パナソニックの空間除菌脱臭機「ジアイーノ」には、次のような異なる型番が存在します。
- F-MV4100
- F-MV3000
- F-MV2100
- F-MV1500
- F-MV1100(F-JX1100V)
- F-MV1000(F-MC1000V)


この記事では、
- 特徴やランニングコスト等の違いを比較
- それぞれの価格推移を比較
- 選ぶポイントとおすすめの型番
という構成で「ジアイーノ」の違いを比較し、おすすめ型番を紹介します。
F-MV4100、3000、2100、1500、1100、1000の違いや特徴
それぞれの違う点は、主に次の4点。
- 年式の違い(発売された年)
- 除菌、脱臭の性能の違い
- 使いやすさなどの機能の違い
- ランニングコスト(消耗品)の違い

年式の違い
まず、発売された年により区分することができます。
家電は、発売後、底値に向かって価格が下がっていくので、発売からどれくらい経過しているかも選ぶ上では重要です。
2017年発売
- F-MV3000
- F-MV1500
上の2つは、2017年に発売されました。
発売から時間が経過し、発売時のネット最低価格から、今では3割以上安くなっているものも。
底値圏に到達していますが、発売から時間が経過し過ぎている型番は、逆に価格が上がっていくので要注意です。
2018年発売
- F-MV1000(F-MC1000V)
※カッコ書きのものは、販路の違いから別型番となっているが中身は同じ
2018年に発売されたモデルです。
こちらも発売時のネット最低価格から3割ほど安くなって価格推移していましたが、2020年に入りすでに価格は上昇傾向にあります。
2019年発売
- F-MV4100
- F-MV2100
- F-MV1100(F-JX1100V)
※カッコ書きのものは、販路の違いから別型番となっているが中身は同じ
最後に、上の3つは2019年に発売された型番です。
既にある程度安いものもありますが、発売から時間が経過していないため、まだまだ価格が下がる余地があります。

販路の違い
家電では、中身が同じでも、正規店や家電量販店など、どのルートで販売するかによって型番を使い分けることがあります。
その販売ルートのことを販路と呼びます。
つまり、型番は違いますが、実は中身が全く同じということ。
それなら、単純に安い方を選ぶのが賢いですよね。

性能の違い
ジアイーノが除菌、脱臭する仕組みは次の3ステップ。
- 空気を本体に取り込む
- 次亜塩素酸の水溶液を浸したフィルターに空気を通す
- キレイになった空気を吐き出す

ジアイーノは、型番の数字が大きいほど、風量も大きくなっています。
ここでは、数字が大きい順に、各型番の性能値を一覧表にまとめました。
型番 | 適用床面積のめやす | 風量 | 運転音 | 電気代のめやす | 連続運転時間 | タンク容量 | 本体サイズ | 重さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
F-MV4100 (2019) | ~18畳(30㎡) | 強5.3㎥/分、中2.5m³/分、静1.5m³/分 | 強54dB,中38dB、静28dB | 強1.5円/h、中0.5円/h、静0.3円/h | 強6.5時間、中11時間、静18時間 | 2.1L | 幅398mm×奥行240mm×高さ710mm | 11.2kg |
F-MV3000 (2017) | ~15畳(25㎡) | 強5.2㎥/分、中2.5m³/分、静1.5m³/分 | 強54dB,中38dB、静28dB | 強1.5円/h、中0.5円/h、静0.3円/h | 強7.5時間、中14時間、静22時間 | 2.1L | 幅398mm×奥行240mm×高さ710mm | 11.2kg |
F-MV2100 (2019) | ~12畳(20㎡) | 強3.7㎥/分、中2.0m³/分、静0.8m³/分 | 強46dB,中33dB、静20dB | 強0.8円/h、中0.4円/h、静0.3円/h | 強8.7時間、中14時間、静38時間 | 2.1L | 幅398mm×奥行240mm×高さ710mm | 11.2kg |
F-MV1500 (2017) | ~10畳(16㎡) | 強3.7㎥/分、中2.0m³/分、静0.8m³/分 | 強46dB,中33dB、静20dB | 強0.8円/h、中0.4円/h、静0.3円/h | 強10時間、中17時間、静38時間 | 2.1L | 幅398mm×奥行240mm×高さ710mm | 11.2kg |
F-MV1100 F-JX1100V (2019) | ~9畳(15㎡) | 強3.1㎥/分、中1.5m³/分、静0.7m³/分 | 強48dB,中33dB、静19dB | 強0.7円/h、中0.3円/h、静0.3円/h | 強10時間、中18時間、静36時間 | 1.8L | 幅360mm×奥行230mm×高さ580mm | 9.1kg |
F-MV1000 F-MC1000V (2018) | ~8畳(13㎡) | 強3.0㎥/分、中1.5m³/分、静0.7m³/分 | 強48dB,中33dB、静19dB | 強0.7円/h、中0.3円/h、静0.3円/h | 強10時間、中18時間、静36時間 | 1.8L | 幅360mm×奥行230mm×高さ580mm | 9.2kg |

