「KI70」シリーズは、シャープ空気清浄機全モデルの中でも、人気のハイグレードモデル。
そんな「KI70」シリーズの新旧モデルについて、型番ごとの特徴や価格を比較して、今おすすめのモデルを紹介します。
結論を先に書くと、各モデルに劇的な違いはなく、基本的には価格の安い型落ちがおすすめですが、やはり若干の仕様やオプション機能の違いは存在します。

そこで当記事では、
- 各モデルの違いの詳細
- それぞれの過価推移
- 今おすすめのモデル
という3段構成で、シャープの加湿機能付き空気清浄機「KI70」シリーズを分析します。
「KI-NS70、KI-LS70、KI-JS70」型番の違いの詳細
これら3つは、発売年度が異なる新旧モデルの関係です。
発売時期の違い
- KI-NS70(2020年)
- KI-LS70(2019年)
- KI-JS70(2018年)

サイズの違い
2018年版から2019年版にかけて、デザインが変更となっています。
サイズも少し大きくなっている代わりに、次で紹介する性能も若干良くなっています。
なお、2019年から2020年にかけての変更はありません。

仕様の違い
加湿の有無で仕様が異なるため、それぞれ分けて表にまとめました。

型番 | プラズマクラスター適用床面積 | 空気清浄風量 | 空気清浄適用面積 | 8畳の清浄目安 | 1時間あたりの電気代 | 運転音 | サイズ | 重さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-NS70 (2020) | 19畳(約31m²) | 強7.0m³/分、中4.0m³/分、静音1.5m³/分 | ~31畳(51m²) | 9分 | 強1.8円、中0.59円、静音0.12円 | 強52dB、中43dB、静音18dB | 幅40cm×奥行33.9cm×高さ686cm | 約11kg |
KI-LS70 (2019) | 19畳(約31m²) | 強7.0m³/分、中4.0m³/分、静音1.5m³/分 | ~31畳(51m²) | 9分 | 強1.8円、中0.59円、静音0.12円 | 強52dB、中43dB、静音18dB | 幅40cm×奥行33.9cm×高さ686cm | 約11kg |
KI-JS70 (2018) | 約16畳(約26m²) | 強6.7m³/分、中2.7m³/分、静音0.8m³/分 | ~31畳(51m²) | 9分 | 強2.16円、中0.38円、静音0.08円 | 強54dB、中41dB、静音15dB | 幅37cm×奥行29.3cm×高さ66cm | 約10kg |
なお、上の表では出てきませんが、KI-NS70(2020)とKI-LS70(2019)の唯一の違いは、無線時の待機消費電力が0.2W違うのみ。
電気料金を仮に1kWh25円とすれば、電気料の差は1時間で0.005円。
24時間365日でも約43円なので、両型番に仕様上の違いはないと言い切っても問題ないでしょう。

加湿時はパワーが落ちるため、空気清浄力が弱まります。加湿時の空気清浄適用面積もしっかりチェックしましょう。
型番 | 加湿量 | 加湿適用面積 | 空気清浄風量(加湿時) | 空気清浄適用面積(加湿時) | 運転音(加湿時) | 1時間あたりの電気代(加湿時) | 給水タンク容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-NS70 (2020) | 強700mL/h、中500mL/h、静音250mL/h | プレハブ洋室~19畳(31m²) 木造和室~12畳(20m²) | 強5.5m³/分、中4.0m³/分、静音1.5m³/分 | ~24畳(40m²) | 強46dB、中43dB、静音19dB | 強0.95円、中0.65円、静音0.14円 | 3.6L |
KI-LS70 (2019) | 強700mL/h、中500mL/h、静音250mL/h | プレハブ洋室~19畳(31m²) 木造和室~12畳(20m²) | 強5.5m³/分、中4.0m³/分、静音1.5m³/分 | ~24畳(40m²) | 強46dB、中43dB、静音19dB | 強0.95円、中0.65円、静音0.14円 | 3.6L |
KI-JS70 (2018) | 強630mL/h、中410mL/h、静音230mL/h | プレハブ洋室~18畳(30m²) 木造和室~11畳(18m²) | 強5.2m³/分、中.13m³/分、静音1.5m³/分 | ~24畳(40m²) | 強49dB、中45dB、静音24dB | 強1.22円、中0.59円、静音0.14円 | 3.0L |
先に紹介したサイズアップに伴い、2018年版から2019年版にかけては全体的に性能が上がっています。

