「KI-PX75」「KI-NX75」「KI-LX75」は加湿機能を持つ、シャープの空気清浄機の上位機種ですが、発売された年が異なる新旧モデルの関係となります。
年式の違い
- KI-PX75(2022年1月発売)
- KI-NX75(2020年9月発売)
- KI-LX75(2019年10月発売)

旧モデル「KI-NX75・KI-LX75」は、外観や中身が全く同じですが、最新モデル「KI-PX75」ではデザイン変更のほか、機能面での変更点が多数あります。
当記事では、各モデルの性能差と価格差を比較検討し、今おすすめのモデルを理由とともに紹介します。
KI-PX75・KI-NX75、KI-LX75の違い
はじめに書いたように、旧モデル2種「KI-NX75・KI-LX75」に違いはありません。
では、最新モデル「KI-PX75」とは何が違うのでしょうか。変更点は大きく6つ。
- デザインの違い
- プラズマクラスターNEXTへの進化
- 飛沫粒子モードを新搭載
- 加湿量の増加
- 空気を「見える化」するモニターが進化
- 細かなスペックの違い

デザインの違い
写真左側は最新「KI-PX75」、右側は旧モデル「KI-NX75・KI-LX75」のデザインです。
最新モデル「KI-PX75」では、高さが43mm・奥行が54mm・幅が5mm減少したことでコンパクトになりました。
外観に関する好みはあると思いますが、大型モデルのデメリットとして口コミでもよく聞く「圧迫感・設置面積」が軽減される嬉しい改良です。
カラー展開は3モデルともホワイト(W)とブラウン(T)の2色展開で変わりなし。
なお、補足ですが、最新モデルのホワイトなら「KI-PX75-W」と、型番最後のカラー記号で色が判別できます。
プラズマクラスターNEXTへの進化
最新モデル「KI-PX75」では、プラズマクラスターが進化しました。
KI-PX75 | プラズマクラスターNEXT |
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KI-NX75 KI-LX75 | プラズマクラスター25000 |
新開発の「小型イオン発生デバイス」により、本体サイズの小型化とプラズマクラスターのアップグレードを両立しています。
プラズマクラスターにはランクが3つあり、上位のグレードの方が、より多種の効果が見込まれ、ニオイなどの除去スピードも早くなることが期待されます。
例えば、タバコの付着臭の分解・除去スピードを比べると、「プラズマクラスター7000」をベースにしたとき、「25000」は約1.6倍、「NEXT」は約3倍とのこと。
これまでプラズマクラスターNEXTは、シャープ空気清浄機の最上位モデルのみに搭載されていましたが、搭載機種が拡大されNO.2のグレードである「KI-PX75」にも搭載されました。
ニオイやアレル物質等を気にする場合は、最新モデル「KI-PX75」がおすすめです。
ただし、プラズマクラスターの適用床面積が減っている点は要注意。
KI-PX75 | 約18畳(約30m²) |
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KI-NX75 KI-LX75 | 約21畳(約35m²) |
最新モデルは、グレードは向上したものの効果範囲が3畳分減っています。
飛沫粒子モードを新搭載
最新モデル「KI-PX75」では、新たに飛沫粒子モードを搭載しました。
KI-PX75 | 飛沫粒子モードを搭載 |
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KI-NX75 KI-LX75 | なし |
飛沫粒子モードとは、天井付近に溜まりがちなウイルス飛沫粒子を捕集する気流制御のこと。
上方に向けて送風し、空気を循環させることで、室内の空気を正常化する仕組みです。
シャープの検証結果では、当該気流の有無で比較した場合に、ウイルス飛沫粒子の捕集数を約2倍に高まったとのこと。

加湿量の増加
最新モデル「KI-PX75」では、旧モデルと比べて最大加湿量が20mL/h増加しました。
KI-PX75 | 最大 900mL/h |
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KI-NX75 KI-LX75 | 最大 880mL/h |
もともと、専用加湿器にも引けを取らないスペックを持っていましたが、加湿力がさらに高まり、保湿を気にする方にも、よりおすすめなモデルに進化しています。
なお補足ですが、最新モデルの発売に合わせて、別売りの「使い捨て加湿プレフィルター」が登場しました。
加湿ユニットからのニオイ問題は、空気清浄機トラブルの筆頭ですが、使い捨てフィルーを使用することで、ニオイの原因となる汚れが加湿フィルターへ付着するのを軽減します。
ただし、「使い捨て加湿プレフィルター」は旧モデル「KI-NX75・KI-LX75」でも使用可能。つまり、新旧比較のうえでは関係ない話であることに注意です。

