シャープの自動調理機「ホットクック」は2015年の発売以来、全部で11種類。
選択肢が広がるのはいいのですが、種類が多すぎて、どれを選べばいいかよくわかりませんよね?


これは、我が家の夫婦間のリアルな会話。
しかし、調べていくうちに徐々に違いや選び方のポイントが分かるようになりました。
2020年の発売の最新モデルも含め、ざっくり分類すると次のとおり。
対応人数と無線LAN機能の有無で大別されることが分かりますが、実はさらに細かい違いがあり、価格や使い勝手に影響します。
そこで、この記事では、
- 型番の意味や違い
- 機能の詳細や選び方のポイント
- 家庭ごとのおすすめの型番
などを紹介し、ホットクックを選ぶ際の参考となるよう情報をまとめます。
ホットクックの型番の意味
謎の文字列に見える型番にも実は意味があります。

ということが型番を比較すると多々ありますが、意味を理解すると意外とシンプル。
例えば、
「KN-HW24F」
前半の「KN-H」までは全モデル共通。
続く「W」の部分はWi-Fi(無線LAN)機能の有無。Wは機能有り、Tは機能なし。
次の「24」の数字は容量で、10=1.0L、16=1.6L、24=2.4Lという意味です。
最後の「F」は年式記号を表します。
- 2020年発売=F
- 2019年発売=E
- 2018年発売=D
- 2017年発売=C
- 2016年発売=B
型番の例
KN-HW24Fは、Wi-Fiあり、2.4L、2020年発売モデル
KN-HT16Eは、Wi-Fiなし、1.6L、2019年発売モデル
ただし、KN-HT99A(2015年)、KN-HT99B(2018年)の2つは例外で、型番から容量等が読み取れませんが、Wi-Fi機能なしの1.6Lタイプとなっています。
カラー記号
店頭などで型番の最後にさらにアルファベットがくっついているのを見かけますが、これはカラー記号です。
例えば、「KN-HW24F-R」「KN-HW10E-B」などの赤字部分のことです。
カラー記号
R=赤、W=白、B=黒
ホットクックの仕様や機能の違いを比較
型番の意味を理解すると、なんとなく特徴が見えてきますよね。
ここからは、型番からでは分からない、もう少し細かい違いについて、スペックや機能を比較します。
機種ごとの仕様や機能の違い
型番 | 発売年 | カラー | 容量・対応人数 | サイズ | 重量 | メニュー集掲載レシピ数 | 無線LAN | 内鍋のフッ素コート加工 | 画面のメニュー表示方法 | 煮詰め機能 | 好みの設定加熱機能 | 2段調理機能 | お手入れ機能 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KN-HW10E | 2019年 | 白と黒 | 1.0L(1~2人用) | 幅220×奥行305×高さ240mm | 約3.7kg | 80 | ◯ | ◯ | メニュー名表示 | ◯ | × | ◯ | ◯ |
KN-HW16F | 2020年 | 赤と白 | 1.6L(2~4人用) | 幅364×奥行283×高さ232mm | 約5.2kg | 142 | ◯ | ◯ | メニュー名表示 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KN-HW16E | 2019年 | 赤と白 | 1.6L(2~4人用) | 幅364×奥行283×高さ232mm | 約5.5kg | 145 | ◯ | × | メニュー名表示 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
KN-HW16D | 2018年 | 赤と白 | 1.6L(2~4人用) | 幅364×奥行283×高さ232mm | 約5.5kg | 145 | ◯ | × | メニュー名表示 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
KN-HT16E | 2019年 | 赤 | 1.6L(2~4人用) | 幅364×奥行283×高さ232mm | 約5.3kg | 138 | × | × | 番号表示 | × | × | × | ◯ |
KN-HT99B | 2018年 | 赤 | 1.6L(2~4人用) | 幅364×奥行283×高さ232mm | 約5.3kg | 131 | × | × | 番号表示 | × | × | × | ◯ |
KN-HT99A | 2015年 | 赤 | 1.6L(2~4人用) | 幅364×奥行280×高さ224mm | 約5.2kg | 100 | × | × | 番号表示 | × | × | × | × |
KN-HW24F | 2020年 | 赤と白 | 2.4L(2~6人用) | 幅395×奥行305×高さ249mm | 約6.1kg | 147 | ◯ | ◯ | メニュー名表示 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KN-HW24E | 2019年 | 赤と白 | 2.4L(2~6人用) | 幅395×奥行305×高さ249mm | 約6.5kg | 155 | ◯ | × | メニュー名表示 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
KN-HW24C | 2017年 | 赤 | 2.4L(2~6人用) | 幅395×奥行305×高さ249mm | 約6.5kg | 155 | ◯ | × | メニュー名表示 | × | × | × | ◯ |
KN-HT24B | 2016年 | 赤 | 2.4L(2~6人用) | 幅395×奥行305×高さ240mm | 約6.1kg | 143 | × | × | 番号表示 | × | × | × | × |

