ダイキン公式では、2021年10月発売された空気清浄機を「2022年モデル」と呼んでいますが、家庭用2022年モデルは、全部で5種類存在します。

違いに関する具体的なポイントは主に次の3点です。
- 空気清浄力(速さや広さ)
- 除加湿機能の有無
- ストリーマユニット数やスマホ連携の有無
そして、ざっくり表に分類すると次のようなイメージです。
リビング用 (ハイグレード) | 個室用 | |
---|---|---|
加湿なし | MC55Y | |
加湿あり | MCK70Y | MCK40Y MCK55Y |
加湿&除湿 | MCZ70Y |

効果が見えない空気清浄機は、違いがわかりにくい家電のひとつですが、実は機種によって大きく性能が異なります。
しかも、各家庭の住環境によって最適な1台が異なる点が、選び方の難しいところ。
そこで、この記事では、各家庭に最適な1台を選べるように、ダイキン空気清浄機の特徴、選び方、全機種の一覧比較などの情報をまとめました。

特徴と選び方は長文なので、具体的なスペック比較などを先に見たい方は全モデルの比較表と個々の特徴から先にどうぞ。
ダイキンの特徴はストリーマとフィルター性能
ダイキンと言えば、空調専門メーカーとしてプロフェッショナルの地位を確立していますが、その技術力は、もともと業務用で培われたもの。
他の家電総合メーカーと異なり、業務用の技術を家庭用に落とし込んだメーカーです。
そんな「技術力」が魅力のダイキン空気清浄機の特徴は主に2つ。
- ストリーマによる分解技術
- 高いフィルター性能

ストリーマによる強力分解
出典:ダイキン公式

ストリーマとは
花粉、排ガス、PM2.5、ニオイ、ウイルス、菌などを分解・抑制するダイキン独自のテクノロジーのこと。
ストリーマ放電は放電範囲が広く、一般的なプラズマ放電の1,000倍の分解能力を誇る。
これまで困難とされていた高速電子を安定的に発生させることに成功したダイキンの代名詞といえる技術。
イメージとしては、シャープの「プラズマクラスター」、パナソニックの「ナノイー」のようなもの。
他メーカーは、OHラジカルという分子の放出によるカビ・菌の無効化がメインですが、ダイキンではOHラジカルを含む4種の分解素を生成し、空気清浄機の内部と外部で分解するダブル方式を採用。
出典:ダイキン公式
- イオンを放出して外部で撃退
- 吸い込んで内部で強力分解
というダブル方式を全機種で採用し、花粉・ニオイ・有害物質を分解、抑制しています。

高いフィルター性能
日本の空気清浄機は、イオン系技術を推す傾向にありますが、あくまで空気清浄のメインは、フィルターによる有害物質のろ過によるもの。
国外の空気清浄機は、加湿機能すらなく、空気清浄に特化してフィルターのみで勝負というメーカーも少なくありません。
要は「フィルター性能」が想像以上に重要なのですが、その点も業務用で技術を培ったダイキンは優秀。
2022年モデルでは、5機種のうち4機種に「TAFUフィルター」が採用されています。
出典:ダイキン公式
TAFUフィルターとは?
簡単に言うと、高い性能が長持ちするフィルター。
HEPA基準をクリアするだけでなく、10年後の集塵効率が従来の1.4倍。
HEPA基準とは、0.3μm(=0.0003ミリ)の微小な粒子を99.97%除去できるフィルター性能基準のこと。
他社大手メーカーも含め、現在、家庭用の高性能モデルの多くでは、HEPAフィルターを採用しています。
ダイキンでは、さらに長寿命化技術を施し、HEPA基準の性能はそのままに集塵効率が落ちにくい独自の「TAFUフィルター」を採用する点が特徴的です。
空気清浄機のフィルター性能は、使用するほど性能が落ちていくので、寿命をいかに伸ばすかが課題の中、「TAFUフィルター」はダイキンの特徴かつ魅力と言えます。


出典:ダイキン公式
空気清浄機の選び方
冒頭にも述べましたが、ダイキン空気清浄機5種の違いは主に3点。
つまり、その3点が、選ぶときに考慮すべきポイントとなります。
- 部屋の広さに合う風量
- 加湿と除湿機能の有無
- ストリーマ数やスマホ連携の有無

