自宅で音楽や映画の鑑賞をするときに、PC、テレビ、スマホのスピーカー性能に物足りなさを感じたことはありませんか?
我が家では、PCもテレビも格安モデルを使用しているので、
と思うことも少なくありません。
「格安モデルのデフォルトスピーカーならこんなものか....」と半分諦めながらも、数千円で外付けスピーカーがないかと探してみました。
- 予算は5,000円未満でコスパ重視
- 大きすぎないコンパクトサイズ
- Blutooth対応
- デザインがシンプル
以上の条件に当てはまったのが、「Tao Tronics」の「TT-SK028」というサウンドバー。
そんな「TT-SK028」について、メーカー様よりご提供いただくことができたので、使ってみた感想を交えつつレビューしていきたいと思います。
「TT-SK028」の外観やスペック
「TT-SK028」は、幅41.9cm×奥行6.2cm×高さ6.7cmで、サウンドバーとしてはコンパクトな印象です。
給電はUSB-Aとなっており、ケーブルは本体にくっついているので取り外しはできません。
バッテリーは内蔵していないので、使用時にはPC・テレビ・モバイルバッテリーなどから給電します。
電源ボタンは存在せず、UABケーブルを接続すると電源がONとなり、ボリュームノブが青く光ります。
電源を切りたい時は、USBケーブルを外せばOK。
青いLEDライトが消灯したら電源が切れた証です。
ボリュームノブは反時計回りでボリュームダウン。反対に、時計回りでボリュームアップ。
ノブを回した感覚は、無段階調整ではなく、ダイヤル金庫のようなカチカチするタイプ。
といっても、抵抗は少なく回す感触は柔らかいので、ストレスなく簡単にボリューム調整が可能です。
USB-A電源ケーブルの長さは約120cm、AUXケーブルは約100cmでした。
本体裏面の両サイドには滑り止めがついているのも地味に嬉しいポイント。
内容物は全部で4点でした。
- TT-SK028本体(USBケーブル付)
- AUXケーブル
- 説明書
- サポートガイド
サポートガイドには、サポートデスクの連絡先や保証や返品の注意書きなどが書かれています。
「Tao Tronics」のHPで「TT-SK028」の製品登録をすると、通常は12ヶ月の保証期間が18ヶ月に延長されるそうです。
スピーカー | フルレンジ×2 パッシブラジエーター×2 ツイーター×2 |
---|---|
ドライバ口径 | 45mm |
接続規格 | 3.5mmAUX IN×1 3.5mmAUX OUT×1 Blutooth5.0 |
Blutooth コーデック | SBC |
Blutooth プロファイル | A2DP/AVRCP/HFP/HSP |
給電方式 | USB-A |
再生周波数 | 90Hz~20,000Hz |
本体サイズ | 幅419×奥行62×高さ67mm |
重量 | 810g |
Blutooth規格の補足
プロファイルとは、その機器でBlutooth通信を使って何ができるかを表した規格のこと。
ざっくりしたイメージは次のとおり。
- A2DP(音楽データ通信)
- AVRCP(音楽操作)
- HFP(通話データ通信)
- HSP(通話操作)
要は、「スマホなどの再生機」と「サウンドバー」の間で、音楽データや通話データを無線でやりとりできて、
さらに一時停止や音量調整などの音楽操作、応答や拒否などの通話操作もできますよ!という製品情報を表したものです。
「TT-SK028」の操作方法
改めて「TT-SK028」の操作方法をまとめると次のとおり。
- 電源ON → USBケーブル接続
- 電源OFF → USBケーブル外す
- 音量 → ボリュームノブを回す
- Blutooth接続 → ノブ2回押し
- 再生/一時停止 → ノブ1回押し
- 通話応答/終了 → ノブ1回押し
- 応答拒否 → ノブ1秒長押し
Blutooth接続も簡単
ボリュームノブを2度押しすると、Blutooth接続モードになり、ビープ音が鳴って本体正面右下のBlutoothインジケータが点滅します。
