「Lilnob 3C1A」を一言で表すならば「一家に一台これさえあれば大丈夫」な4ポート搭載のUSB急速充電器。
モバイルバッテリーや充電器などを取り扱うIoT製品の総合メーカー「CIO」から2020年12月に発売された当モデルは、現時点のマルチポートの最高峰だと個人的には思っています。
「Lilnob 3C1A」の主な特徴は次のとおり。
- USB-C×4、USB-A×1の4ポート搭載
- PDやQC等の急速充電規格対応
- 単ポート100Wの高出力
- 4ポート全使用でも計90W出力
- GaN(窒化ガリウム)採用で軽量小型
急速充電の対応機器は近年かなり増えてきましたし、USB規格もType-Cに統合されつつあります。
「Lilnob 3C1A」は、機能性の高いType-Cポートを3つ、さらに汎用性の高いAポートも備えている高スペックモデル。
今回は、そんな「Lilnob 3C1A」についてメーカー様から製品をご提供いただけたので、使用感を交えレビューしていきたいと思います。
「Lilnob 3C1A」の外観やスペック
「Lilnob 3C1A」は、6.0×7.5 ×2.9cmというクレジットカードと同等の面積しかない超コンパクトサイズ。
次の写真は、Mac Book Proの純正アダプタ(61W)との比較ですが、マルチポートの「Lilnob 3C1A」の方がコンパクト設計となっています。
このサイズ感が実現できたのは、次世代半導体GaN(窒化ガリウム)を採用しているためです。
冒頭でも述べたように、ポート数はUSB-Cが3つ、USB-Aが1つとなっています。
4ポートで同時充電を行っても、高出力のスピード充電を実現できるのが「Lilnob 3C1A」の強みです。
コンセントプラグは、本体に収納可能。
「Lilnob 3C1A」は、家庭の据え置きとしての需要が高そうですが、もしカバンに入れて持ち歩く際は、コンセントプラグが収納できると、省スペース&周りの物を傷つけないので嬉しいポイント。
軽量小型が特徴のひとつとされる「Lilnob 3C1A」の重量は215gでした。
最大100Wの高出力を持ちながらこの数値は優秀で、ほかの4ポート充電器の中には60W程度の出力で250g前後の製品もあります。
本体側面には充電器の仕様などが書かれています。
ひし形のPSEマークは、行政の認定する検査機関の検査をクリアしたことの証です。
モバイルバッテリーなどに見られる丸い形のPSEマークは自主検査(2020年12月時点)なので、それに比べると、法定の適合検査をクリアしているアダプタ類は安心して使用できますね。
「Lilnob 3C1A」のパッケージの中に入っている付属品は2点です。
付属品
- 充電器本体
- ユーザーマニュアル
「Lilnob 3C1A」の特徴
冒頭でも述べましたが、「Lilnob 3C1A」には大きく次のような特徴があります。
- 最大100Wの急速充電&4ポートの高い利便性
- 次世代半導体GaNを採用
最大100Wの急速充電&4ポートの高い利便性
「Lilnob 3C1A」は、冒頭でも述べたように単ポート100W、4ポートでも計90Wの急速充電が可能。
最もメジャーな急速充電規格である「USB Power Delivery」の規格上の最大値である100W出力を実現できるパワーは魅力的です。
現時点で「Lilnob 3C1A」の性能を活かしきれる端末は多くありませんが、今後必ず需要が増えると思います。
ひとつのコンセントで4台同時に充電できる利便性はかなり高いです。
「Lilnob 3C1A」は、どのポートをいくつ使うかで各ポートからの給電力が変わってきます。
USB-C1~3とUSB-A、以上4ポートのそれぞれにケーブルを接続したときの給電パターンを表にまとめました。
使用ポート数 トータルW数 | C1 | C2 | C3 | A |
---|---|---|---|---|
1 計100W | 100W | |||
1 計100W | 100W | |||
1 計30W | 30W | |||
1 計30W | 30W | |||
2 計95W | 65W | 30W | ||
2 計95W | 65W | 30W | ||
2 計95W | 65W | 30W | ||
2 計95W | 65W | 30W | ||
2 計95W | 65W | 30W | ||
2 計30W | 2ポート計15W | |||
3 計93W | 45W | 30W | 18W | |
3 計93W | 45W | 18W | 30W | |
3 計80W | 65W | 2ポート計15W | ||
3 計80W | 65W | 2ポート計15W | ||
4 計90W | 45W | 30W | 2ポート計15W |
例えば、次の写真では、4ポート全て使用、USB-C1からMacBook Proへの給電量をチェッカーで調べた様子です。
「19.7V×2.1A=約41W」と、上限出力45Wに近い値をマークし、しっかり充電できていることを確認できました。
次世代半導体GaNを採用
「Lilnob 3C1A」は、次世代半導体と言われる「GaN(窒素ガリウム)」を採用しています。
従来素材のシリコンと比較し、エネルギーロスが少なく電力効率が良いのが「GaN」の特性。
発熱が少なく、放熱機構や周辺部品の小型化が可能となるため、充電アダプタの体積や重量を大きく削減できます。
- 発熱が少ない
- 軽量
- 小型
3つとも充電アダプタに求められるポイントなので、今後「GaN」を使用した充電アダプタがスタンダードとなる可能性も。
「Lilnob 3C1A」の充電スピードを検証
「最大100Wの高出力」と謳っているものの、具体的な充電時間の例がないと充電スピードが早いのか遅いのかピンとこないですよね?