空気を「見える化」するモニターが進化
モニターとは、温度・湿度・空気の汚れ具合などを数値や色で可視化するもの。
最新モデル「KI-PX75」では、次の3つのモニターが追加されました。
- 微粒子モニター(3段階)
- ハウスダストモニター(3段階)
- ニオイモニター(3段階)
※写真はKI-PX100

KI-PX75 | 微小粒子モニター ハウスダストモニター ニオイモニター PM2.5濃度デジタル表示(目安) きれいモニター デジタル温度・湿度・電気代モニター |
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KI-NX75 KI-LX75 | PM2.5濃度デジタル表示(目安) きれいモニター デジタル温度・湿度・電気代モニター |
ニオイモニターやPM2.5モニターは、2018年モデル「KI-JX75」に搭載されていましたが、それが復活・進化したイメージです。
空気清浄機は効果の見えにくい家電なので、空気がきれいになっていく様子を可視化できるのは魅力的です。
細かなスペックの違い
そのほか、新旧モデルを比較するとスペック上の細かな違いが見られます。

モデル | 風量 ()内は加湿時 | 運転音 ()内は加湿時 | 1時間あたりの電気代目安 ()内は加湿時 | 水タンク容量 | 本体重量 |
---|---|---|---|---|---|
KI-PX75 (新) | 強:7.5m³/分(5.9m³/分) 中:5.1m³/分(5.1m³/分) 静音:1.5m³/分(1.5m³/分) | 強:52dB(48dB) 中:47dB(47dB) 静音:20dB(21dB) | 強:約2.2円(約1.4円) 中:約1.1円(約1.2円) 静音:約0.18円(約0.21円) | 約3.2L | 約13kg |
KI-NX75 KI-LX75 (旧) | 強:7.5m³/分(5.1m³/分) 中:4.3m³/分(4.3m³/分) 静音:1.5m³/分(1.5m³/分) | 強:53dB(45dB) 中:44dB(44dB) 静音:19dB(21dB) | 強:約2.2円(約0.92円) 中:約0.78円(約0.84円) 静音:約0.15円(約0.16円) | 約3.6L | 約12kg |
ポイント
- スペック上で重要な最大風量は7.5m³/分で変わりなし
- ただし、加湿時の最大風量は差異があり新モデルが優れる
- 運転音、電気代、重さは大差なし
- 最新モデルは水タンク容量が減少
水タンクについては、最新モデルで加湿力が強化された反面、本体小型化の影響で水タンク容量が400mL減りました。
給水時は軽くて運びやすくなる一方で、給水頻度は高まるので、一長一短です。
KI-PX75・KI-NX75・KI-LX75の価格比較
ここまで「KI-PX75」「KI-NX75」「KI-LX75」の機能的な違いを紹介してきましたが、機能差と価格差が釣り合っているかも重要です。
最後に、各モデルの価格を比べて、総合的なおすすめモデルを検証しましょう。
その前に、まずは旧モデルから考察する当シリーズの価格推移の傾向をチェック。
- 初値:9万円前後
- 底値圏:3~4万円台
家電は、発売後に少しずつ価格が安くなっていくので、各モデルが今どれくらい安くなっているかもポイントです。

KI-PX75の価格
2022年1月発売の「KI-PX75」の発売時価格は、シリーズ傾向から大きく外れず8万円台のスタートが多い印象。
7万円台の店舗も見かけるようになってきましたが、まだまだ旧モデルと比べて高価格。
性能的には旧モデルよりも優れる点が多く、同価格なら「KI-PX75」の一択(デザイン的な好みは除く)ですが、旧モデルとの価格差が大きいのが悩みどころ。
2022年4月時点の旧モデルとの価格差は3万円前後ですが、これまで紹介してきた機能差にその価値を感じるかが判断のポイントです。

KI-NX75の価格推移
2020年9月に発売された「KI-NX75」は、価格重視の方にはおすすめなモデルです。
2022年に入ってからは、4万円台で見かけることも多く、大底ではないものの底値圏を推移している印象。
なお、ひと世代前の2019年モデル「KI-LX75(外観と中身が全く同じ)」も低価格で見かけるので、年式にこだわらない場合は、より価格の低い方を選ぶとコスパが高まります。
KI-LX75(2019)の価格推移
2019年モデル「KI-LX75」も、価格重視の方の選択肢となるおすすめモデルです。
2021年春以降は3万円台を推移していましたが、2022年に入って少し値上がり傾向が見られます。
とはいえ、まだまだ低価格なので、先述のとおり、後継の「KI-NX75」と価格を比較してみるのが、損をしないためにはおすすめです。

以上、KI-PX75・KI-NX75・KI-LX75の違いをお届けしました。