無線LAN(Wi-Fi)機能
無線LAN機能があればシャープの純正アプリ「COCORO KITCHEN」に接続でき、より便利にホットクックを使いこなせます。
アプリでよく使う機能は3つ。
- レシピの送信
- 買い物リストの作成
- 予約時間の変更
外出先のスキマ時間にアプリで今晩のメニューを決定し、ホットクックへレシピを送信することができます。
【スマホ】
【ホットクック】

また、レシピを見て足りない食材があれば、そのまま買い物リストの作成が可能。
【レシピ】
【買い物リスト】
「買い物リストに追加」のボタンを押せば、料理ごとに必要な材料が追加されます。
対応機種
- KN-HW10E
- KN-HW16F
- KN-HW16E
- KN-HW16D
- KN-HW24F
- KN-HW24E
- KN-HW24C

内鍋のフッ素コート加工
ホットクックの内鍋は従来ステンレス製でしたが、焼き物調理などの際に、汚れがこびりつきやすい点が不評でした。
2019年以降発売の一部の機種では、この点が改良され、内鍋をフッ素コート加工することにより、洗い物の負担を軽減しています。
ちなみに、フッ素コート加工された内鍋は、2020年秋から単体でも発売され、旧モデルでも使用可能です。
対応機種
- KN-HW10E
- KN-HW16F
- KN-HW24F
メニュー表示方法
ホットクックの画面上のメニューの表示方法は、2種類あります。
ひとつは、上の写真のように料理名が日本語で表示される「メニュー名表示」タイプ。
もうひとつは次の写真のように「番号表示」されるタイプで、少し見づらいですね。
無線LAN対応機種=メニュー名表示
無線LAN非対応機種=番号表示
となっています。
メニュー名表示対応
- KN-HW10E
- KN-HW16F
- KN-HW16E
- KN-HW16D
- KN-HW24F
- KN-HW24E
- KN-HW24C
煮詰め機能
煮詰め機能とは、最後の仕上げにフタを開けたまま加熱できる機能のこと。
煮詰めることによって、水分を飛ばして味の微調整をしたり、照りを出したいときに便利です。
上の写真はリンゴジャムを作った際に、最後に煮詰め機能を使って、目で確認しながら加熱して水分を飛ばしている様子。
ホットクックは調理中に中身の状態を確認できませんが、煮詰め機能の使用中は目視による調理が可能です。
対応機種
- KN-HW10E
- KN-HW16F
- KN-HW16E
- KN-HW16D
- KN-HW24F
- KN-HW24E
好みの設定加熱機能
火力・まぜ方・加熱時間を好きなように設定し、きめ細かい調理ができる機能。

というライトユーザーは持て余す機能ですが、ホットクックで本格的な調理をしたい方にとっては嬉しい機能です。
オリジナルレシピに挑戦する際などに重宝する、玄人向けの機能といえます。
対応機種
- KN-HW16F
- KN-HW16E
- KN-HW16D
- KN-HW24F
- KN-HW24E
2段調理
2段調理とは、写真のように内鍋と蒸しトレイに別々の食材をセットし、上下に重ねて調理することで、同時に2品作れる機能。
蒸しトレイが付属する一部の機種だけ対応しています。
上の写真は「酒の肴」というメニューを作ったときのもの。
レシピ集の対応メニューは少ないですが、「しゅうまい&わかめスープ」「ポテトサラダ&アクアパッツァ」などが可能です。
対応機種
- KN-HW10E
- KN-HW16F
- KN-HW24F
お手入れ機能
お手入れ機能とは、内鍋に水を入れて「お手入れ」ボタンを押すことで、内鍋にこびりついた汚れを落としやすくする機能。

ここでいう「お手入れ機能」の有無は、メニュー画面の中に「お手入れ」ボタンがあるかどうかを指します。
お手入れモードでやっていることは、単に水を沸かして汚れをふやかしているだけなので、お手入れ機能(お手入れボタン)がなくても、空調理で水を沸かせば同じこと。
あまりこだわる機能ではないと思います。
なお、お手入れモードでは、重曹やレモンを加えると効果が増します。

ホットクックの選び方4つのポイント
選び方のポイントは次の4つ。
- 家族の人数で選ぶ
- 機能で選ぶ
- カラーで選ぶ
- 価格で選ぶ

家族の人数で選ぶ
ホットクックを選ぶ際は、まずは家庭の人数で絞るのが一般的、次の3タイプの中から選びましょう。
- 1~2人用(1.0L)
- 2~4人用(1.6L)
- 2~6人用(2.4L)
作り置きを想定するなら余裕を見るのも有りですが、注意すべきはサイズです。
ホットクックは想像以上に大きいので、置き場所も併せて検討してみてくださいね。
機能で選ぶ
これまで紹介してきた機能に価値を感じるかがポイントです。
個人的には、使い勝手で一番重要なのは、画面のメニュー名表示機能だと思っています。