部屋の広さに合う風量で選ぶ
空気清浄機の種類ごとに最大風量が決まっていますが、部屋の広さに対応できる風量を選ぶことが重要です。
その理由は、空気清浄機の仕組みに関係しています。
空気清浄機の仕組みは3ステップ。
- 汚れた空気を吸い込む
- フィルターで空気をろ過
- キレイな空気を出す
多くの空気をフィルターに通すためには、空気の取込量、つまり「風量(=適用面積に繋がる)」が重要となってきます。
賢い選び方
部屋の面積より少し余裕を見て選ぶのがポイント!
空気清浄機は「大は小を兼ねる」と言われる家電。
風量の大きいものを狭い部屋で使用すると、より早く空気清浄できるので、大きければ大きいほど良いという考え方です。
逆に、風量の弱いものを広い部屋で使用しても、空気量に対して吸引が弱いので、なかなか効果が得られません。
花粉などは蔓延する前に素早く除去する必要があるので、値段が安いからといって部屋の面積より狭い適用範囲のものを購入するのはNGです。

型番 | 最大風量 | 部屋の広さの目安 |
---|---|---|
MCZ70Y![]() | 7.2㎥/分 | ~32畳(52㎡) 8畳の清浄目安9分 |
MCK70Y![]() | 7.0㎥/分 | ~31畳(51㎡) 8畳の清浄目安9分 |
MCK55Y![]() | 5.5㎥/分 | ~25畳(41㎡) 8畳の清浄目安11分 |
MCK50Y![]() | 5.0㎥/分 | ~22畳(37㎡) 8畳の清浄目安13分 |
MC55Y![]() | 5.5㎥/分 | ~25畳(41㎡) 8畳の清浄目安11分 |
加湿と除湿機能の有無で選ぶ
ダイキンの空気清浄機5種のうち、4種は加湿機能がついています。
最上位モデルである「MCZ70X」では、空気清浄機、加湿器、除湿機、の1台3役を兼ねるため、省スペースに役立ちます。
逆に、加湿器はすでに持っていて必要ない場合は「MC55X」がコンパクトで値段もお手頃です。
型番 | 加湿 | 除湿 |
---|---|---|
MCZ70Y![]() | ◯ 680mL/時 | ◯ 8.0L/日(50Hz) 9.0L/日(60Hz) |
MCK70Y![]() | ◯ 700mL/時 | × |
MCK55Y![]() | ◯ 500mL/時 | × |
MCK50Y![]() | ◯ 460mL/時 | × |
MC55Y![]() | × | × |
ストリーマユニット数やスマホ連携の有無で選ぶ
フィルターによる捕集と併せて、アレル物質などを分解するストリーマ放電ですが、放電装置のユニット数が機種により異なります。
ユニットを2つ搭載するダブルストリーマ機種は、分解スピードや脱臭性能が2倍となり、効率的に空気清浄できる点が魅了。
また、上位機種は、あくまで+α機能ですがスマホ連携による「遠隔操作」や「空気の見える化(状態の把握)」などが可能です。
型番 | ストリーマ数 | スマホ連携 |
---|---|---|
MCZ70Y![]() | 2つ | ◯ |
MCK70Y![]() | 2つ | ◯ |
MCK55Y![]() | 1つ | × |
MCK50Y![]() | 1つ | × |
MC55Y![]() | 1つ | × |
全モデルの一覧表と各モデルの詳細
ダイキン空気清浄機の選び方を説明してきましたが、基本スペック情報も加え、改めて一覧表としてまとめました。

型番 | デザイン | カラー | 最大風量 | 8畳の清浄時間 | 適用床面積 | 加湿面積 | 加湿量 | ストリーマユニット数 | フィルター | センサーの種類 | チャイルドロック | スマホ連携 | 本体サイズ | 重さ(水無し) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MCZ70Y | ![]() | ブラウン(T) | 7.2m3/分 | 9分 | ~32畳(~52m2) | プレハブ~18畳(~29m2) 木造~11畳(~18m2) | 680mL/時 | 2つ | TAFUフィルター | 温湿度センサー ホコリンサー PM2.5ンサー ニオインサー | ◯ | ◯ | 高さ69×幅41.5×奥行36cm | 23kg |
MCK70Y | ![]() | ホワイト(W) ブラウン(T) | 7.0m3/分 | 9分 | ~31畳(~51m2) | プレハブ~19畳(~32m2) 木造~12畳(~20m2) | 700mL/時 | 2つ | TAFUフィルター | 温湿度センサー ホコリンサー PM2.5ンサー ニオインサー | ◯ | ◯ | 高さ76×幅31.5×奥行31.5cm | 12.5kg |
MCK55Y | ![]() | ホワイト(W) ブラウン(T) カームベージュ(C) | 5.5m3/分 | 11分 | ~25畳(~41m2) | プレハブ~14畳(~23m2) 木造~8.5畳(~14m2) | 500mL/時 | 1つ | TAFUフィルター | 温湿度センサー ホコリンサー PM2.5ンサー ニオインサー | ◯ | × | 高さ70×幅27×奥行27cm | 9.5kg |
MCK50Y | ![]() | ホワイト(W) | 5.0m3/分 | 13分 | ~22畳(~37m2) | プレハブ~13畳(~21m2) 木造~8畳(~13m2) | 460mL/時 | 1つ | HEPAフィルター | 温湿度センサー ニオインサー | ◯ | × | 高さ70×幅27×奥行27cm | 9.5kg |
MC55Y | ![]() | ホワイト(W) | 5.5m3/分 | 11分 | ~25畳(~41m2) | 加湿機能なし | 加湿機能なし | 1つ | TAFUフィルター | ホコリンサー ニオインサー | ◯ | × | 高さ50×幅27×奥行27cm | 6.8kg |