各メーカーとも加湿の仕様で「プレハブ洋室」や「木造和室」という言葉が出てきますが、要は断熱材や気密性で加湿レベルが変わるよ~ということが言いたいのです。
各メーカーごとに想定環境はあるでしょうが、自分の家と比較するのは難しいので参考程度にしましょう。
住環境によるので一概にいえないですが、断熱材のある一般的な木造洋室のお宅であれば、15畳前後はカバーできるのでは?と個人的には思っています。
カラーバリエーションの違い
カラーバリエーション
- KI-NS70:ホワイト(W)とブラウン(T)
- KI-LS70:ホワイト(W)とブラウン(T)
- KI-JS70:ホワイト(W)とグレー(H)
店頭では「KI-NS70-W」という感じで、型番の最後にアルファベットが付きますが、これがカラー記号で本体カラーを表しています。
プラズマクラスターの効果の違い
プラズマクラスターには実はランクが存在しますが、
KI-NS70、KI-LS70、KI-JS70は、3モデルとも「プラズマクラスター25000」の搭載です。


まずは、空気中に浮遊しているものへの効果です。
型番 | 浮遊カビ | 浮遊菌 | 浮遊ウイルス | 浮遊アレル物質 | 浮遊ニオイ原因菌 | 浮遊花粉アレル物質 |
---|---|---|---|---|---|---|
KI-NS70 (2020) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-LS70 (2019) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-JS70 (2018) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
KI-JS70(2018)のみ浮遊花粉アレル物質に非対応です。
次に、付着したものへの効果はどうでしょうか。
型番 | 付着タバコ臭 | 付着汗臭 | 部屋干し臭 | 付着カビ繁殖抑制 | 付着ウイルス | 静電気 | フェイスケア | 付着花粉アレル物質 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-NS70 (2020) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-LS70 (2019) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-JS70 (2018) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
付着も同じく、KI-JS70(2018)のみ花粉アレル物質に非対応です。
誤解のないよう補足しますが、この項目で比較しているのはプラズマクラスターによる分解効果の話です。
空気清浄の中枢であるフィルターによる除去は全モデル花粉に対応しています。
COCORO AIRの対応状況の違い
KI-NS70、KI-LS70、KI-JS70の「COCORO AIR」対応状況は、ほとんど同じです。
COCORO AIRとは
空気清浄機をネットクラウド上のAIとリンクさせ、学習する人工知能が、家庭ごとに間取りや環境、天気などを考慮し、最適な運転を提供するためのシステム。
スマホで情報確認や操作もできます。
COCORO AIR 対応比較
型番 | 空気情報モニター | 消耗品状況 | スマホ操作 | みまもり | ペット登録 | ペット専用運転モード | AI加湿サポート | 使い方フィット | クラウド学習運転 | 生活パターン分析運転 | 位置情報連携運転 | スマートスピーカー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-NS70 (2020) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-LS70 (2019) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-JS70 (2018) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI70シリーズは、ほとんどのCOCORO AIRに対応しています。
KI-JS70(2018)のみAI加湿サポートが非対応で、違いがあるのはこの点のみ。


人がいないときに自動で加湿を弱めることで、給水の手間を減らせる機能です。

AI加湿サポートでは、「天気、季節、家の広さ、鉄筋・木造などの造り」といった要因から加湿の強弱を自動判別します。
一般的な除湿センサーが湿度のみで、判別するのに対し、「プラスαの要因でもう少し繊細に判別します」というイメージ。

価格推移から見るお買い得な型番
家電は発売後に価格が下がっていくので、いまどれくらい安くなっているか新旧で比較することが重要です。
KI-NS70、KI-LS70、KI-JS70の3モデルの価格推移を比較します。


KI-NS70(2020)の価格推移
2020年秋に発売の最新モデルで、大手量販店の予約時の価格は71,280円。
発売後に価格が下がっていくとはいえ、底値となるのは当分先です。
これまで比較してきたように、型落ちであるKI-LS70と違いがないことから、価格の安い旧モデルの方がおすすめです。

KI-LS70(2019)の価格推移
KI-LS70(2019)は、発売当初の約7万円と比べるとかなり値引きされて、お買い得ではありますが、新型コロナによる需要増もあり下げ止まっている印象です。
当シリーズの底値圏である3万円弱までは遠そう、というより3万円まで下がるかも微妙なところ。
機能としては2018年モデルより当モデルが優れるので、価格差を注視する必要があります。
これまで見てきた機能差と価格差を天秤にかけて、有りだと思えば買いモデルです。
KI-JS70(2018)の価格推移
KI-JS70(2018)は、今最も底値圏に近くて価格的に安いモデルです。
ただし、新型コロナの影響でかなり売れてしまい、一時に比べると少し値上がりしたのと、在庫が薄くなってきています。
在庫があるうちは価格的におすすめのモデルです。
結論!おすすめの型番は?
以上、シャープの加湿空気清浄機「KI70」シリーズの違いに関する比較検討でした。

「価格」優先 → KI-JS70(2018)
「性能」重視 → KI-LS70(2019)
個人的には、2020年夏頃までは1万円以上の価格差があったで旧モデルを推していましたが、2021年に入り価格差が縮まってきたので新モデルも有りかなという印象です。
2019年モデルからは外観も変わっているので、好みも分かれるところでしょう。
機能差や価格差を天秤にかけて、後悔のないよう検討してみてください。
2018年モデル「KI-JS70」
2019年モデル「KI-LS70」