sony「WF-1000XM3」は、AirPodsと双璧をなす、爆発的な人気を誇るワイヤレスイヤホンです。
実際に使ってみて感じたのは、評判どおりの音質の良さとノイズキャンセリングの性能の高さ。
フラットな周波数特性により、音源の再現性が高い印象を受ける「WF-1000XM3」は、ノイキャンのレベルの高さも相まって、
臨場感・音への没入感がワイヤレスイヤホンではトップクラスだと感じました。
- 楽器の音色をしっかり聞きたい!
- 学習系動画のセリフが騒音で聞こえなくてストレス!
という私の困りごとを解決してくれたイヤホンで、値段に見合う働きをしてくれています。
しかし、その一方で注意点やデメリットも存在し、
「このイヤホンが合わない人もいるだろうな~」
と感じる点もあります。
そこでこの記事では、
- WF-1000XM3の高評価な部分
- WF-1000XM3の注意点・デメリット
という2つの観点からレビューをしてみました。
音質やノイズキャンセリングを深堀りした高評価レビューも読んで欲しいですが、低評価部分を先に見たい方は次のリンクでジャンプできます。
WF-1000XM3の高評価な点をレビュー
WF-1000XM3は、ハイエンドモデルだけあり高級感のある上品なデザインが特徴です。
重厚感のある見た目は少し重そうに思えますが、その重さはイヤホン込みで93g。
安いワイヤレスイヤホンは50g以下のものもあるので、比較すると少し重いですが、ケースの重さはバッテリー容量に比例します。
WF-1000XM3は、少し重量がある代わりに最長32時間の音楽再生が可能となっています。
イヤホン単体では、片耳わずか9g程なので、耳への負担は全くなし。
イヤホンの装着タイプは、カナル型(密着型)、耳のサイズに合うように2タイプ計7種類のイヤーピースが付属しているので、
という心配は不要です。
2タイプの付属イヤーピース
◆ハイブリッドイヤーピースロング
L、M、S、XSの4種類が付属。フィット感が高いタイプ。
◆トリプルコンフォートイヤーピース
L、M、Sの3種類が付属。高い遮音性と長時間の装着に向いている。
ハイブリッド
トリプルコンフォート
続いて、基本的な仕様・スペックです。
ドライバー ユニット |
6mm ドーム型 (CCAWボイスコイル採用) |
---|---|
USBケーブル | USB Type-Cケーブル |
通信方式 | Bluetooth Ver.5.0 |
最大通信距離 | 約10m |
コーデック (圧縮方式) |
SBC AAC |
Bluetooth プロファイル |
A2DP(音楽データ通信) AVRCP(音楽操作) HFP(通話データ通信) HSP(通話操作) |
充電時間 | 約1.5時間 |
連続音声 再生時間 |
最大6時間(NC ON)/ 最大8時間(NC OFF) |
付属品 | 充電ケース USB Type-Cケーブル イヤーピース 保証書・取扱説明書 |
充電ポートはタイプCを採用。
ケーブル(約20cm)が付属していますが、ACアダプタの付属はないのでコンセントから充電する場合は要準備。
遅延や音質に関する圧縮コーデックはSBC、AACの2種、アップル製品はAACを採用しているので、iPhoneなどは低遅延なAAC接続が可能です。
AndroidなどはAACを採用してない機種があるので、その場合はSBC接続となります。
コーデックとは?
音源データは容量が大きいのでBluetooth通信時に圧縮して、軽くなったデータをイヤホンに送るのが一般的。
その圧縮方法の一種が「SBC」や「AAC」で、「AAC」の方が優秀。
SBCとAACの両方の接続で遅延テストをしたところ、コンマ数秒レベルの微々たる遅延はあるものの、漫才や音楽ライブなど遅延すると楽しめない動画でも支障はありませんでした。
ほかにも「打楽器」「人が喋るときの口元」など、遅延がわかりやすい点をチェックしたけど支障なし!