「MCZ70Y」空気清浄・加湿・除湿すべて揃った最上位モデル
「空気清浄・加湿・除湿」と1台3役のオールインワンで省スペースが嬉しいダイキン最上位モデル。
春は花粉、梅雨は部屋干しに、夏は湿気をとって、冬は乾燥対策に、年間を通して活躍するのが魅力です。
- ノドや肌の潤い保護
- ウイルス対策
- ジメジメした夏をカラッと涼しく
- 室内干しがすぐ乾く
- カビ対策
ツインストリーマと最大風量7.2㎥/分の強力パワーでの空気清浄のみならず、全自動で最適な湿度コントロールまで行えます。
唯一のデメリットは、ちょっとためらう価格の高さですが、除湿も必要なら選択肢となります。

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「MCK70Y」リビング用万能モデル
ダイキン空気清浄機では、これを選んでおけば間違いないという万能タイプのハイグレードモデル。
最上位モデルと同等の強力な風量とツインストリーマでパワフルに空気を清浄。
空気清浄は~31畳、加湿はプレハブ~18畳(木造~11畳)と適用範囲も充分で、価格と性能のバランスが取れた優秀な1台です。

一般的に、最新モデル発売直後は価格が高いので安くなるまで型落ちがおすすめなことが多いです。
しかし、当モデル「MCK70Y」については改良点が多すぎて、もし型落ちモデル「MCK70X」の方が安くても、どちらを選ぶか悩むほどの魅力があります。

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私の場合は、前年モデル「MCK70X」が底値でお得に買えるタイミングでしたが、マットな質感&接地面積の小さいタワー型に惹かれて、結局2022年モデル「MCK70Y」を買いました。
2022年モデル「MCK70Y」を購入してレビュー
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「MCK55Y」お洒落スリムタワー
空気清浄機は、意外とサイズが大きく、
上位モデルより性能は劣るものの、さらに接地面積が小さく場所を取らないので寝室等におすすめ。
カラーバリエーションも豊富で、

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「MCK50Y」ロースペック廉価版
「MCK50Y」のデザイン・サイズ・重量は、先ほどの「MCK55」シリーズと同じですが、違いは次のとおり。
- 風量が少し弱い
- 全モデルで唯一「TAFUフィルター」不採用
- 性能が劣る代わりに少し安い
寝室用で、上位モデルほどのスペックが必要ないと感じた場合には選択肢となってきます。
なお、2021年モデルまでは「MCK40」シリーズという、さらに低スペックなシリーズが存在しましたが、2022年モデルからはパワーを強化して、この「MCK50」シリーズへ再編されました。
「MC55Y」加湿が不要なら
「加湿器は既に持っている」「加湿はお手入れが大変だから不要」
床設置面積27×27cmに加えて、高さを50cmに抑えたコンパクトタイプにも関わらず、ストリーマ技術にダブル方式、高性能なTAFUフィルターを備え、充実の空気清浄能力を誇ります。
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【最後に】迷ったときのおすすめモデル
以上、ダイキンの空気清浄機について特徴や選び方についてまとめました。
迷ったときのおすすめは、価格と性能のバランスが取れたハイグレードモデル「MCK70」シリーズ。
タイミングによっては、新モデルよりも過去モデルの方がお得な場合があるので新旧比較もお忘れなく。
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以上、ダイキン空気清浄機の比較をお届けしました。