- 番号表示=無線LAN非対応
- メニュー名表示=無線LAN対応
となっているので、サイズ決めた後の判断基準として、メニュー名表示と無線LAN機能が必要かどうかを検討するのがオススメです。
その後に、内鍋の種類・好みの設定加熱機能・2段調理機能など、細かい機能の有無を値段と相談しながら絞っていくとスムーズです。
カラーで選ぶ
ホットクックといえば、赤色のイメージが強いですが、「赤はちょっと...」という方もいると思います。
黒は1~2人用のみ、白は無線LAN対応モデルのみに限定されますが、調和が崩れないようにキッチンに合うカラーを選択するのもポイントです。
価格で選ぶ
価格は日々変動するため、あくまで参考ですが、2020年9月時点の価格の違いをまとめました。

サイズ別
- KN-HW10E:約35,000円
- KN-HW16E:約46,000円
- KN-HW24E:約57,000円
2019年モデル3サイズを比較してみると、それぞれ約1万円差となっています。
1.6Lと2.4Lで迷うケースは多いので、値段は購入判断の大きな材料です。
最新と型落ち
- KN-HW16F:約65,000円
- KN-HW16E:約46,000円
- KN-HW24F:約76,000円
- KN-HW24E:約57,000円
最新モデルとひとつ型落ちの比較では約2万円の価格差があります。
ただし、最新モデルは発売直前の予約価格。発売後は価格が落ちていくので価格差は縮んでいくでしょう。
型落ちと更に旧モデル
- KN-HW16E:約46,000円
- KN-HW16D:約48,000円
- KN-HW24E:約57,000円
- KN-HW24C:約43,000円
2.4Lでは旧モデルの方が安いですが、1.6Lでは新しいモデルの方が安いという結果に。
比較時点で結果が変わる可能性はありますが、必ずしも古い方が安いわけではありません。
無線LAN機能の有無
- KN-HW16E:約46,000円
- KN-HT16E:約41,000円
- KN-HW24E:約56,000円
- KN-HT24B:約53,000円
1.6Lのサイズでは約5,000円の価格差です。
2.6Lでは、無線LAN非対応は2016年モデルのみのため同年モデル間での比較ではないですが、約3,000円の開きがあります。

KN-HW10E | 約35,000円 |
---|---|
KN-HW16F | 約65,000円 |
KN-HW16E | 約46,000円 |
KN-HW16D | 約48,000円 |
KN-HT16E | 約41,000円 |
KN-HT99B | 約60,000円 |
KN-HT99A | 約50,000円 |
KN-HW24F | 約76,000円 |
KN-HW24E | 約57,000円 |
KN-HW24C | 約43,000円 |
KN-HT24B | 約53,000円 |
※2020年9月時点(価格は日々変動します)

- 新しい方が機能は多い傾向
- 最新モデルよりは型落ちモデルが安い
- しかし、より古いモデルがより安いとは限らない
家庭別おすすめの型番
まず古いのにより新しいモデルよりも価格が高い傾向にあるものは選択肢から外れます。
さらに無線LAN非対応のHTモデルは、画面表示が見にくいうえに割安感が薄いのでこれも除外します。
以上を前提として、おすすめを紹介します。
一人暮らしや夫婦のみの家庭
小型ホットクックは一択なので、KN-HW10Eがおすすめとなります。
一人用ホットクックと呼ばれることもありますが、2人分までなら問題なく調理可能。
価格が安いだけでなく、フッ素コート加工、煮詰め、2段調理といった多彩な機能も備えるコスパのよいモデルです。
別記事「【小型ホットクック】一人暮らしの救世主?KN-HW10Eを使い倒して徹底解説」で特徴をまとめたので参考にどうぞ。
食べ盛りの子供がいないファミリー
子供が小さかったり、2人暮らしでも作り置きをしておきたい場合などは2~4人用が選択肢です。
おすすめは、KN-HW16E。
最新モデルのFと比べると、内鍋のフッ素コート加工がないというデメリットがあるものの、現状2万円の価格差は大きすぎます。
家電は発売後に価格がどんどん下がっていくので、2020年9月の発売から半年ほど経てば、Fがおすすめできそうです。
なお、別記事「【ホットクック新旧比較】KN-HW16FとKN-HW16Eの3つの違い!」で比較を行っています。
KN-HW16Eは、2段調理以外の機能が備わっており、価格も4万円台で発売時の65,000円から比べると3割程安くなっています。
食べ盛りの子供がいるファミリー
子供が多い、または小学校高学年以上でたくさん食べる場合は2.4Lの大きいタイプが選択肢。
おすすめは、KN-HW24Eで、理由は1.6Lタイプと全く同じです。
こちらも別記事「KN-HW24Fの特徴や旧モデルとの違いは?後悔のないよう購入前に要チェック!」で比較を行いました。
個人的には、価格差が1万円程度なら最新のFモデルを選びますが、それまではKN-HW24Eがコスパが良いです。
以上、「ホットクックの違いと選び方!全11種類を比較」でした。