リモートワークが定着し、WEB会議が当たり前になったことでWEBカメラの需要が高まっています。
はじめてWEB会議をするまでは、
と、思っていましたが、いざWEB会議をしてみると、
- 画質が粗い
- 逆光に弱い
- 資料の文字が見えない
- ピントが合わない
などなど、多くの問題点があることがわかりました。
WEB会議で自分だけ画質が粗かったりカクカクして悪目立ちしたら嫌ですよね。
「eMeet Nova」は、4,000円台で手に入る手頃さにもかかわらず、価格に対して高スペックで、コスパの良さが魅力です。
そんなWEBカメラ「eMeet Nova」について、メーカー様より製品をご提供いただいたので、特徴や使用した感想などをレビューをしたいと思います。
「eMeet Nova」の外観・スペック
「eMeet Nova」は本体正面の真ん中に4層光学レンズを配置。
左右両端に小さい穴が空いていますが、この穴がそれぞれマイクとなっています。
パソコンへの取り付けも簡単。クリップタイプになっているので、モニターの上部を挟み込むだけです。
見た目以上にしっかり固定されており、ズレたりブレたりはありません。
クリップ部分はゴム素材が貼ってあり、パソコンが傷つかないよう配慮されている点も嬉しいポイントですね。
底の部分にはネジ穴があるので、パソコンに固定せずに三脚に取り付けてもOKです。
カメラのあるヘッド部分は360℃横回転、上下にも40℃調整が可能。
かなり自由度が高い設計となっています。
ケーブルは本体から直接出ているので、取り外すことはできません。
ケーブルの先の接続端子は、USB-Aとなっています。写真はキャップ付きの状態。
ケーブルをまとめるテープが付いていたのも良かったです。
内容物は5点、といっても本体以外は紙類なので、実質1点と言ってもいいかもしれません。
付属品
- WEBカメラ(コード付き)
- 説明書
- 保証案内
- 安全のための手引
- 感謝カード
レンズ | 4層光学レンズ |
---|---|
画素数 | 200万画素(フルHD1920×1080p) |
フレームレート | 30fps |
フォーカスタイプ | オートフォーカス |
フォーカス範囲 | 5cm~5m |
画角 | 78℃ |
内蔵マイク数 | 2個 |
カメラ向き調整 | 左右360℃ 上下40℃ |
本体サイズ | 10× 5.85 × 5.49cm |
ケーブルの長さ | 1.8m |
重量 | 137g |
「eMeet Nova」の特徴
「eMeet Nova」を使ってみて感じた特徴的なポイントは大きく3つ。
- フルHD解像度で高画質
- フレームレート30fpsで滑らか
- 5cmから合うオートフォーカスが優秀
フルHD解像度で高画質
「eMeet Nova」は、1920×1080のフルHD解像度で、きめ細かく繊細な映像を撮影することができます。
HD(ハイビジョン)、フルHD(フルハイビジョン)、4K、などの言葉を聞いたことがあると思いますが、これらは全てテレビ由来の映像のきめ細かさを表す規格名称です。
フルHDでは、映像画面を1080本の横線と1920本の縦線で区切り、映像を構成する粒(ピクセル、画素)を作ります。
粒の数(画素数)は、1920×1080=2,073,600あるので、フルHDのことを「200万画素」や単に「1080P(横線の数)」と表現することも。
画素数は色や明るさを表現する最小単位なので、画素数が多いほど映像が繊細となります。
画素数の違い
- HD:1366×768
- フルHD:1920×1080
- 4K:3840×2160
DVDの6倍の画像解像度を持つBlu-rayがフルHD相当であることを考えると、フルHD解像度を持つ「eMeet Nova」の画質レベルが伺えます。
ただし、画質に関してはカメラ性能だけでなく、WEB会議ツールなどにも依存します。
例えば、ZOOMは有料版だとフルHD対応画質でデータ送信できますが、無償版は画質解像度が落ちてしまいます。
フレームレート30fpsで滑らか
