「ルンバi3+」は、アイ・ロボット社が2021年2月26日に新しく発売したルンバ新シリーズ。
この「i3シリーズ」は、人気の「i7シリーズ」と「5eシリーズ」の中間に位置付けられ、いいとこ取りで高性能・低価格を両立したモデルです。
おまけに見た目もおしゃれでデザイン性が高く、使用してみた感想の結論から述べると「こんなお掃除ロボを待っていた!」と言える完成度。
正直、使用してみて少し気になる点もありましたが、トータルの満足度は高いです。
そんな新しいルンバが、見事にハマった我が家の状況・考え方はこんな感じ。
- 猫3匹の抜毛で掃除がエンドレス
- 夫婦共働きで忙しく掃除の時間は減らしたい
- でも10万円以上は絶対ムリ
- 家電デザインは部屋との調和が命
2021年10月からは、ルンバi3シリーズが2万円の大幅値下げでさらにお得になっています。
今回は、アイ・ロボット社のファンプログラム企画にモニター参加することで、「ルンバi3+」を試す機会をいただきました。
この記事では、ルンバ新シリーズを使ってみて感じた魅力や気になった点など、率直な意見をお届けします。
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ルンバi3+の魅力をレビュー
「i3シリーズ」の魅力はなんと言っても、圧倒的なコストパフォーマンスの高さです。
それはルンバ他シリーズとスペックを比べてみると良く分かります。
比較対象は人気の「e5」と「i7」。性能的には「e5 < i3 < i7」という関係性ですが、具体的な違いを下表にまとめました。
機種名 | 価格 | 対応間取り | 吸引力 (ルンバ671との比較) | 走行性 | 稼働時間 | CleanMapレポート | 部分清掃や侵入禁止エリア設定 | ブラーバとの連携 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ルンバe5 | 39,800円(税込) | ひと部屋ずつ清掃 | 5倍の吸引力 | 壁を検知しながら不規則に走行 | 90分 | × | × | × |
ルンバi3 | 49,800円(税込) | センサーでマッピング フロア全体に対応 | 10倍の吸引力 | 規則正しく走行 | 自動充電&自動再開 | ◯ | × | ◯ |
ルンバi7 | 109,868円(税込) | カメラとセンサーでマッピング フロア全体に対応 | 10倍の吸引力 | 規則正しく走行 | 自動充電&自動再開 | ◯ | ◯ | ◯ |
※価格は2021年10月時点の公式ストアより
「i3」は、人気の上位機種「i7」とほぼ同じ性能を誇りつつも、値段がグッと抑えられたコスパの良いモデルであることが分かります。
なお、個人的には「i3」は魅力に対して価格の安い、高コスパだと感じる推しシリーズなのですが、何に魅力を感じるかは人それぞれ。
次の記事では、ルンバを含む比較的低価格なロボット掃除機が紹介されているので、比較してみることで、自分にとっての高コスパが見えてくるかもしれません。
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話を本題に戻して、そんな高コスパが魅力の「i3」シリーズのラインナップは2機種。違いはクリーンベースの有無です。
- i3(クリーンベースなし)
69,800円49,800円(税込) - i3+(クリーンベースあり)
99,800円79,800円(税込)
ルンバ公式ストアの価格は、2021年10月から約2万円の大幅値下げで、よりコスパが高まりました。
+モデルは、価格差3万円でハードルは上がりますが、後述するクリーンベースの快適さは一度体験すると後戻りできないほどの魅力があります。
メリット・デメリットを整理してクリーンベースの必要性を掘り下げてみたので、関連記事もぜひご覧ください。
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ここからはスペックの比較だけでは分からない、実際に使用してみて感じた「ルンバi3+」の4つの魅力を紹介していきます。
- 部屋と調和するマット&ファブリック調デザイン
- 高い清掃力と空間認識能力
- クリーンベース(自動ごみ収集機)でゴミ捨てから開放
- iRobot HOMEアプリによるスマートな掃除体験
部屋と調和するマット&ファブリック調デザイン
「ルンバi3+」を使ってみて一番気に入った点は、デザイン性の高さです。
今までのルンバシリーズは、ボディの光沢具合やデザインの中にロボット感があり、インテリア性は薄い印象でした。
「i3シリーズ」は、好まれる色、素材、デザインなどを世界中で調査して開発されただけあり、シンプルで家具との調和性が高く、家の中に置いても違和感がありません。
本体は基本的にマットな質感で、指紋が気にならない点も高評価です。
本体上部の外円は、ファブリック調のデザインとなっており、「i3シリーズ」の大きな特徴とも言える部分。
ポイントは、あくまでファブリック「調」であるだけで、素材は布ではないこと。
クオリティが高く、恥ずかしながら暫く布だと思い込んでいましたが、この外円部分はプラスチック素材にテクスチャを重ねて出来ているそうです。
うちでは猫を飼っているので、ソファ下の清掃時に「布だと猫の毛がつきそうだな~」と心配していましたが、無駄な心配でした。
プラスチック素材を使用することで耐久性は維持しつつ、質感とデザインで高級感を出している点は嬉しいポイントです。
高い清掃力と空間認識能力
正直、昔のお掃除ロボは、同じところをグルグルしたり、家具の隙間にハマったりと、掃除の役に立たないイメージが強かったのですが、最近のレベルの高さには驚かされます。
ソファ下の隙間やテーブル下の複雑な足周りも、隙間さえあれば巧みに入り、サッと清掃してしまいます。
本体サイズは、最も大きい部分を測って直径約33.5×高さ9.2cm。