青と白の2色で交互に点滅するため、その状態でBlutooth対応機器とペアリングします。
例えばiPhoneの場合は、設定→Blutoothと画面展開し、Blutoothをオンにします。
対応機器の一覧の中から「Tao Tronics TT-SK028」を選択すればOK。
「TT-SK028」の特徴
「TT-SK028」を使用してみて感じた特徴は次のとおり。
- Blutooth(無線)とAUX(有線)の両方に対応
- 6つのスピーカユニットを搭載
- コストパフォーマンスの高さ
【特徴1】Blutooth(無線)とAUX(有線)の両方に対応
「TT-SK028」の魅力的な点は、Blutoothによる無線接続とAUXによる有線接続の両方が可能なところ。
有線用の接続端子と無線機能の2つを搭載することで用途の幅がかなり広がります。
Blutooth接続なら手軽に音質改善ができるのはもちろんのこと、Blutooth非対応機器でも本体から出ているAUXケーブルを接続すればサウンドバーを使用できます。
我が家のテレビは、Blutooth非対応なので、AUXケーブルとUSBケーブルを2本ともテレビに繋いで使用。
映画を見る際は、サウンドバー「TT-SK028」を使用して迫力のサウンドを楽しみます。
また、音量を出せない深夜帯などは「Tao Tronics」の「TT-BA09」というトランスミッターを使用し、ワイヤレスイヤホンに音を飛ばすなど使い分けています。
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【TT-BA09レビュー】Bluetooth非対応テレビでもワイヤレスイヤホンで視聴できる!
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【特徴2】6つのスピーカユニットを搭載
「TT-SK028」は、計6つのスピーカーユニットを搭載しています。
- フルレンジスピーカー2基
- ツイーター2基
- パッシプラジエーター2基
幅広い音域をカバーする合計6W出力のフルレンジスピーカー2基をベースに、高音域を再生するツイーター2基、低音増強のためにパッシプラジエーター2基を搭載し、厚みのある音を鳴らします。
【特徴3】コストパフォーマンスの高さ
「TT-SK028」は4,000円前後で手に入る手頃さが魅力です。
性能面の話は、次の「感想と評価」の項目に譲りますが、価格に対する働きは十分かと思います。
サウンドバーの価格はピンキリで、高いものでは10万円以上、よく見る価格帯でも2~3万円したりするので手が出しづらいです。
もちろん高いには高いだけの理由があるので、音質にこだわる場合は良いのですが、「とりあえず」というライトユーザー向けのエントリーモデルとして「TT-SK028」は優秀です。
Blutooth(無線)の遅延テスト
「TT-SK028」のBlutoothコーデックは「SBC」のみです。
コーデックとは?
無線通信では、効率よく通信するために、音源データを圧縮して送り、サウンドバーで受信後にデータ復元をしています。
この圧縮方式のひとつが「SBC」
「SBC」は全てのBlutooth機器に採用される基本の規格で、若干の遅延が発生します。
次の写真は、ワイヤレス機器の遅延チェック動画で検証した様子。
本来は中央の赤い目盛りで音が鳴っているのですが、遅延があるとスピーカーからは遅れて聞こえます。
「TT-SK028」から音が聞こえたタイミングで停止を押してみましたが、結果はご覧のとおり少し遅延しています。
これは、「TT-SK028」の性能というより通信規格の問題なので、「SBC」を採用するBlutooth機器は全てこのような結果となります。
音楽を聴く、テレビや映画を見る、などの実用の上では特別は気になりませんが、タイミングが重要な音ゲーなどはAUXケーブルの使用が無難です。
AUXケーブル(有線)なら、もちろん遅延はありません。
「TT-SK028」を使用した感想と評価
「TT-SK028」は低価格にも関わらず、手軽に迫力や臨場感を得られるコスパの良さ、使い勝手の良さが高評価でした。
- 音質
