我が家は猫の多頭飼い。抜毛の量が半端ない上に、口元の緩い子や目が弱い子もいるので、よだれや涙の跡で床が常に汚れています。
はじめのうちは床拭きを頑張っていましたが、この手の掃除はキリがないですよね。
そこで、思い切って導入したのが、ルンバで有名なiRobot社の床拭き専用ロボット「ブラーバ」
ブラーバは水拭きだけでなく、クイックルワイパーのように「から拭き」もできるので、ペットの毛の掃除にも最適です。
しかし、導入前には次のような心配事も。
- 毛を綺麗に掃除できるか
- 床のよだれや涙汚れは落ちるのか
- 猫が掃除の邪魔をしないか
- 猫のストレスにならないか

また、ブラーバの現行モデルは3種類存在しますが、猫との共存に向いている機種はどれなのかも気になっていました。
3機種とも実際に使ってみた結論としては、300シリーズと呼ばれる「ブラーバ 390j」が猫と相性が良かったのですが、その理由についても解説します。
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猫と相性のいいブラーバの機種とその理由
写真左から順に、390j、ジェット250、ジェットm6です。
ブラーバ各モデルの紹介も兼ねて、冒頭でも述べた「ブラーバ 390j」が、なぜ猫と一番相性がいいのか理由を解説します。

型番 | シリーズ名 | 特徴 | モード | 清掃範囲 | 水タンク容量 | 水拭きジェット噴射機能 | 市販の使い捨てシート使用可否 | 自動充電・自動再開 | 専用アプリ連携 | 侵入禁止エリア設定 | サイズ | 重さ | 価格(税抜) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ブラーバ 390j | 300シリーズ | ・スタンダードモデル ・市販シートが使えて経済的 | ・ドライ(から拭き) ・ウェット(水拭き) | ・ドライ:56畳まで ・ウェット:20畳まで | 100ml | × | ドライモード:◯ ウェットモード:× | × | × | 設定不可 | 横24.4×縦21.6×高さ7.9cm | 約1.8kg | 39,880円 |
ブラーバ ジェット 250 | 200シリーズ | ・小型軽量モデル ・価格が一番安い ・ジェットとヘッドの微振動で掃除 | ・ドライ(から拭き) ・ダンプ(軽く水拭き) ・ウェット(水拭き) | ・ドライ:15畳まで ・ダンプ:15畳まで ・ウェット:12畳まで | 150ml | ◯ | 全モード× | × | ◯ | 一箇所だけ見えない壁の設定可 | 横17.8×縦17×高さ8.4cm | 約1.2kg | 29,880円 |
ブラーバ ジェット m6 | mシリーズ | ・ハイグレードモデル ・家中の間取りを記憶、学習 ・ルンバと連携可 | ・ドライ(から拭き) ・ウェット(水拭き) | 両モード:60畳まで | 445ml | ◯ | 全モード× | ◯ | ◯ | アプリで複数エリア設定可 | 横27×縦25.2×高さ9cm | 約2.2kg | 69,880円 |
「ブラーバ 390j」が猫と相性がいいと感じたポイントは、上表で赤色にしていますが、抜粋すると次の2点です。
- ジェット噴射機能がない
- 市販の使い捨てシートが唯一使える
【猫と相性のいい理由1】ジェット噴射機能がない
ジェット噴射機能とは、水拭きモードの際に、ブラーバ本体から勢いよく水噴射し、汚れを浮かび上がらせてから拭くという機能。
しかし、猫と共存する上での問題点が2つ。
- ジェット噴射音が大きい
- 猫に水がかかる可能性がある
ブラーバはとても静かな家電で、運転時も約50dB程度ですが、ジェット噴射時は60dBほどの音が出るので猫がびっくりしがち。
ちなみに、50dBは「静かな事務所内」、60dBは「走行中の自動車内」と例えられます。
睡眠時でなければ人にとっては許容範囲の騒音だと感じましたが、10秒程度に1回の高頻度でそれなりに大きい音がするので、猫にとってはストレスですね。
2つ目の問題点は、水のジェット噴射が猫にかかる可能性がある点です。
ブラーバはセンサーを駆使し、家具や家電に水をかけることのない優秀な掃除ロボットですが、自分から水にかかりに行けば話は別。

ジェット機能搭載モデルのウェットモード時の動きは、次のサイクルを繰り返しながら進みます。
- 左斜め前へ3歩進みつつ水拭き&障害物確認
- 中央へ2歩戻りつつ水拭き
- 右斜め前へ3歩進みつつ水拭き&障害物確認
- 中央へ2歩戻りつつ水拭き
- ジェット噴射

