「MCK70Z・MCK70Y・MCK70X」は、ダイキン空気清浄機の中でも、これを選べば間違いないというハイグレードモデル。
それぞれ発売年の異なる新旧モデルの関係です。
- MCK70Z:2022年10月発売
- MCK70Y:2021年10月発売
- MCK70X:2020年12月発売
ダイキン公式では「MCK70Z」を2023年モデル、「MCK70Y」を2022年モデル、「MCK70X」を2021年モデルと呼んでいるので当記事でもそれに習います。

結論ファーストで、ここ数年の進化の歴史を簡単にまとめました。
型番 | 前モデルから 進化した点 |
---|---|
MCK70W (2020) |
2019年モデルから変更なし |
MCK70X (2021) |
加湿フィルターに抗菌剤を塗布 |
MCK70Y (2022) |
・デザイン変更で設置面積13%低減 ・運転音(SONE値)30%低減 ・加湿力向上&上から給水が可能に ・特化型脱臭フィルターが登場 ・操作部の抗菌加工 |
MCK70Z (2023) |
電源コードをL字プラグに変更 |
2022年モデル「MCK70Y」ではデザインを含め、大きく性能が変わりましたが、そのほかの年は軽微な変更となっています。
当記事では、上記の各モデルの違いについて、次の2つのパートに分けて解説します。
- MCK70ZとMCK70Yの違い
- MCK70YとMCK70Xの違い
また、機能的な違いの解説に留まらず、各モデルの現時点の価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどれなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
販路違いの「ACK70Z・ACK70Y・ACK70X」についても後述しているので、MCK・ACKの両シリーズの違いが気になる方もご覧ください。
MCK70ZとMCK70Yの違い
最新2023年モデル「MCK70Z」と2022年モデル「MCK70Y」の違いは電源プラグの形のみで、そのほかの外観・機能・スペックなどは全て同じです。
MCK70Z (2023) | L字プラグ |
---|---|
MCK70Y (2022) | 通常のプラグ |
最新モデルでは、L字プラグコンセントを採用することで、狭い隙間などでも設置しやすくなっています。
引用:ダイキン公式
マルチタップを使用する場合は、形状によっては従来型プラグの方が挿しやすいかもしれませんが、壁のコンセント穴に直挿しする場合はL字の方が便利です。
両モデルの違いはプラグ形状のみのため、基本的に価格重視で選ぶのがおすすめです。
MCK70YとMCK70Xの違い
続いて、2022年モデル「MCK70Y」と2021年モデル「MCK70X」の主な違いは次のとおり5つもあり、大きなモデルチェンジとなっています。
新旧の違い
- デザイン変更で設置面積13%減
- 運転音(SONE値)30%減
- 加湿力向上&上から給水が可能に
- 特化型脱臭フィルターが登場
- 操作部の抗菌加工

デザイン変更で設置面積13%低減
上記の左が2022モデル、右が2021モデルですが、2022モデル「MCK70Y」ではデザインをタワー型に見直しスマートな印象になりました。
このデザイン変更により、設置面積が13%低減しています。
MCK70Y (2022) |
幅315×奥行315×高さ760mm (設置面積:約992cm2) |
---|---|
MCK70X (2021) |
幅395×奥行287×高さ600mm (設置面積:約1,134cm2) |
なお、代わりに高さが600mmから760mmへ増えていますが、上へ高くなる分には設置場所に困ることは少ないでしょう。
当モデルは高性能なハイグレードタイプに属しますが、このクラスになると風量・加湿力の高さに比例して本体サイズも大きくなります。
上位機種の空気清浄機は思った以上にサイズによる圧迫感があり、設置場所に悩むのはあるあるなので、見た目も含め個人的にはかなり嬉しい改良だと感じています。

旧モデルと異なり光沢のないマット素材を採用しているので、その点も個人的には気に入っています。
接地面積について、他社の同等スペック(最大風量7.0m3/分クラス)の同年モデルとも比べてみましょう。
メーカー | サイズ (幅×奥行×高さ) |
---|---|
ダイキン MCK70Y | 幅315×奥行315×高さ760mm (設置面積:約992cm2) |
シャープ KI-PX70 | 幅395×奥行265×高さ650mm (設置面積:約1,047cm2) |
パナソニック F-VXU70 | 幅398×奥行257×高さ640mm (設置面積:約1,023cm2) |
近年、各社とも設置面積を落としている印象がありますが、上記比較ではダイキンが一番小さくなっています。
運転音(SONE値)30%低減
2022モデル「MCK70Y」では、吹出口を大きくし、ファンを本体下部に設置することで、体感の運転音が小さくなりました。
感覚的な音の大きさを表す単位「SONE」で比較すると、新モデルは旧モデルに対して運転音が30%も少なくなっています。
- MCK70Y:10.2 SONE
- MCK70X:14.5 SONE
SONE値とは?
音の大きさは音圧に比例するので、デシベル値を目安に大体の運転音の比較はできるが、耳がとらえる音は音圧だけでなく音の高さの影響も受ける。
音の高低なども踏まえ、実際に耳で聞こえる感覚的な音の大小を比べるために定義された物差しがSONE値。

実際に「MCK70Y」を使用している感想としては、静かな部屋の場合「ターボ・標準」運転では音がそれなりに気になりますが「弱」運転以下はほとんど気になりません。
加湿力向上&上から給水が可能に
2022モデル「MCK70Y」では、1時間あたりの加湿量が50ml増えて、加湿力が向上しています。
加湿力 | |
---|---|
MCK70Y (2022) | 700ml/h |
MCK70X (2021) | 650ml/h |
そのほか加湿関連では、給水タンクが改良されました。
従来はタンクを取り外してシンクまで持ち運んで給水するのが一般的でしたが、給水タンクを外して持ち運ぶことなく、その場でも水を注げるようタンクが改良されました。
もちろん従来どおりタンクを取り外してシンクで蛇口から給水することもできるので、各家庭で最適な給水方法を選べます。

