ブラーバ3種を全て使用した上で、最上位のmシリーズ「ブラーバm6」をレビューします。
結論としては、値段が高いだけあり文句なしの高性能、特に空間を認識するマッピング性能は、他機種と比べて段違いの実力を見せつけました。
ブラーバ他機種では、フロア全体を任せたときには、挙動が怪しかったり、最後まで掃除できないことも。
その点「ブラーバm6」は迷いなく最短で掃除を完遂し、作成されたマップを確認するとかなりの高精度でした。

この記事では、そんな「ブラーバm6」について、特徴や使用方法、使ってみた感想・評価のみならず、デメリットなども含めた総合的なレビューをお届けします。
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他機種と比較して見えてくる「ブラーバm6」の特徴
ブラーバには3種類のシリーズが存在しますが、スペックの比較を通して「ブラーバm6」の特徴を確認したいと思います。
型番 | シリーズ名 | 特徴 | モード | 清掃範囲 | 水タンク容量 | 水拭きジェット噴射機能 | 市販の使い捨てシート使用可否 | 自動充電・自動再開 | 専用アプリ連携 | 侵入禁止エリア設定 | サイズ | 重さ | 価格(税抜) |
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ブラーバ ジェット m6 | mシリーズ | ・ハイグレードモデル ・家中の間取りを記憶、学習 ・ルンバと連携可 | ・ドライ(から拭き) ・ウェット(水拭き) | 両モード:60畳まで | 445ml | ◯ | 全モード× | ◯ | ◯ | アプリで複数エリア設定可 | 横27×縦25.2×高さ9cm | 約2.2kg | 69,880円 |
ブラーバ 390j | 300シリーズ | ・スタンダードモデル ・市販シートが使えて経済的 | ・ドライ(から拭き) ・ウェット(水拭き) | ・ドライ:56畳まで ・ウェット:20畳まで | 100ml | × | ドライモード:◯ ウェットモード:× | × | × | 設定不可 | 横24.4×縦21.6×高さ7.9cm | 約1.8kg | 39,880円 |
ブラーバ ジェット 250 | 200シリーズ | ・小型軽量モデル ・価格が一番安い ・ジェットとヘッドの微振動で掃除 | ・ドライ(から拭き) ・ダンプ(軽く水拭き) ・ウェット(水拭き) | ・ドライ:15畳まで ・ダンプ:15畳まで ・ウェット:12畳まで | 150ml | ◯ | 全モード× | × | ◯ | 一箇所だけ見えない壁の設定可 | 横17.8×縦17×高さ8.4cm | 約1.2kg | 29,880円 |
「ブラーバm6」の他とは違う特筆すべき特徴は次のとおり。
- フロア全体を任せられるマッピング性能の高さ
- ホームベースで自動充電・自動再開が可能
- 侵入禁止区域やピンポイント清掃の指定が可能
市販の使い捨てお掃除シートは使えませんが、それ以外の機能は全て兼ね備えています。
冒頭でも述べましたが、最大の特徴は、かなり精度の高いマッピング性能で、これにより複雑なフロア全体の掃除も迷うことなく実行可能。
そのほか、使い勝手がよくなる便利機能が満載なので、多少価格が高くても日々の掃除を安心して任せられる高性能ロボを探している方におすすめなモデルです。
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「ブラーバm6」の外観や付属品
「ブラーバm6」は、白色を基調としたシンプルなデザインで、操作ボタンが3つありますが、アプリ操作が可能なのでボタンはあまり使っていません。
上面には、カメラや赤外線センサーを搭載しており、スムーズな清掃経路の選択を可能としています。
フロントには、噴射口があり、ウェットモードで水拭きする際には、水をジェット噴射することで床汚れを強力に洗浄。
裏面には、操作ボタンなどはありません。
四隅に段差センサーがあるほか、タイヤが2輪と、上部にお掃除シートの取付部、下部に充電用接続部が配置されています。
「ブラーバm6」の付属品は次のとおり。
付属品
- ブラーバm6本体
- 充電用ホームベース
- 充電用ホームベーストレイ
- 電源コード
- クリーニングパッド(ドライ用とウェット用)
クリーニングパッドは、白いドライ(から拭き)用と、青いウェット(水拭き)用の2種類があります。
本体に装着すればブラーバがパッドの種類を自動判別し、勝手にモード選択してくれるのも嬉しいポイントです。
「ブラーバm6」の使用方法
ブラーバシリーズは、全て簡単に操作できる点が魅力ですが、「ブラーバm6」も例外ではありません。
まず、本体裏面にクリーニングパッドを取り付けます。
方法は、クリーニングパッドの紙の部分を本体裏面に差し込むだけでOK。
パッド紙部分に空いた穴の形をセンサーが読み取り、ドライかウェットかのモード選択が行われます。
青色のウェットクリーニングパッドを取り付けて、水拭きをする場合のみ給水も行います。
本体上部のフタを開けて中からタンクを取り出します。
タンクに水を入れて戻すだけ。
あとは本体ボタンかアプリでスタートさせるだけ。
掃除後のことも考えられている設計で、本体フロント下部のボタンを押し込めば、クリーニングパッドが外れます。
これにより、お掃除後の汚れたパッドを触らずに捨てることが可能です。
「ブラーバm6」を使用した感想・評価
まず、前提として清掃能力は問題なしです。
下位シリーズでも、から拭きの集塵能力、水拭きの清掃力、ともに問題ありませんでしたが、最上位機種「ブラーバm6」ももちろん文句なし。
例えば、次の写真左側には、猫のよだれや涙汚れが3箇所についていますが、ブラーバm6で水拭きした後は、見事に綺麗になりました。
ボディサイズが大きいのでテーブル下は弱いかと思いきや、隙間さえあれば、高度な空間認識能力で入り込めます。
本体の高さは9cmと、他機種より数mm~1cmほど高いので、ソファの下を懸念しましたが、これも問題ありませんでした。