3歩進んだときに障害物と接触すれば水を出さないので、家具や家電は濡れないという仕組みですが、これは相手が動かないから成立すること。
新しい物好きで、ちょっかいを出しがちな猫の場合、タイミング良く横から手を出せばジェット噴射がかかる可能性も。
結果濡れるだけではありますが、驚いて変にトラウマになっても困りものです。
【猫と相性のいい理由2】市販の使い捨てシートが使える
続いて、猫との暮らしで「ブラーバ 390j」を推す理由の2つ目は、安価な市販のお掃除シートを使用できるからです。
猫の毛はすぐに溜まるので、抜毛の誤飲を防ぐためにもマメにお掃除をしたいところ。
掃除の頻度が高くなるとランニングコストが気になりますが、「ブラーバ 390j」以外のモデルは、価格の安い市販シートが使えません。
1枚あたりの価格目安 | |
---|---|
専用使い捨てシート | 約80円 |
市販使い捨てシート | 15~40円程度 |

注意ポイント
市販シートが使えるのは、ブラーバ 390jのドライモード運転時のみです。
ウェットモードで水拭きする場合は、市販シートではなく、1枚約80円の専用使い捨てシートか、洗濯可能なウェットクロスを使用します。
検証!ブラーバは猫との暮らしに役立つか
ここからは、おすすめの「ブラーバ 390j」が、冒頭で述べた次の心配事に対応できたのか、検証結果をお届けします。
- 毛を綺麗に掃除できるか
- 床のよだれや涙汚れは落ちるのか
- 猫が掃除の邪魔をしないか
- 猫のストレスにならないか
猫の毛を綺麗に掃除できるか
なんとなく猫の毛の掃除については、同じiRobot社でも「ルンバ」の守備範囲なイメージがありましたが、ブラーバでも問題なく掃除できました。
次の写真の赤線より左側がブラーバで掃除後、右側が掃除前の床です。
一目瞭然で、床が綺麗になっています。
また「部屋を漏れなく掃除できるのか」という疑問についても見事に解消。
テーブルや椅子などの足が複雑に入り組むダイニングや、家具の多いリビングでも、かなりの精度で掃除できたことは正直驚きでした。
失礼ながら、ひと昔前の「お掃除ロボット」は役に立たないという印象がありましたが、ブラーバで完全にイメージが変わりました。
床のよだれ・涙汚れは落ちるのか
我が家でブラーバに一番期待した「床のよだれ・涙汚れ」についても見事に綺麗にしてくれました。
ブラーバ掃除後の同じ床をご覧ください。

洗剤等を使用しなくても、水のみで綺麗になったので、その点も猫的に安心です。
床汚れのキリのなさに、水拭きも億劫になっていましたが、久々のピカピカな床にテンションが上がりました。
猫が掃除の邪魔をしないか
この点に関しては、しっかり邪魔されます。特に茶トラ。
もちろん個体差のある話ですが、我が家の場合は、ビビリ達は少し離れて様子見、茶トラは新しいおもちゃ発見という感じ。
慣れてくると、興味も失せたのか手を出す頻度は極端に減りましたが、はじめは猫が手を出そうとする度に引き離し、まるでブラーバの保護者状態でした。
猫のストレスにならないか
ノーストレスではないと思いますが、掃除機と比べると騒音は相当小さいので、大きな音に対するストレスは掃除機より小さいはず。
特に「ブラーバ 390j」は、先述のとおりジェット噴射がないので、壁にぶつかる時に少し音が響く程度で走行時は驚くほど静かな点が魅力です。
また、ブラーバは障害物センサーを持つほか、掃除機と違って吸引もないので「誤ってシッポを吸い込んだ」などのアクシデントも基本的に起こらないので安心です。
ブラーバと猫の2人きりは危険
「仕事から帰ってきたらロボットが部屋を勝手に掃除してくれている」という状況に憧れたものですが、猫との共存の上では、その使い方は危険です。
なぜなら、猫はよく吐く生き物だから。

そもそも、約7万円もする高級モデルの「ブラーバ ジェット m6」以外は、ホームに戻って自動充電する機能がないので、途中で電池切れとなる可能性も。
短時間で済むドライモードなら可能かもしれませんが、もしもの猫とのトラブルも想定して、人がいないときの使用は避けるが無難でしょう。
我が家では、毛やホコリが気になったら平日夜にドライで走らせ、床汚れが気になったら休日に水拭きするという使い方が基本です。
猫が吐いたり、ブラーバに絡み出した時のみ干渉しています。

最後に
以上、ブラーバと猫の共存について、おすすめモデルや検証の結果を紹介しました。
個人的には、2020年に使った家電の中では、ベスト家電賞を贈りたいほど、暮らしが快適になりました。
猫の毛、床のよだれ・涙汚れで困っている方は、ブラーバをぜひ検討してみてください。