ということで、iPhoneの充電にかかる時間をデフォルトACアダプタと比較検証してみたいと思います。
「Lilnob 3C1A」は、せっかくのマルチポート対応なので、
- USB-C1 → MacBookPro
- USB-C2 → iPhone
- USB-C3 → モバイルバッテリー
- USB-A → iPad
という構成で4ポート充電し、USB-C2に接続したiPhoneの充電にどれくらい時間がかかるか検証します。
なお、リチウムイオン電池への充電は、一定量が蓄電されるとバッテリー負荷を減らすため充電スピードが落ちる仕様となっています。
そのためフル充電には時間がかかるので、この実験では「50%充電までに要する時間」を比較することとします。
「Lilnob 3C1A」のC2ポートでは、iPhoneのバッテリー残量0から開始し、50%まで充電するのにかかった時間は34分。
iPhoneの高速充電にしっかり対応していることを確認できました。
一方、iPhone付属の純正アダプタ(5W)で充電すると、50%まで48分と、約1.4倍の時間がかかりました。
「Lilnob 3C1A」を使用した感想・評価
パワー、使い勝手はともに申し分なし。高性能で利便性も高く、冒頭でも申し上げた「一家に一台これさえあれば」的なモデルだと思います。
我が家で急速充電に対応し、高頻度で充電する端末は次のとおりですが、問題なく「Lilnob 3C1A」で充電できました。
- MacBook Pro
- iPhone
- イヤホン類
- モバイルバッテリー類
MacBook Pro13インチは61W受電可能であるのに対し、純正アダプタもPD対応の61W給電。
なので「Lilnob 3C1A」を使用したから充電時間が早くなる訳ではないですが、MacBook Proを充電しながら残り3ポートも余力があるのは使い勝手の良さを感じます。
他の機器は、基本的に18W未満の受電能力なので、「Lilnob 3C1A」の残りのポートから急速充電が可能です。
これまで乱立していUSB規格も、給電やデータ転送において高性能なUSB-Cに統合される流れなので、USB-Cを3ポートも備える「Lilnob 3C1A」の利便性は今後ますます上がると感じました。
「Lilnob 3C1A」がおすすめな人
「Lilnob 3C1A」は急速充電の対応機器をたくさん持っている人におすすめ。
急速充電を行うには、給電側、ケーブル、受電側の3つ全てが急速充電に対応している必要があるので、給電側の「Lilnob 3C1A」だけが急速充電規格に対応していても意味がないからです。
急速充電の規格は種類が多くて分かりにくいのですが、「Lilnob 3C1A」が対応している急速充電規格は次のとおりです。
対応急速充電規格
PD3.0/PD2.0/PPS/QC4/QC3.0/QC2.0/AFC/FCP/SCP/PE2.0/PE1.0/BC1.2
- PD=Power Deliveryの略でUSB-Cどおしで最大100W充電
- PPS=PD3.0のオプション
- QC=Quick Chargeの略でQUALCOMM社の規格、主にAndroidに普及
- AFC=サムスンのメーカー独自規格
- FCP&SCP=Huaweiのメーカー独自規格
- PE=MediaTekのメーカー独自規格
- BC1.2=2010年策定のUSB充電(USB2.0又は3.0のデフォルトより急速)
細かいことを書きましたが、基本的には赤文字で表記した有名所「PD(パワーデリバリー)」と「QC(クイックチャージ)」を覚えておけば大丈夫です。
持っている機器が、PDやQCの規格に対応している製品であれば、「Lilnob 3C1A」が活躍する可能性大です。
まとめ
以上、「Lilnob 3C1A」のレビューをお届けしました。
バッテリー内蔵機器のバッテリー容量はどんどん増加してきているので、それに伴い急速充電の需要も高まっています。
今後ますます急速充電の対応機器が増えていく中で、4ポート高出力の「Lilnob 3C1A」の使い勝手の良さも高まっていくだろうなと感じました。
PD、QCなどの高規格充電に対応する機器をたくさん持っている方は、「Lilnob 3C1A」をぜひ検討してみてください。