「X95J」と「X90J」は、2021年に発売されたソニーBRAVIAの4K液晶テレビ。
両モデルは、機能が異なる上位・下位モデルの関係です。
- X95J:上位モデル
- X90J:下位モデル
両モデルの違いを結論から述べると、主に次の3点です。
違いのある部分
- XR Contrast Boosterの性能
- 「X-Anti Reflection」「X-Wide Angle」の有無
- アンプ、スピーカー構成
当記事では、上記の機能的な違いを解説するだけでなく、現時点の価格も比較することで、今おすすめのモデルを検証します。
BRAVIA「X95J」と「X90J」の違いを比較
「X95J」と「X90J」の主な機能の違いは下表のとおり。
上部見出し | 高画質機能 | スピーカー数 | 実用最大出力 |
---|---|---|---|
X95J (上位モデル) | XR Contrast Booster 10 X-Anti Reflection X-Wide Angle | ミッドレンジ×2 トゥイーター×2 サブウーファー×1 | 50W |
X90J (下位モデル) | XR Contrast Booster 5 | フルレンジ(X-Balanced Speaker)×2 トゥイーター×2 | 20W |
上表を眺めるとわかるとおり、上位モデルと下位モデルでは高画質機能と音響まわりに違いがあることがわかります。
高画質化機能の違い
上位モデル「X95J」と下位モデル「X90J」では、画質の向上を目的とした技術に次のような違いがあります。
X95J (上位モデル) | XR Contrast Booster 10 |
---|---|
X90J (下位モデル) | XR Contrast Booster 5 |
XR Contrast Boosterとは?
ソニー独自のアルゴリズムに基づき、映像の暗い部分の電流を明るい部分に集中させ、明るい部分をより明るく映し出すための回路・機能のこと。
末尾の数値は効果の高さと、その精度を表すソニー独自算出による数値。
さらに、認知特性プロセッサー「XR」がエリアごとに映像を分析することでコントラストを向上。明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くすることで、より自然なコントラストで映像を描き出すのが魅力です。
また、上位モデル「X95J」では、低反射パネルによる「X-Anti Reflection」を採用(85・75V型のみ)。明るい環境下において正面から視聴している時に、暗いシーンが白っぽくなることや映り込みを防げるようにしています。
加えて、上位モデル「X95J」のみ、独自の高視野角技術「X-Wide Angle」を投入。液晶テレビの弱点といわれる視野角を改善し、横から画面を見ても正面から見た時と同じような画質をなるべくキープ。大人数でテレビを囲むときに役立ちます。
音響機能の違い
「X95J」と「X90J」は、音声回路自体は同等ですが、スピーカー構成や実用最大出力に違いがあります。
上位モデル「X95J」は、アンプを3個搭載しスピーカー構成は次のとおり。実用最大出力は50Wです。
- ミッドレンジ×2
- トゥイーター×2
- サブウーファー×1
一方、下位モデル「X90J」は、アンプを1個搭載しスピーカー構成は次のとおり。実用最大出力は20Wです。
- フルレンジ(エックスバランスドスピーカー)×2
- トゥイーター×2
下位モデル「X90J」は、フルレンジで低中高音を引き出せる「X-Balanced Speaker」という新形状の振動版を搭載。
反対に、上位モデル「X95J」はマルチウェイスピーカー化することでワイドレンジ再生を実現しているため、「X-Balanced Speaker」は搭載していません。
どちらのモデルでも音質は充分ですが、ここ数年は、音での臨場感アップもテレビのトレンドとなっているので、より迫力のある音響環境で視聴することにこだわるなら上位モデル「X95J」がおすすめです。
「X95J」と「X90J」の価格の比較
以上、上位モデル「X95J」と下位モデル「X90J」の主な機能の違いを紹介してきました。ここからは両モデルの価格を比べ、おすすめモデルを検証します。
両モデルは、次のとおりサイズ展開が異なるので、各モデルのサイズごとに価格の目安を確認していきましょう。
55V | 55V | 65V | 75V | 85V | |
---|---|---|---|---|---|
X95J (上位) | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
X90J (下位) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
X95Jの価格
上位モデル「X95J」の発売日は2021年6月。
家電は発売後に価格が下がっていくことが多いですが、各サイズとも発売時と比べて大幅に安くなっており、購入時期としては良い感じ。
とはいえ、当シリーズは大型モデルが多いこともあって、かなりの高額です。
下位モデルとの比較では、共通サイズの65V型で比較してみても数万円ほどの価格差があります。品質にこだわる場合はおすすめですが、コスパは高くはない印象です。
2022年7月の価格目安
- XRJ-65X95J:26万円~
- XRJ-75X95J:41万円~
- XRJ-85X95J:55万円~
X90Jの価格
一方、下位モデル「X90J」の発売日は2021年5月。「X90J」も発売から半年以上が経過し、発売時に比べて価格は落ちついています。
上位モデルと比べると、比較的小型なため、それが価格面にも表れてリーズナブルな印象。同サイズの65V型で比べても数万円単位で当モデルの方が安いです。
また、注目すべきは50インチと55インチの価格帯がほぼ同じであること。
設置スペースが許すのであれば、55V型がコスパが高くておすすめです。
2022年7月の価格目安
- XRJ-50X90J:16万円~
- XRJ-55X90J:16万円~
- XRJ-65X90J:21万円~
- XRJ-75X90J:31万円~
ネット価格は日々変動するため、気になるモデルはチェックをしてくださいね。
【結論】「X95J」と「X90J」はどっちがおすすめ?
上位モデル「X95J」と下位モデル「X90J」は、ここまで紹介したとおり、機能的な違いは高画質化機能と音響機能にあります。
選ぶときには、後悔のないよう自分にとって必要機能が何なのかを吟味することが重要です。
X95J (上位) |
・視野角を気にせず大人数でテレビを視聴したい ・より高画質で視聴したい ・迫力ある音響環境で視聴したい ・サイズの大きいモデルを検討中 |
---|---|
X90J (下位) |
・安さ(コスパ)重視 ・55インチ以下のモデルがほしい |
正直、数万円もの価格差は見逃せないレベル。機能的には上位モデル「X95J」が優れるものの、下位モデル「X90J」も性能が低いわけではありません。
以上を踏まえると、個人的には下位モデルの「X90J」がおすすめです。
ただし、よりくっきりとした画質及び迫力ある音響環境を、より大画面で堪能したい方は、上位モデルの「X95J」を購入する方が後悔はないでしょう。
以上、ソニーBRAVIAの4K液晶テレビのグレード比較、「X95J」と「X90J」の違いの説明でした。