次に「通信プロファイル」とは、そのBluetooth機器で何ができるかを表したものですが、
- イヤホンのタップで、曲の一時停止やスキップなどオーディオ操作が可能
- ハンズフリー通話もOK
という機能がWF-1000XM3には備わっており、ワイヤレスイヤホンとしては高規格となっています。
ここからは良い点を掘り下げるために、
- ノイズキャンセリング
- 音質
WF-1000XM3の強みとされる、この2点を詳しくレビューします。
ノイズキャンセリングが感動レベル
大混雑でガヤガヤしている休日の家電量販店のなか、半信半疑で試聴したときに、外音をぴしゃりとシャットアウトしてみせた実力は感動もの。
と思っていた私の考えを一変させたのがWF-1000XM3です。
それを実現しているのが、「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」というチップ。
上の図はその仕組みですが、要するにノイズ音と逆波形の信号を作って、ノイズとぶつけることでノイズを相殺しています。
このチップが、音楽への圧倒的没入感を実現しているんですね。
私は家事をしながら「メンタリストdaigoさん」や「リベラルアーツ大学」など学習系の動画を見る(聴く)のですが、
話し手の声をしっかり聞きたいのに、家事の騒音で時々聞き取れないことがストレスでした。
例えば、我が家の掃除機(ダイソン)の騒音は79.1デシベル。
この数字は、「電車内・パチンコ店内」に相当する騒音レベルで、普通は音量を上げない限り聞き取りが困難ですが、
WF-1000XM3は、騒音の中でも耳に負担をかけない普段の音量で、音声をしっかり聞き取れるので重宝しています。
外音取り込み機能で外でも安心
ノイズキャンセリングの性能が高すぎて、逆に心配になったのが屋外での事故。
イヤホンを1タップすれば外音取込モードになり、まわりの音を聞き取りやすくする機能が搭載されています。
音声コントロールと操作方法
左イヤホンをタップするごとに次の順でモード変更。
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み機能オン
- 機能オフ
また、専用アプリで「アダプティブサウンドコントロール」という機能をオンにすると、
「行動」や「よく行く場所」に合わせて外音取り込みやノイズキャンセリングを自動選択してくれます。
- 止まっている → ノイキャン
- 歩いている → 少し外音取込
- 走っている → 外音取込
- 乗り物に乗る → ノイキャン
音質はワイヤレスイヤホンの中ではトップクラス
WF-1000XM3は、低音から高音までバランス良く出ており、各楽器の音が埋もれずこもらず、一音一音がクリアに聞こえます。
空間に響く感じや、息遣いもリアルに感じられ、臨場感のあるサウンドが特徴。
周波数特性としてはフラットで、音の再現性が高い印象です。
アナログ音の再現性が高い=音質が高いと評価される傾向にあるので、その基準ではワイヤレスイヤホンの中で音質トップクラスと評価されるのは妥当だと思います。
そんなWF-1000XM3の音質を支える仕組みのひとつが「DSEE HX」というモード。
WF-1000XM3のBluetooth通信コーデック(データ圧縮方法)は先述のとおり「SBC」か「AAC」です。
SBC、AACは両方とも非可逆圧縮方式といって、データを削って容量を小さくする圧縮方式なので、本来は圧縮前の音質には戻せません。
しかし、WF-1000XM3の場合、イヤホン側で圧縮データを再生するときに「DSEE HX」の機能により、圧縮前の音質どころか更に高音質にアップグレードします。
正直、右方向の「ハイレゾ相当」に関しては、もともとハイレゾの表現領域がヒトの聞こえない超高音域を範囲としているので、効果のほどは正直わかりませんが。
イコライザーで音のカスタマイズができる
「音質がいい」といっても、音の好みは千差万別。
- 響く重低音を好む人
- 400Hz〜2000Hzの中音のボーカルをしっかり聞きたい
など、様々な音の好みがあると思いますが、専用アプリのイコライザーを使えば好みの音にカスタマイズできます。
低音と高音を強調
声の周波数帯を強調
イコライザーのモード
- OFF
- Bright(1kHz帯以上を強調)
- Excited(ドンシャリ)
- Mellow(高音中心にカット)
- Relaxed(低高音カット)
- Vocal(400~2,000Hz強調)
- Treble Boost(6kHz以上強調)
- Bass Boost(低音のみ強調)
- Speech(400~1,000Hz強調)
簡易イコライザーではありますが、自分好みに音に近づけることが可能です。
WF-1000XM3の注意点やデメリット
ここからは、実際に使ってみて感じた「ここがイマイチ!」という部分や注意点などをお伝えします。
- 充電ケースが大きくてゴツい
- 防水対応ではないので外が不安
- 音質は良いが価格・コスパ観点ではどうなの?