「eMeet Nova」のフレームレートは、30fpsなので映像がカクつくこともなく、滑らかな映像が撮影できます。
フレームレート(FPS)とは、「frames per second」のことで、1秒間に何枚の静止画を見せることが可能かを表します。
イメージとしては、「1秒間にパラパラ漫画の絵を何枚分めくれるか」という性能。
動画と言っても結局は静止画の集まりです。FPSが高いほど静止画の枚数が多いので映像が滑らかになり、反対に数値が低いとカクカクした映像となります。
参考にするなら、テレビ映像のフレームレートが30fpsです。
また15fps以下になるとカクつきが気になると言われていて、報道でときどき見るコマ送りのような防犯カメラ映像は5fpsくらいです。
「eMeet Nova」は30fpsなので、映像が滑らかなことが想像できますよね。
高性能な60fpsのWEBカメラも販売されていますが、値段は1万円台のものが多く、WEB会議にはオーバースペックという印象。
フレームレートが高いとデータ容量も重くなるので、個人的には30fpsくらいがちょうどいいと思います。
5cmから合うオートフォーカスが優秀
「eMeet Nova」は、5cm~5mの広い領域で自動でピントを合わせてくれます。
他社の製品と見比べても、5cmという最短撮影距離は相当優秀です。
資料の細かい文字や物の質感を相手に見せたいときには、至近距離でもクリアにオートフォーカスしてくれるのは、使い勝手にも影響してくる嬉しいポイント。
「eMeet Nova」VS「PC内蔵カメラ」で画質性能テスト
「eMeet Nova」VS「PC内蔵カメラ」という比較方式で、画質性能のテストをしていきたいと思います。
ちなみに今回使用したPC内蔵カメラは、数年前の5~6万円くらいのDELLノートPC内蔵カメラなので性能は高くありませんが、低価格帯のPCカメラとしてはありがちなレベルだと思います。
まずは光量の少ない室内で、自然光だけでどれくらいの絵が撮れるか比較します。
こちらが「PC内蔵カメラ」でSkype使用時の映像です。
窓際でカーテンも開けているので、体感では普通に明るいのですが、レンズを通すとかなり暗く、画質も見るからに悪そうです。
次に、位置や設定は何も変えずに、カメラを「eMeet Nova」に切り替えてみました。
かなり明るくなりました。「eMeet Nova」は暗さにはあまり強くないという意見がありますが、それでもデフォルトカメラと比較すると雲泥の差です。
また、上下左右に視野が広くなり、さっきまでは写っていなかった部分も写っています。
広角が広いと、複数人でWEB会議に参加する際はメリットとなる一方、在宅ワーク中は自宅が不必要に写ってしまうというデメリットも。
広角が広い方が一般的には高性能とされますが、一長一短であることに注意しましょう。
続いて被写体にも登場してもらいます。逆光なので分かりづらいですが猫です。
被写体があると、画質の差がはっきりと分かりますね。「eMeet Nova」では、逆光でも綺麗に写っています。
もちろん自分でも試しましたが、オートフォーカスの速さと精度にも差が見られました。
「eMeet Nova」のオートフォーカス性能には満足しています。
接写能力はどうでしょうか。
「eMeet Nova」の最短撮影距離は5cmと、スペック上はかなりの近距離撮影が可能ということでしたが実力の程は。
この距離感で、接写テストをしてみました。
まずは「PC内蔵カメラ」で付属物の感謝カードを接写。
ピントが合わず、文字が読めません。
続いて「eMeet Nova」
カードが少し曲がっており平面上に撮影できていなので、両端は少し怪しくなってしまいました。
と言っても、実際の映像では難なく文章を読むことができ、WEB会議などでの資料閲覧にも十分耐えられるレベルでした。
次は、蛍光灯での写り具合も比較します。
やはりPC内蔵カメラの照度調整力は弱いです。
「eMeet Nova」の映像がこちら。
WEB会議には十分な画質です。
次の写真も「eMeet Nova」で蛍光灯の明かりで撮影したものですが、少し光量の少ない部屋での撮影です。
