音質な「AAC」や「aptX」も搭載している点が高評価です。
プロファイルとは?
プロファイルとは、イヤホンで、Bluetooth通信を使って何ができるかを表した規格のこと。
「MS-TW3」の搭載プロファイルは次のとおりでした。
- A2DP(音楽データ通信)
- AVRCP(音楽操作)
- HFP(通話データ通信)
- HSP(通話操作)
要するに、「スマホなどの再生機器」と「イヤホン」の間で、音楽データと通話データを無線通信できて、
さらに一時停止や音量調整などの音楽操作、電話応答や電話を切るなどの通話操作もイヤホンからできますよ!という性能を表しています。
操作方法やBluetooth接続方法
先述のとおり「MS-TW3」は、イヤホンのタップサークルを指で押すことで、音楽操作や通話操作が可能です。
主な操作方法を簡単にまとめると次のとおり。
- 音量アップ → Rを1回タップ
- 音量ダウン → Lを1回タップ
- 音楽再生 → LかRを1回タップ
- 音楽停止 → LかRを2回タップ
- 曲送り → Rを長押し
- 曲戻し → Lを長押し
- 着信通話 → LかRを1回タップ
- 電話を切る → LかRを長押し
- 着信拒否 → LかRを長押し
- ペアリング → Lを3回タップ
「MS-TW3」は、Bluetoothのペアリング操作も簡単で、初回自動ペアリング機能があるので、左右のイヤホンを充電ケースから取り出すだけで基本はOK。
手動でペアリングする際も、左のタップサークルを3回押すだけでペアリングモードに入ります。
ペアリングモード時に、再生機器のBluetooth機能をオンにして、「MS-TW3」を選ぶだけで簡単に接続できます。
上の写真はiPhoneでの例ですが、Androidも同様で、設定→Bluetoothという画面展開で接続が可能です。
「MS-TW3」の特徴
「MS-TW3」の特徴は冒頭でも述べましたが、ここでは特筆すべき特徴について深堀りしてみます。
- HDSSによるクリアサウンド
- Qualcomm社の最新SoCを採用
- 防水等級「IPX7」&MIL規格クリアの耐衝撃設計
HDSSによるクリアサウンド
HDSS(High Definision Sound Standard)とは、クリアなサウンドや、原音に忠実な再現性を高める技術のこと。
ETLという装置を振動板の後ろに取り付けることで、イヤホン内での音の反響などの影響を受けずらくした仕組みです。
「MS-TW3」では、20Hz~20,000Hzの低音から高音までの周波数帯の音を出せますが、音(振動)が干渉し合うと音抜けが悪くなります。
HDSSでは、イヤホン内部の環境を整え、音をできるだけクリアにして、臨場感を失わないようにする機能があります。
Qualcomm社の最新SoCを採用
SoC(システムオンチップ)とは、いわゆる半導体チップのことですが、「MS-TW3」は通信技術のエキスパートQualcomm社の最新チップを搭載しています。
最新チップの恩恵は主に次のとおり。
- 消費電力を抑え長時間再生が可能に
- 通信性能の向上によりサウンドが途切れない
「MS-TW3」は、イヤホン単体でも10時間、充電ケースも併せると60時間の長時間使用が可能ですが、最新チップの省エネ性能の恩恵のひとつ。
また、左右の信号を個別に送信する最新方式のTWS Plus(True Wireless Stereo Plus)に対応している点も特徴的。
従来は、スマホなどから、片方のイヤホン(親機)へ通信し、親機からもう一方のイヤホン(子機)へ通信していましたが、水分の多い人体(頭)が間にあることが通信阻害要因でした。
その点、左右独立受信方式である「MS-TW3」は、スマホなどから左右のイヤホンへ同時にデータを送るので、音ずれや途切れが少なくなり通信が安定するメリットがあります。
注意ポイント
スマホなどの再生機器側もTWS Plusに対応している必要があります。
防水等級「IPX7」&MIL規格クリアの耐衝撃設計
IPX◯とは、電気機器の防水保護性能を表したランクのことで、◯部分には0~8の数字が入ります。
例えば、IPX0は「保護なし」、IPX8は「継続的な水没に対して内部浸水がない」と定義されます。
「MS-TW3」は、「水深1mに30分水没しても内部浸水がない」とされるIPX7相当の防水性能を誇るため、汗や雨天使用がOKなのはもちろん、水洗いも可能です。
また、「MS-TW3」耐衝撃設計となっており「MIL-STD-810G」準拠の落下試験をクリアするとともに、衝撃に強いボタン式充電池を採用することで、故障リスクを減らしています。
使用した感想や評価
これまで、様々な完全ワイヤレスイヤホンを試してきましたが、「MS-TW3」の使用感や評価についても、主観ですがリアルに思ったことをまとめてみました。
イヤホンに求められる性能は、主に「音質」と「日常での使い勝手」になるかと思うので、その2点を中心に書きたいと思います。
音質について
「MS-TW3」の音質は、金額に対してかなり優秀な印象です。
「金額に対して」としたのは、イヤホンに限らず、音響機器の性能は基本的に金額に比例するため。
音質を突き詰めると、ノイズのないクリアな音を求めて敷地内にマイ電柱を建設する実例もあるような世界です。
そんな中で、1万円前後の価格帯ではクオリティが高く「絶景サウンド」の名に恥じぬコスパの良い1台となっています。
2~3万円する高級イヤホンには、音質やノイキャン性能など音に対しての何らかの感動があったものです。
その点「MS-TW3」は、正直なところ音に対する感動はありませんでした。
しかし、決してクオリティが低い訳ではなく、むしろ、高級イヤホンと比べても、価格差ほどの音質の差は感じませんでした。
要するに「MS-TW3」は、価格に対する満足度が秀逸なので、コスパ重視の方におすすめしたいイヤホンだと感じました。
日常での使い勝手について
「MS-TW3」の特徴のひとつ「落下衝撃に強くて防水設計」という点は、使い勝手の面ではかなり嬉しいポイントでした。
例えば、2020年大ヒットしたソニー「 WF-1000XM3」
私も普段使いの一つとして使用していますが、防水仕様ではなく、片耳8.5gと大きめなこともあり耳から外れて落下させたことも少なくありません。
「 WF-1000XM3」は、音質やノイキャン性能は文句なしですが、日常での使い勝手の面では、少し不安がありました。
その点「MS-TW3」は、落下衝撃に強く、防水等級IPX7なので、普段の生活の中で安心して使える点が魅力的でした。
まとめ
以上、「MS-TW3」のレビューをお届けしました。
1万円前後の価格帯ながら、高スペックでバランスの取れた完全ワイヤレスイヤホンでした。
2万円以上の高級イヤホンには手を出せないけど、価格に対して高性能なコスパの良い1台を探している方にはおすすめです。