特化型脱臭フィルターが登場
別売りではありますが、2022モデル「MCK70Y」専用の脱臭フィルターが登場しました。
5つの用途別に準備されており、特有のニオイを通常よりも早くスピード除去できる点が魅力です。
用途の種類
- 靴・下駄履箱臭用
- 介護臭用
- ペット臭用
- トイレ臭用
- 加齢臭用
フィルターの交換目安は3ヶ月なのでランニングコストが発生しますが、ニオイに悩まされている場合にはありがたいオプションですね。
操作部の抗菌加工
2022モデル「MCK70Y」では、操作ボタン部分に抗菌加工が施されました。
除菌・殺菌のように菌の数を減らすわけではありませんが、手から空気清浄機に付着した菌の増殖を抑制する効果が期待できます。

MCK70Z・MCK70Y・MCK70Xの価格を比較
ここまで「MCK70Z・MCK70Y・MCK70X」の主な違いを紹介してきました。
ここからは各モデルの現時点の価格を比べることで、コスト面も含めておすすめモデルを検証します。
まずは、過去モデルを参考に当シリーズの価格推移の傾向をチェックしてみましょう。
- 発売時価格:6万円台
- 底値:3万円台

注意が必要なのは、2022年モデル「MCK70Y」はフルモデルチェンジとなっており、2021年以前のモデルと外観・機能が大きく異なります。
上記の「底値3万円台」は、2021年以前の機種をベースにした目安なので、2022年モデル以降がそこまで安くなるのか、今後注視する必要があります。
以上を踏まえて、各モデルが今どれくらい安くなっているか確認していきましょう。
MCK70Zの価格
2022年10月発売の最新「MCK70Z」の発売時価格は、約7万円前後のものが多く、シリーズの傾向よりわずかに高い印象でした。
2023年3月時点では、安いもので5万円台の中盤あたりを推移しており、発売時と比べて価格は落ちたものの、まだ少しためらう金額です。
前年モデル「MCK70Y」との違いが、電源プラグの形状のみなので、価格の高い最新モデルをいま選ぶ理由はないでしょう。
価格の安い型落ちモデルがおすすめです。
MCK70Yの価格
2021年10月発売の「MCK70Y」は、価格的に値頃感の出てきたおすすめモデルです。
発売時は6万円台の中盤あたりでしたが、徐々に価格を下げ、2023年3月時点では安いもので4万円台を推移。
前年モデル「MCK70X」の安かったときと比べるとまだ高額ですが、機能的には当モデルの方が圧倒的に優れています。
特にマットな外観と設置面積の小ささが個人的には気に入っており、私は値段が安くなるのを待たずに当モデル「MCK70Y」を買ってしまったほど。

「MCK70Y」に興味がある方は、実機レビュー記事もぜひご覧ください。主観で感想を記したほか、あえてデメリット寄りの口コミを引用することで、記事の客観性を担保しています。
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【MCK70Yをレビュー】実際に使った感想&デメリット寄りの口コミ内容を検証
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MCK70Xの価格
2020年12月発売の「MCK70X」は、市場の在庫が減ってきており選択肢として微妙になりつつあるモデル。
2022年中は3万円台を推移しており、価格重視の方にとっては推せるモデルでしたが、近ごろは在庫減少とともに価格も上昇傾向にあります。

なお、このあと紹介する「ACKモデル(ACK70X)」は、2023年3月時点では安いものをまだ見かけます。
機能的には後継機種より劣るものの、元からハイスペックな点を考慮すれば価格に徹底的にこだわる場合は選択肢となるでしょう。
【補足】ACK70YやACK70Xとの違い
より安いモデルを発見できる可能性があるので、補足として、ACKシリーズの存在に少し触れておきます。
ダイキンの空気清浄機には、MCKという型番のほかに、ACKという外観の同じ型番が存在します。
両者の違いは、どこで売っているかという販売経路の違いで、ACKシリーズはダイキンの系列店を中心に販売されています。
- MCK = 家電量販店モデル
- ACK = ダイキンオリジナルモデル
家電量販店 | ダイキン オリジナル | |
---|---|---|
2023年モデル | MCK70Z | ACK70Z |
2022年モデル | MCK70Y | ACK70Y |
2021年モデル | MCK70X | ACK70X |
上表のように各年ごとに2種存在しますが、中身は完全に同じ。
2022年モデルを例にとると「MCK70Y」=「ACK70Y」という関係性なので、価格の安い方を選ぶのが正解です。

気になるモデルがあれば、ぜひACKシリーズの値段も確認してみてください。
タイミングによっては、より低価格で発見できる可能性があります。
2022年ダイキンオリジナルモデル

2021年ダイキンオリジナルモデル
結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは2022年モデル「MCK70Y」です。
理由は先述のとおり、2021年モデルより機能的に優れ、かつ、2023年モデルより圧倒的に安いため。
ただし、価格に徹底的にこだわる場合は、2021年モデル「MCK70X」「ACK70X」の価格もチェックして、機能差と価格差を天秤にかけて判断してみてください。
現時点のおすすめ
価格重視なら選択肢
以上、ダイキン加湿空気清浄機のハイグレードモデル「MCK70Z・MCK70Y・MCK70X」の違いを解説しました。