ジアイーノは、次亜塩素酸の水溶液を浸したフィルターに空気を通して濾過する仕組み。
強い風量で、たくさんの空気をフィルターに通すほど、水溶液が無くなります。
つまり、性能が高い(=風量が強い)ほど、水溶液の減りが早く、連続運転可能時間が短いのです。
連続運転可能時間が短いと言っても、給水して塩タブレットを投入すれば、もちろん運転再開できます。


2019年発売の2つの型番については、ジアイーノ本体内部の障害物をなくし、風路のバランスを調整することで、風量がアップしています。
その結果、従来型(2017年モデル)と比べ、
F-MV3000(2017):15畳
→ F-MV4100(2019):18畳
F-MV1500(2017):10畳
→ F-MV2100(2019):12畳
という感じに、適用床面積が広くなっています。
要は、基本的に2019年モデルの方が性能は高いです。
機能の違い
それぞれの型番の性能は以上のとおりですが、次に機能的な違いを比較してみました。
型番 | 塩タブレット自動投入機能 | 付属の塩タブレット | 各種センサー | 切タイマー | チャイルドロック | 電源コードの長さ | キャスター |
---|---|---|---|---|---|---|---|
F-MV4100 (2019) | ◯ | 約300粒入(約2.5~3年分) | ニオイ・温湿度・照度 | ◯ | ◯ | 1.8m | 有り |
F-MV3000 (2017) | × | 約300粒入(約2.5~3年分) | ニオイ・温湿度・照度 | ◯ | ◯ | 1.8m | 有り |
F-MV2100 (2019) | ◯ | 約300粒入(約2.5~3年分) | ニオイ・温湿度・照度 | ◯ | ◯ | 1.8m | 有り |
F-MV1500 (2017) | × | 約300粒入(約2.5~3年分) | ニオイ・温湿度・照度 | ◯ | ◯ | 1.8m | 有り |
F-MV1100 F-JX1100V (2019) | × | 約100粒入(約1年分) | ニオイ・温湿度・照度 | ◯ | ◯ | 1.8m | 無し |
F-MV1000 F-MC1000V (2018) | × | 約100粒入(約1年分) | ニオイ・温湿度・照度 | ◯ | ◯ | 1.8m | 無し |

違い
- 塩タブレットの自動投入機能
- 付属の塩タブレット数
- キャスター有無
一番大きな機能の違いは、塩タブレットの自動投入機能です。
先述のとおり、ジアイーノの仕組みは、次亜塩素酸の水溶液を浸したフィルターに空気を通すことで空気をキレイにしています。
次亜塩素酸の水溶液は、食塩水を電気分解することで作っていますが、その食塩水は、これまで手動で塩タブレットを入れることで作っていました。

2019年のモデルチェンジで追加された自動投入機能のおかげで、給水時の手間が少なくなり便利になりました。
なお、2019年モデルであっても「F-MV1100」には、自動投入機能がありません。
ランニングコストの違い
消耗品の耐用年数や価格にも、若干の違いがあるので、型番を選ぶ際には重要です。
型番 | 塩タブレット | 除菌フィルター | 保護エレメント | 電極ユニット | 防カビユニット |
---|---|---|---|---|---|
F-MV4100 (2019) | 約300粒入で3,600円 | 約5年交換不要 (1,700円) | 約5年交換不要 (6,000円) | 約5年交換不要 (24,000円) | 約5年交換不要 (3,000円) |
F-MV3000 (2017) | 約300粒入で3,600円 | 約5年交換不要 (1,700円) | 約5年交換不要 (6,000円) | 約5年交換不要 (24,000円) | 約5年交換不要 (3,000円) |
F-MV2100 (2019) | 約300粒入で3,600円 | 約5年交換不要 (1,700円) | 約5年交換不要 (6,000円) | 約3年交換不要 (15,000円) | 約5年交換不要 (3,000円) |
F-MV1500 (2017) | 約300粒入で3,600円 | 約5年交換不要 (1,700円) | 約5年交換不要 (6,000円) | 約3年交換不要 (15,000円) | 約5年交換不要 (3,000円) |
F-MV1100 F-JX1100V (2019) | 約300粒入で3,600円 | 約5年交換不要 (1,600円) | 約3年交換不要 (4,800円) | 約3年交換不要 (15,000円) | 約5年交換不要 (3,000円) |
F-MV1000 F-MC1000V (2018) | 約300粒入で3,600円 | 約5年交換不要 (1,600円) | 約3年交換不要 (4,800円) | 約3年交換不要 (15,000円) | 約5年交換不要 (3,000円) |

