忙しい家庭の救世主として、すっかり人気となった自動調理家電の「ホットクック」
我が家でも、小型モデルを使用していましたが、容量が物足りなくなり、大型モデルに買い替えるほど頼りにしている存在です。
そんなホットクックは、2015年の発売以降、14モデルが発表されており、ネット上では様々なモデルを見かけることから、
- 違いが分からない
- どれを選べばいいか分からない
という悩みの声も耳にします。
タイミング次第では、型落ちモデルが圧倒的に安いこともあるので、幅広く比較検討したいところですが、個々にチェックしていくのは大変です。
そこで当記事では、過去モデルも含めて比較を行い、自分に最適なホットクックを見つけるために必要な情報を、次の4ステップで整理しました。
型落ちも含めた新旧ラインナップの中から、機能差や現時点での価格も考慮して、具体的なモデルを選べる構成となっています。
比較表で見るホットクックの全体像
まずは、どんな機種がこれまで発売されてきたのか、比較表にまとめてみたので、とりあえずサクッと眺めてみてください。
サイズ | 無線LAN | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大型 (2~6人用) | 無線LAN対応 | KN-HW24G | KN-HW24F | KN-HW24E | KN-HW24C | |||
無線LAN非対応 | KN-HT24B | |||||||
中型 (2~4人用) | 無線LAN対応 | KN-HW16G | KN-HW16F | KN-HW16E | KN-HW16D | |||
無線LAN非対応 | KN-HT16E | KN-HT99B | KN-HT99A | |||||
小型 (1~2人用) | 無線LAN対応 | KN-HW10G | KN-HW10E | |||||
無線LAN非対応 |
ポイント
- 昔はサイズと無線LANの対応有無が大きな違いだった
- しかし、2020年以降は無線LAN対応モデルのみ発売
- なので、近年モデルは基本的にサイズで選べばOK
- ただし、年式により細かな機能やスペックが異なるので新旧比較はすべき
ちなみに、無線LANと接続しなくてもホットクックは問題なく使用できますが、無線LANと接続することで、新レシピをダウンロードしたり、メニュー提案を受けたり、より便利に使用できるイメージです。
例えば、外出先のスキマ時間にアプリで今晩のメニューを決定し、ホットクックへレシピを送信することができます。
【スマホ】
【ホットクック】
また、レシピを見て足りない食材があれば、そのまま買い物リストの作成が可能。
【レシピ】
【買い物リスト】
「買い物リストに追加」のボタンを押せば、料理ごとに必要な材料が追加されます。
型番から分かる各モデルの特徴
難解に見える型番にも実は意味があり、型番を見れば性能や特徴が見えてくるので比較の際に役立ちます。
「KN-HW24G-W」
数字前の記号 (黄色) |
無線LANの対応状況を表す。先述のとおり近年は対応モデルのみ。
W:無線LAN対応 |
---|---|
数字 (赤色) |
調理容量(サイズ)を表す。
24:2.4L(大型モデル) ※一部の古い型を除く |
数字後の記号 (青色) |
発売した年を表す。
G:2021年、F:2020年 ※一部の古い型を除く |
末尾の記号 (灰色) |
本体カラーを表す(先述の比較表では省略)
R:レッド、W:ホワイト |
例として挙げた「KN-HW24G-W」を改めて確認すると次のとおり。
- KN-H → 共通(意味なし)
- W → 無線LAN対応
- 24 → 2.4Lの大型モデル
- W → 本体カラーは白
型番の中にも、機種を選別するための情報がこれだけ入っています。
ホットクックの特徴
ホットクックの特徴は「ほったらかし」という点にあり、これにより自由時間を捻出できるのが最大のメリット。
ほかの自動調理鍋では、メニューによっては調理途中に作業が必要で、ほったらかしにできない物もあるなかで、ホットクックは完全放置が前提です。
なお、時短家電と間違われることも多いですが、じっくり時間をかけて加熱する調理が多いので調理時間はむしろ長め。
例えば、美味しすぎるホットクックの人気料理「無水カレー」の加熱時間は1時間10分ほどかかります。
ただし、自動で「かきまぜ」をやってくれるので、材料を投入してスタートした後は、キッチンを離れられるのがポイント。
しかも、素材の旨味を引き出す構造や、センサーを駆使した火加減調整により、お店で出てくる手料理のような丁寧な味を出せるのが人気の秘訣です。
ホットクックは「かきまぜ」にもこだわりがあり、料理に合わせた数百通りのかきまぜパターンを駆使し、煮崩れせず、薄めの味つけでもちゃんと味を染み込ませることが可能。