「ブラーバm6」の性能を語る上で外せないのは、他機種と比べて大幅にパワーアップしている使い勝手の面です。
その使い勝手の良さを支えているのは、主に次の3つのポイント。
- マッピング性能
- アプリ連携
- 自動充電、自動再開機能
段違いのマッピング性能
一番凄いのはマッピング性能。
他機種の場合は、ひと部屋だけを任せる文には文句なしでしたが、フロア全体複数の部屋を掃除させると、同じところを回ったり、最悪最後まで掃除できないなどの弱点がありました。
その点「ブラーバm6」は、カメラや赤外線センサーも駆使し、迷う素振りもなく滑らかに部屋中を駆け巡ります。
同じ空間を2度ほど掃除すると、ブラーバがマップを完成させるのですが、そのマップをアプリで確認してみると、これが驚くほど高精度。

次の項目へ続きますが、この作成したマップを元にアプリで指示を出せる点が「ブラーバm6」の大きな魅力です。
アプリ連携で使い勝手が抜群に
アイロボットの専用アプリとブラーバを連携させると、使い勝手の良さが劇的にアップします。
下位機種「ブラーバジェット250」でもアプリ連携が出来ますが、部分清掃機能なども限定的で、アプリを積極活用するには物足りないレベル感でした。
その点「ブラーバm6」は、アプリで細かい指示出しや操作ができるので、かなり便利です。
遠隔操作やスケジュール設定による掃除予約は当たり前。
スケジュールは曜日・時間設定のほかに、外出を検知して作動させることもできます。
そのほか、特定の場所のみ清掃エリアに指定したり、進入禁止エリアを設定するなど、自在に複数の設定をすることが可能。
例えば、ほこりの溜まりやすいエリアをピンポイントに指定しおくことで、普段のフロア全体の掃除とは別に、気になったときにピンポイント清掃の支持が出せます。
アプリで支持を出したら、ブラーバが充電用ホームベースから出動して、その場所だけさっと掃除してベースに戻ってきます。

自動充電・自動再開機能で人の手がかからない
「ブラーバm6」は、シリーズの中で唯一充電用ホームベースがあるので、掃除が終わった後や、掃除途中にバッテリーが切れた際に自動充電してくれます。
他機種の場合は、手動で充電スタンドへ設置したり、バッテリーを取り外して充電したりと、充電時に人の手が必要でしたが、最上位機種では充電の完全自動を実現。
人の手がかかるのは、パッド交換と給水時のみです。
個人差はあるでしょうが、私は1枚のクリーニングパッドを数回使うので都度交換はしませんし、水拭きも週1程度。
「ブラーバm6」は、人の手がかからず、めんどくささを感じさせない、シリーズで一番使い勝手に優れる機種でした。
「ブラーバm6」のデメリット
性能の高さには大満足の「ブラーバm6」にも、デメリットは存在します。
使用してみて感じた主なデメリットは、価格と運転音の2点でした。
最大のデメリットは本体価格とランニングコスト
最上位機種の宿命ですが、最大のデメリットは約7万円もする値段の高さでしょう。
価格の安い下位機種は、一度にフロア全体の掃除を任せるのは厳しいですが、ひと部屋ずつの掃除では優秀なパフォーマンスを発揮したので、価格が気になる場合は下位機種の選択もありでしょう。
次に挙げる「ブラーバm6」特有の機能に対して、下位機種との価格差3~4万円を出せるかどうかの天秤となってきます。
- フロア全体の掃除
- アプリでの細やかな指示・設定
- 自動充電・自動再開
また、「ブラーバm6」専用の使い捨てお掃除パッドは7枚880円なので、1枚あたりの単価は税抜で125円もします。
引用:アイロボット公式サイト

ランニングコストをどうしても抑えたいなら、ブラーバシリーズで唯一、市販のお掃除シートを使える「ブラーバ390j」であれば、単価15円~40円程度に節約することが可能です。
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また、「ブラーバm6」は、ルンバとの連携も特徴のひとつですが、ルンバと合わせると20万円を超えてしまうことも。
ルンバとの連携を体験していないので想像に過ぎませんが、個人的には、から吹きも水拭きもできるブラーバがあれば、ルンバは不要かなと思っています。
運転音が少し気になる
「ブラーバm6」の運転音を騒音計で計ってみたところ、早く走っているときの運転音は60dB前後でした。
騒音の参考
- 40デシベル:図書館
- 50デシベル:静かな事務所
- 60デシベル:時速40kmの車内
うちは猫を飼っていますが、猫は吐くことが多いので、無人の際にブラーバが吐いたものを巻き込まないよう、基本的にヒトがいるときにブラーバを稼働させています。
そうすると意外と気になるのが運転音。
他機種は、運転時は50dB前後と静かで、ブラーバジェット250の水拭き時のジェット噴射音だけは、60dBと少し気になるところでした。
「ブラーバm6」の場合は、ジェット噴射音よりも走行時の音の方が気になりました。
といっても決して致命的な音量ではなく、強いて挙げるならという感じですし、外出中に稼働させることが多いなら気にする必要もありません。
うちの場合は、ヒトがいるときに稼働させること、さらに音に敏感なペットがいるので、少し気になりました。
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最後に
以上、ブラーバシリーズの最高峰「ブラーバm6」のレビューをお届けしました。
価格は高くてもいいから、「性能重視で完全自動で掃除をお任せしたい」という方におすすめの高スペックな1台でした。