家具下の隙間は10cm程度のことが多いようで、ルンバはその点を考慮して9.2cmの高さで設計されています。
なので多くの家庭で問題なく使用できると思いますが、念の為、ソファやベッド下のサイズを事前に測っておくことをおすすめします。
また「i3シリーズ」には、リアクティブセンサーという新センサーが搭載されています。
家具の下に入ったときに高さを検知して、ハマって抜け出せなくなることを回避します。
座面に傾斜があるソファなどを置いている場合は「i3シリーズ」がおすすめです。
続いて、普段私が使っている床拭きロボ「ブラーバ」と清掃力の比較もしておきましょう。
ブラーバは、ルンバと同じiRobot社製のお掃除ロボですが、床の「から拭き」と「水拭き」に特化しています。
ホコリや毛の掃除、床の汚れには大活躍するブラーバですが、床に落ちた猫のエサやトイレ用の猫砂など、大きいゴミはどうしても残してしまうことも。
「ブラーバがあればルンバは不要では?」と思っていましたが、実際に使ってみると、大きなゴミまでしっかり吸引してくれるルンバの清掃力の高さを実感します。
といっても「どっちが優れる」という単純な話ではなく、向き不向きなので、各家庭にあったお掃除ロボを導入するのが正解です。
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なお、ブラーバ最上位機種「m6」は、ルンバとの連携機能があるので、ルンバ清掃後に自動でバトンタッチしてブラーバに水拭きさせることも可能です。
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クリーンベース(自動ごみ収集機)でゴミ捨てから開放
「ルンバi3+」は掃除が完了するとクリーンベースに戻り、集めたゴミを強力吸引により全自動でベースへ移してくれます。
この自動ゴミ収集機能により、面倒なゴミ捨てから開放されるのは、感動的な体験でした。
クリーンベースのフタを開けると、内部にはゴミを溜めておく専用の紙パックが設置されています。
この紙パックは最大60日分のゴミを収集できる上に、捨てる際にもゴミを触るどころか見ることすらないので、ストレスなくゴミ捨てが可能。
紙パックは最初に2枚付属。別売りは3枚セットで税込2,178円(2021年3月時点)です。
ランニングコストはデメリットですが、一度体験すると元には戻れない快適さがあります。
またクリーンベースは充電器でもあります。
バッテリーの残量が減ると、自動でベースに戻って充電し、充電完了すると中断したところから掃除を再開。
留守中も安心して掃除を任せられる1台となっています。
iRobot HOMEアプリによるスマートな掃除体験
「ルンバi3+」は、専用アプリでさらに快適に使用することができます。
スマホをワンタップで、掃除を開始したり、ダスト容器を空にできるのが何気にすごく便利です。
アプリのクリーンマップ機能を使えば、部屋のどの部分を掃除できたのか一目でわかる点も高評価。
そのほか、掃除スケジュールを設定して自動運転させたり、ルンバから掃除に関する提案を受けたり、各家庭に合わせた掃除の提供が可能となります。
なお、上位機種のように、アプリ上で侵入禁止エリアなどの指定はできません。細かなエリア指定をする場合は、別売りのバーチャルウォールが必要です。
以上、ルンバの魅力を紹介しましたが、性能には大満足で家の掃除を丸投げ可能な信頼できるお掃除ロボだと感じました。
ルンバi3+を使用してみて気になった点
唯一にして最大の気になる点は、クリーンベースの自動ゴミ収集時の騒音です。
かなり便利な自動収集機能ですが、仕組みは超強力な吸引でルンバ本体のダストボックスからゴミを吸い取るというもの。
吸引力が強すぎて、音がかなり大きいです。1m程度の距離感で騒音計で測ってみると90dBに近い大音量。
※騒音値は計測距離や環境により変わります
騒音の参考
- 100dB:電車通過時のガード下
- 90dB:騒がしい工場内
- 80dB:地下鉄の電車内
- 70dB:騒がしい事務所内
- 60dB:普通の会話
このように例えられることを考えると、90dBがどれだけの大音量かイメージしていただけると思います。
ちなみに普段の清掃時の騒音は60~70dB程度と一般的な範囲内(吸引力自慢のダイソン掃除機は80dBでした)。
あくまで、90dBの音が出るのはクリーンベースのゴミ収集時10秒程度だけですが、夜間や壁の薄いマンションでは使用をためらうレベルでした。
清掃時は余裕の表情だった我が家の猫たちも、クリーンベースの音には驚いて固まっていました。
音に敏感なペットを飼っているなら、静音性に優れるブラーバ(50~60dB程度)を検討される方がいいかもしれません。
ペットとの暮らしに最適な1台を求め、ブラーバ全機種を試した記事も良ければ参考にご覧くださいね。
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「i3シリーズ」のデメリットというよりは、クリーンベースの気になる点ですが、「i3」か「i3+」で迷ったときの参考になれば幸いです。
最後に
以上、ルンバi3+のレビューをお届けしました。
冒頭でも申し上げたとおり、今回は、アイ・ロボット社のファンプログラムとして体験モニターに参加しています。
最新モデルを体験できただけでなく、ファンミーティングにも参加でき、アイ・ロボットの社員さんから直接お話を聞く貴重な機会を頂きました。
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ファンミーティングでは、i3シリーズの特徴紹介のほか、質疑応答の中で「ペットがいる家庭のメンテナンスのポイント」などの話も聞くことができました。
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