充電ケースが大きくてゴツい
日常生活の中では可能な限り手ぶらでいたい私にとって、ポケットへの収まりは重要なポイントです。
充電ケースのサイズ
8cm(横)×5.5cm(縦)×2.9cm(奥行)
ポケットへ入れるとサイズが大きいのでタイトパンツの場合は少し不格好に。
ポケット中身なし
ポケットにIn
ケースの大きさがロングバッテリーに繋がる部分でもあるので贅沢は言えませんが、もう少し薄くして欲しいな~と感じました。
と言っても、ポケットへの収まりの悪さは他機種も大差ないので、厚みに関してはWF-1000XM3特有のデメリットではないですが。
バッグを持てば厚みは関係ありませんが、WF-1000XM3の重量は93gと他機種より重めでサイズも大きいので、コンパクト指向の方は他のイヤホンがよいかも。
防水対応ではないので屋外が不安
WF-1000XM3は、防水や防滴対応ではないです。
ということで、天気が怪しい日の外出では、防水性のある別のワイヤレスイヤホンを持っていくことも。
そのほかランニングなど汗をかく運動時の使用も控えた方がよさそうです。
防水性を高めることで音質が落ちるなら困りものですが、今後改善して欲しいポイント。
音質は良いが価格は?コスパ観点ではどうなの?
WF-1000XM3の魅力のひとつが、その音質の良さにあることは間違いありません。
先述の「DSEE HX」機能の力もあり、音の再現性が高く、繊細な音色が丁寧に出力されている印象。
- 弦楽器のカッティングの音色、スライド奏法のキュッというリアルな響き
- 高速ハイハットが潰れてない
- ホールの奥行感、拍手の響き
- 高音の伸び、ビブラートの響き
- 低周波数のリズム隊がしっかり聴こえる
などは、実際に5,000円クラスのイヤホンと聞き比べて、WF-1000XM3の音質の高さを感じた点ですが、
そこに数倍の価格差ほどに、劇的な音質の違いがあるかと問われれば、少し悩んでしまうのがリアルなところ。
また、WF-1000XM3はフラットな音質特性なため、イヤホンとして際立ったキャラクター性はないです。
「フラットで再現性が高い=音質が良い」と評価される傾向にあるので、デメリットではないにせよ、それが音の好みに合致するかは別の話。
例えば、響く重低音を第一とするなら「BOSE」や、同じソニーでも「EXTRA BASS」など、他のイヤホンの方が適切かもしれません。
ライブハウスのようなズンズンと心臓に響く低音も好きですが、私は日常で幅広い音源を聴くので、バランスのいいWF-1000XM3を選択しました。
価格推移
コスパの話に価格情報は必須、ということで2019年夏に発売されて以来の価格推移を大雑把にまとめました。
ネット上の初値は、約26,000円でしたが、徐々に安くなり、2020年3月には約22,000円となっていました。
その後、価格に波がありますが2万円台前半で推移しています。
当初価格の15~20%オフくらいで買える時もあり、製品単体のコスパは「有り」な価格帯まで安くなってきました。
ただし、他機種も含めてコスパを考えると、価格が1万円台のイヤホンが多い中、評判が良いという理由だけでWF-1000XM3を選ぶのは早計かもしれません。
レビューまとめ
以上、WF-1000XM3について、良い点と悪い点の2方向からのレビューでした。
- 音質とノイズキャンセリングが素晴らしい
- いろんなジャンルの音楽を聴くので音質はフラット特性がよい
- 運動中は使わない
- 価格も2万円台前半と安くなっていた
という理由があって、私はWF-1000XM3を購入したため、いまも全く後悔はありませんが、
「評判が良いから何となく」で手を出すと後悔してしまうかもしれません。
メリット・デメリットを比較したうえで最適なイヤホン選びができるよう、その助けになれば幸いです。
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