実用には耐えうる明るさかなとは思いますが、正直もう少し明るく補正してくれると嬉しいですね。
最後に「eMeet Nova」で物撮り。
4,000円台のカメラなので超高画質とはいきませんが、物の質感も伝えられるレベルの画質ではないでしょうか。
「eMeet Nova」を使用した感想・評価
「eMeet Nova」は低価格にも関わらず、価格に対して映像クオリティが高くコスパの良いモデルだと感じました。
カメラ性能は、基本的に価格に比例するので、1万円台の500万画素60fpsもあるようなWEBカメラと比べるとスペックはもちろん劣ります。
ただし、4,000円台の性能としては十分過ぎるほどだと思いますし、超高画質だとデータが重くなるデメリットもあるため、WEB会議等で日常的に使う分にはむしろ最適なスペックだと思います。
また、使い方もシンプルで簡単な点が高評価。
初回の煩わしいセットアップは不要で、USB端子をパソコンに繋げば、即座に使用することが可能です。
唯一不安を覚えた点は、公式HPや説明書の日本語が少しおかしい部分があり、大丈夫かな?と一瞬不安に思いましたが、製品の性能に問題はありませんでした。
他社製品との価格やスペックの比較
2020年12月の執筆時点で「eMeet Nova」はAmazonの売れ筋ランキング上位にランクインしていますが、ランキング上位の他社の人気機種とも価格やスペックの比較をしてみたいと思います。
WEBカメラ | メーカー | 価格帯 | 画像解像度 | フレームレート | 内蔵マイク数 | 最短撮影距離 | 広角 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
eMeet Nova | eMeet | 約4,300円 | 1920×1080 | 30fps | 2(ステレオ) | 5cm | 78℃ | カメラ360℃回転 |
C920n | ロジクール | 約7,200円 | 1920×1080 | 30fps | 2(ステレオ) | 7cm | 78℃ | 専用アプリ有 |
C270n | ロジクール | 約2,100円 | 1280×720 | 30fps | 1(モノラル) | 40cm | 60℃ | オートフォーカスなし |
BSW505MBK | バッファロー | 約3,000円 | 1920×1080 | 30fps | 有(モノラル?) | 60cm | 120℃ | プライバシーシャッター付 |
UCAM-C520FBBK | エレコム | 約2,300円 | 1280×720(30fps) 1600×1200(6fps) | 30FPS(画像解像度1280×720) 6FPS(画像解像度1600×1200) | 1(モノラル) | 30cm | 68℃ | オートフォーカスなし |
価格は2020年12月執筆時点のものです。
ただし、スペックだけが全てではないので、あくまで参考程度の比較です。
例えば、ロジクール「C920n」との比較では、「eMeet Nova」の方が暗いという意見を見かける反面、オートフォーカスはC920nより優秀という意見もあります。
eMeet Novaの弱点としては、実用で困ったことはないものの、極端に明るい部分が白くなってしまう「白飛び」しやすい傾向があるように感じます。
とはいえ、「eMeet Nova」がコスパ抜群なWEBカメラであることは間違いありません。
まとめ
以上、「eMeet Nova」のレビューをお届けしました。
「eMeet Nova」の性能や特徴を踏まえると、次のような方におすすめできるWEBカメラだと感じました。
- PC内蔵カメラの解像度がフルHD(1920x1080)より低い
- 予算は4,000~5,000円程度
- 接写でカメラに資料などを写すこともある
- 使うための準備やセットアップはしたくない
- 部屋の照明が特別暗めではない
- PCにUSB-A端子がある
低価格・高性能なWEBカメラを探している方は、ぜひ検討してみてください。