他メーカーの自動調理鍋のなかには、そもそも「かきまぜ」機能がないものが多いなかで、ホットクックの「かきまぜ」は大きな特徴のひとつです。
ホットクックの選び方
たくさん種類がある中から、最適な1台を選ぶための主なポイントは次の4つです。
- サイズ(容量)
- メニュー数
- カラー
- 機能・スペック
選び方1|サイズ(容量)
2019年に小型モデルが追加されてからは、ホットクックは3サイズで展開しているので、まずは世帯人数からサイズを決めるのがおすすめです。
サイズ | 最新モデル | 容量 |
---|---|---|
大型 (2~6人用) | KN-HW24G | 2.4L |
中型 (2~4人用) | KN-HW16G | 1.6L |
小型 (1~2人用) | KN-HW10G | 1L |
もう少し具体的にイメージできるように、ホットクックの定番料理「無水カレー」を「一度に最大で何皿分まで作れるか」で示すなら、次のようなイメージです。
- 大型:8皿分
- 中型:5皿分
- 小型:3皿分
また、大型・中型モデルについては、2021年モデル(Gモデル)からは、容量はそのままに、本体の横幅がコンパクトになっています。
ホットクックのよく聞くデメリットのひとつが「サイズが大きすぎてキッチンに置き場所がない」というもの。
その要望を改善するため、横幅が9%改善されているので、設置スペースで悩んでいる場合は、年式も検討してみてください。
2021年式 (幅×奥行×高さ) | 2020年式以前 (幅×奥行×高さ) | |
---|---|---|
大型 | 345×305×256mm | 395×305×249mm |
中型 | 330×282×240mm | 364×283×232mm |
選び方2|搭載メニュー数
ホットクックは、機種によって初期搭載メニュー数が異なっており、サイズが大きいほどメニュー数も多い傾向にあります。
最新モデルを例にしたメニュー数の一覧は次のとおりです。
最新モデル | メニュー数 |
---|---|
KN-HW24G(大型) | 145(自動133/手動12) |
KN-HW16G(中型) | 140(自動129/手動11) |
KN-HW10G(小型) | 86(自動70/手動16) |
ちなみに、自動メニューと手動メニューの違いは、付属メニュー集のレシピどおりに材料を投入した後の操作手順にあります。
自動メニューの場合は、メニュー名を選んでスタートボタンを押すだけ。
一方、手動メニューは「混ぜる・混ぜない」「温度設定」「加熱時間」などを手動で決定していくメニューです。
とは言っても、付属メニュー集のなかに「何をどう選択すればいいか」まで書かれているので、迷うことはありません。
なお、手動メニューを駆使すれば、付属メニュー集に載っていない料理を作ることも可能です。
ネットやSNSでホットクックレシピを検索すると、上級者がレシピと設定手順を公開してくれています。
ホットクックは利用者が多いので、新しいレシピを発見しやすいのも魅力のひとつです。
そのほか、公式アプリ「COCORO KITCHEN」から、新メニューを無線LAN経由でホットクックにダウンロードすることもできます。
しかし、アプリからのダウンロードにせよ、ネットやSNSで利用者の投稿レシピを探すにせよ、大型・中型モデルを前提にしたものが多いです。
もし気に入ったレシピを見つけても「中型モデル以上を前提にしていて、小型モデルはレシピ・分量・機能が非対応」という事が起こりえます。
初期搭載メニュー数が全てではありませんが、メニュー数にこだわる場合は、中型以上のモデルを選ぶのがおすすめです。
選び方3|本体カラー
ホットクックで採用されているカラーは主に、赤・白・黒の3色ですが、機種によっては展開していないカラーがあります。
最新モデル | カラー展開 |
---|---|
KN-HW24G(大型) | 赤・白の2色から選択 |
KN-HW16G(中型) | 黒・白の2色から選択 |
KN-HW10G(小型) | 黒・白の2色から選択 |
例えば、中型の赤色モデルは存在しないので、赤色を譲れない場合は、大型モデルか型落ち(中型2020年モデルは赤・白の2色)を検討する必要があります。
ホットクックは大きくて存在感があるので、カラーによってキッチンの印象も大きく変わることもあり、選ぶ際の重要なポイントのひとつです。
選び方4|機能・スペック
ホットクックは2015年の登場以来、徐々に進化を重ねており、年式によって機能が微妙に異なります。
最新モデルは、どのサイズも機能的な違いはほとんどありませんが、古いモデルと比べるときには、搭載機能の差異もポイントとなるので、代表的な4つの機能をサクッと紹介します。
- 内鍋のフッ素コート加工
- 好みの設定加熱
- 2段調理
- 煮詰め
内鍋のフッ素コート加工
調理家電は使いやすさが大事ですが、その点、上記4機能のなかでも特に重要なのは内鍋の「フッ素コート加工」です。