- 使い勝手
音質について
正直、数万円するスピーカーと比べて音質が同等以上とはいきませんが、価格に対しての性能を考えると十分満足できました。
オーディオ機器は、音質にこだわれば想像以上にお金がかかる世界で、オーディオマニアを極めると、ノイズのないクリアの音のために「マイ電柱」を建てる実例もあるくらい。
- 低音を響かせたい
- 音の粒が潰れないように
- 超超高音域を再生したい
などなど、音質にこだわりがある場合は「TT-SK028」は向いておらず、もっと高価なモデルがおすすめです。
「TT-SK028」は「PC・テレビなどの音の迫力や臨場感を手間をかけずに低価格で求めたい」という方に向いていると思います。
使い勝手の良さに満足
使い勝手の良さにはかなり満足しており、「TT-SK028」は様々なシチュエーションで活躍してくれています。
Blutoothでスマホのスピーカーとして。
最近のマイブームは、Amazonプライムでアーティストのライブ映像を見ることですが、スマホスピーカーより断然臨場感があります。
長時間のイヤホン装着は疲れるので、気分により使い分けます。
USBとAUXケーブルを接続してテレビスピーカーとして。
テレビの音質も「TT-SK028」を使用することで若干クオリティが向上します。
もちろん映画専用の全方位配置型スピーカーのようなクオリティはないですが、簡単にダイナミックな音を楽しめる点が気に入っています。
WEB会議のスピーカーフォンとして。
「TT-SK028」は、人の声の帯域である400~1,000Hzあたりがよく聞こえる印象があり、声をクリアに拾うことに長けています。
はじめは全く想定していない使い方でしたが、意外にもWEB会議との相性がよかったです。
モバイルバッテリー×スマホBlutoothの組み合わせで屋外で。
キャンプなどのアウトドアでも活躍します。野外の騒音にも負けない音量も出せるので問題なし。
というより、スマホがiPhone(iOS)の場合は、後述しますが音量が出過ぎる問題があるので、周囲に迷惑をかけないよう逆にそっちが注意点。
モバイルバッテリー×AUXケーブルでポータブルテレビのスピーカーに。
ポータブルテレビのスピーカーは、お世辞にも高音質とは言えないので、「TT-SK028」を使用することで劇的に音質が上がりました。
先述のとおり「TT-SK028」は声をクリアに拾うので、テレビ音声とも相性は良いです。
ネットで見かける「TT-SK028」の気になった点を検証
「TT-SK028」のネット上でよく見かける「気になる点」は次の3点でしょうか。
- USBコードが外せない
- 電源ボタンがない
- iPhone接続時に音量の微調整ができない
「USBコードが外せない」「電源ボタンがない」という意見については、接続やボタンを押す面倒がないという利点もあるので一長一短かと。
個人的に気になったのは、iPhone接続時の音量の微調整問題だけでしょうか。
音量を最小からひと目盛り(1→2)上げた際に、音量が大きくなり過ぎるという問題です。
この手の数字は距離にも大きく左右されますが、今回は約1mの距離から騒音計で測定。
iPhoneと接続し、誰もが知っているであろう米津玄師さん「Lemon」をボリュームノブ最小で計測したところ平均49.7デシベル程度。
参考に、50デシベルは「静かな事務所」と例えられます。
室内でBGMを聴く分には「有りだけど、もう少し音量アップしてもいいかも」という感じ。
続いて、音量をひと目盛りだけ上げて、ほかは同じ状況で改めて再生したところ、今度は平均67デシベル程度と結構上がりました。
ちなみに、60デシベルが「普通の会話」、70デシベルが「掃除機」と例えられます。
体感としては「今度はちょっと音量下げたいな」と感じるレベル。
なお、PCやテレビと接続した際は、もっと細かい調整が可能なので、ボリューム調整は全く問題となりませんでした。
まとめ
以上、「TT-SK028」のレビューをお届けしました。
「低価格で迫力サウンドをお求め方におすすめのサウンドバーで、コスパ抜群なエントリーモデル」というのが総評でしょうか。