上の表のフィルターやユニットは、ジアイーノ購入時に付属するものですが、耐用年数があります。
使用頻度にもよるので、年数は目安ですが、「保護エレメント」と「電極ユニット」の耐用年数に型番により違いがあります。

仮に、F-MV1100を購入したとして、購入後にかかる追加費用を確認してみましょう。
F-MV1100の費用例
塩タブレット1年分、3年用保護エレメント、3年用電極ユニットが付属。
しかし、5年間使おうと想うと
- 1年後:タブレット代3,600円
- 3年後:保護エレメント4,800円
- 3年後:電極ユニット15,000円
計23,400円がプラスで必要となります。
一方、「F-MV4100」や「F-MV3000」は5年間は追加費用はありません。


結局、ランニングコストは結果論なので、どれがいいのか答えはありません。
耐用年数が経った後も使い続ける人もいるでしょうし、耐用年数がきたら商品を買い替えるという選択肢もあるでしょう。
要は、本体価格だけを気にせず、あなたの考え方に基づいて、ジアイーノを選ぶときの判断材料のひとつとすることが重要だと思います。
F-MV4100、3000、2100、1500、1100、1000の価格推移
続いて、ジアイーノの各型番について、価格推移をみていきましょう。
家電の多くは、発売後に価格が下がっていき、底値圏を推移した後、価格上昇して市場から消えていきます。
グラフにすると放物線を描くように価格推移することが一般的なので、各型番がいまどの段階にあるのかが重要です。

生産が終わっているモデルは、安い店舗で売り切れてしまうと、高い店舗しか残らないため価格が高騰していきます。
また、在庫が少なくなってくると、値動きが荒くなる傾向があるほか、欲しいカラーが残っていないなどの問題もあるのでタイミングは重要なのです。