毎回洗う必要のあるパーツは「内鍋・内ぶた・つゆ受け・まぜ技ユニット」の4種が基本ですが、このうち内鍋だけは食洗器が使えないので手洗いすることになります。
「フッ素コート加工」が施された内鍋は、汚れがこびりつきにくく、洗い物の手間が軽減されるので、かなり大事な仕様です。
新しい機種は加工対応済み(内鍋が黒色)ですが、古い機種は加工なしのステンレス製(内鍋が銀色)のものがあります。
「フッ素コート加工」は、ホットクックユーザーにとって待望の改善点として、2020年に改良されたものなので、できれば2020年モデル(Fモデル)以降を選ぶことを強くおすすめします(小型は2019年以降対応)。
好みの設定加熱機能
火力、まぜ方、加熱時間を細かく設定し、きめ細かい調理ができる機能で、手動でオリジナル料理を作る場合に便利です。
「メニュー集に載っている料理しか作らない」というライトユーザーは持て余す機能ですが、ホットクックで本格的な調理をしたい方にとっては重要な機能。
ネットやSNS上にあるユーザー考案のオリジナルレシピを再現したい場合も、当機能がある方が幅が広がるでしょう。
2段調理
付属の蒸しトレイを使って、鍋を上下に仕切ることで同時に2品調理する時短機能です。
写真は「酒の肴」というメニューを作ったときのもの。
ほかにも「しゅうまい&わかめスープ」「ポテトサラダ&アクアパッツァ」などのレシピがあります。
蒸しトレイが付属する一部の機種だけ対応しており、大型・中型の古いモデルには機能が非搭載のものがあります。
ただし、2段調理に対応する機種でも、初期搭載メニューのなかに2段調理レシピは少ないので過度な期待は禁物です。
煮詰め
煮詰めとは、最後の仕上げにフタを開けて目視しながら加熱できる機能のことで、比較的新しい機種には搭載されています。
上の写真はリンゴジャムを作った際に、最後に煮詰め機能を使って、目で確認しながら加熱して水分を飛ばしている様子。
煮詰めることによって、水分を飛ばして味の微調整をしたり、照りを出したいときに便利です。
具体的なスペックの違いを比較
ここからは最適な1台を選ぶために、各モデルの具体的な機能やスペックを確認していきましょう。
タイミングによっては、新旧の機能差が少ないにも関わらず、型落ちの方が安いこともあるので、機能差が許容できるのであれば型落ちも有力な選択肢となりえます。
ただし、あまり古い機種は、市場にまともな在庫がない(あっても価格が安くない)ことと、先述のとおりフッ素コート加工に対応していません。
現状では、最新モデルと一世代前を比較すれば充分なので、気になる機種については、ぜひ旧モデルとの比較もしてみてくださいね。
最新モデル (2021年式) | デザイン | 新旧比較 | 容量・対応人数 | 搭載メニュー数 (自動メニュー/手動メニュー) | カラー | 無線LAN | 内鍋のフッ素コート加工 | 煮詰め機能 | 好みの設定加熱機能 | 2段調理機能 | お手入れ機能 | サイズ (幅×奥行×高さ) | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KN-HW24G | 型落ちとの違い | 2.4L(2~6人用) | 145 (133/12) | 赤と白 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 345×305×256mm | 約5.8kg | |
KN-HW16G | 型落ちとの違い | 1.6L(2~4人用) | 140 (129/11) | 黒と白 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 330×282×240mm | 約5.0kg | |
KN-HW10G | 型落ちとの違い | 1.0L(1~2人用) | 86 (70/16) | 黒と白 | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | 220×305×240mm | 約3.7kg |
比較のポイント
- 最新モデルはサイズによる機能差はあまりなく、サイズ・メニュー数・カラーで選ぶのがおすすめ
- 小型モデルは「好みの設定加熱機能」がないのでオリジナル調理には向かない
- 古いモデルとは機能差があるので、気になるモデルは型落ちとも要比較
迷った場合は、スペースが許すのであれば大きいサイズを選ぶのがおすすめです。
うちは、世帯人数は3人と多くありませんが、冒頭でも書いたとおり、容量不足を理由に小型から大型に買い替えました。
「作ったものを食べ切りたい」という場合は、小さいサイズでも充分ですが、「作り置き分も確保したい」「保温して翌日も食べたい」という場合は、大きめのサイズを推します。
以上、ホットクックの違いについて解説しました。