F-MV3000とF-MV4100との価格推移
まずは、ハイクラスである
- 「F-MC3000V(2017)」
- 「F-MV4100(2019)」
の2点の価格を比較します。
性能では「F-MV4100(2019)」が優れる
価格では「F-MC3000V(2017)」が安い
2020年2月現在では、上記のような関係なので、どちらがいいかは判断が分かれるところ。
「F-MV4100」の価格が、もう一段階下がってくると「F-MV4100」の一択になるでしょう。
F-MV3000(2017)の価格推移
2017年モデルである「F-MC3000V」は、発売時に約142,000円の値をつけました。
発売から数月で初値の75%くらいまで下落して横ばいで推移した後、もう一段回、初値の65%くらいまで下落して推移しています。
3~4割安くなると、家電の底値となることが多いので、恐らく底値の価格帯でしたが、2020年に入り価格が少し上がってしまったので、今後の推移が気になるところ。
F-MV4100(2019)の価格推移
一方、同クラスの「F-MV4100」は2019年モデルです。
「F-MV4100」は、発売時に約162,000円の値をつけ、現在も価格が下落している最中。
当初より、30%ほど価格が安くなっていましたが、こちらも2020年に入り少し値上がりしてしまいました。
Amazonはちょっと高めです。
ノジマオンラインは安いですが、発送目安がまさかの3ヶ月なので要確認。
F-MV1500とF-MV2100の価格推移
次に、ミドルクラスである
- 「F-MC1500V(2017)」
- 「F-MV2100(2019)」
の2点の価格を比較していきます。
性能では「F-MV2100(2019)」が優れる
価格では「F-MC1500V(2017)」が安い
という、ハイクラスと同じ状況です。
F-MV1500(2017)の価格推移
2017年モデルである「F-MV1500」は、発売時に約95,000円の値をつけ、順調に価格下落。
いっときは、初値の6割以下の価格まで安くなりましたが、2020年に入り上昇傾向が見受けられます。
一過性のものなのか、このまま価格上昇するのかは微妙なところ。
2020年2月に一瞬、約90,000円にネット最低価格が高騰しましたが、そのような状況では買う価値がないです。
選択肢になり得るのは、「F-MV2100(2019)」より安い場合のみです。
F-MV2100(2019)の価格推移
一方、2019モデル「F-MV2100」は、発売時に約108,000円の値を付け、現在も価格が下落している最中です。
すでに当初よりは、25%ほど価格が安くなっていますが、まだ下がるでしょう。
年末セール後は、少し上昇していますが、今後に期待です。
Amazonが少し高めです。
F-MV1000、F-MC1000V、F-MV1100、F-JX1100Vの価格推移
最後にロークラスの4つを比較します。
2018年モデルの「F-MV1000とF-MC1000V」
2019年モデルの「F-MV1100とF-JX1100V」
これらは、それぞれ販路の違いだけでしたね。
つまり、中身が同じなので価格のみで選んで大丈夫です。
また、2018年モデルと2019年モデルについても、対応する部屋の広さがわずかに違うだけです。
2018年モデル:~8畳(13㎡)
2019年モデル:~9畳(15㎡)
つまり、ロークラス4モデルについては、性能に大差がない、または全く同じなので、適用畳数の差が気にならないのであれば、完全に価格のみで選んでOKです。
F-MV1000(2018)の価格推移
2018年モデルの「F-MV1000」は、発売時に約90,000円の値をつけた後、3割程度下がり、60,000円前後で落ち着いて推移。
しかし、2020年2月に入り価格が高騰したため、現状、選択肢からは外れます。
F-MC1000V(2018)の価格推移
次に、同じ2018年モデルである「F-MC1000V」です。
先に紹介した、もう一つの2018年モデルである「F-MV1000」とは、販路が違うだけで中身は同じでしたね。
「F-MC1000V」は、2020年1月までは4モデルの中で、一番安くおすすめモデルだったのですが、こちらも2月以降は価格が高騰し厳しくなってきました。
ただし、Qoo10には、まだ60,000円代中盤の店舗が残っています。
F-MV1100V(2019)の価格推移
ロークラス3つ目は、2019年モデルの「F-MV1100」
「F-MV1100」は、発売時に約82,000円の値をつけましたが、ほぼ横ばいで、非常に緩やかに価格が下落しています。
F-JX1000V(2019)の価格推移
ロークラス最後は、2019モデル「F-JX1000V」
ロークラスで一番おすすめの型番です。
一つ前に紹介した同じ2019モデル「F-MV1100」の販路の違うバージョンで、中身は全く同じもの。
2018年モデルと比較しても、適用畳数が1畳広いうえに、価格も大差ないとなれば、ロークラスのおすすめは「F-JX1000V」の一択です。
おすすめの型番は?
ジアイーノの型番の違いや価格を比較してきましたが、結論として、おすすめ型番をまとめます。
選ぶポイント
- 部屋の広さに合うものを選ぶ
- 型落ちによる安さと新モデルの新機能を天秤
当たり前ですが、部屋のサイズに合っていることが第一。
15畳のリビングにケチって8畳用のものを置いても、本来の効果が得られないので本末転倒です。
次に、「安さ」と「機能」の比較です。
家電業界では、内容を伴わない名ばかりのモデルチェンジが多い中、ジアイーノは今のところ新しいモデルの方が機能・性能が高いです。
特に2019年モデルの「塩タブレット自動投入機能」は、めんどくさがりな私にとってはかなり熱いところ。
ただし、「そのために数万円を払えるか」がポイントになってきます。

リビング用を探している場合
とにかく安さ重視
→ 「F-MC3000V」
塩タブレット自動投入機能が欲しい
→ 「F-MV4100」
一番迷うところですが、2020年2月現在は、「塩タブレット自動投入機能」に価格差分の価値があるかという判断になってきます。
「F-MC4100V」の方が安くなり価格の逆転現象が起きれば「F-MC4100V」の一択ですが、現状、両方ありです。
個人的には「F-MC4100V」がおすすめ。
寝室などの部屋用を探している場合
価格推移の項目でロークラス、ミドルクラスと表現した、適用畳数12畳以下の型番を部屋用としています。
とにかく安さ重視
→ 「F-JX1000V」
部屋が10畳以上12畳以下、または自動投入機能が欲しい
→ 「F-MC2100V」
「F-JX1000V」と「F-MC2100V」の価格差は20,000円以上あります。
「F-JX1000V」の場合は、1年後にタブレットの追加購入3,600円、3年後に保護エレメント交換4,800円があるので、実質価格差は縮まりますが、「F-JX1000V」の方がまだ安いです。
5年後に買い替える場合
「3年以上は使うけど、5年くらいで買い替えそう」
という感じであれば、あえてリビング用を購入するのもありでしょう。
先述した、各型番のランニングコストを考慮して、5年使うことを想定すると、
「F-JX1000V」の場合は、本体価格にプラス23,400円
「F-MC2100V」の場合は、本体価格にプラス15,000円
リビング用のハイクラスモデルは、5年使用して買い替えるなら、タブレット追加分の3,600円をプラスするだけ。
捉え方次第ではありますが、実質的な価格差は実は以外とありません。
以上、ジアイーノの比較とおすすめ型番の紹介でした。
部屋用おすすめ(安さ重視)
部屋用おすすめ(機能重視)
リビング用おすすめ(安さ重視)
リビング用おすすめ(機能重視)