「X85J」と「X80J」は、2021年に発売されたソニーBRAVIAの4K液晶テレビ。
両モデルは、機能が異なる上位・下位モデルの関係です。
- X85J:上位モデル
- X80J:下位モデル
両モデルの違いを結論から述べると、主に次の3点です。
違いのある部分
- 倍速駆動パネルの搭載有無
- モーションフロー XR240の搭載有無
- HDMI 2.1規格の機能への対応状況の違い
当記事では、上記の機能の違いを解説します。
さらに、現時点の価格も比較することで、機能面と価格面の2つの視点で、今コスパの高いおすすめモデルがどれかを検証します。
BRAVIA「X85J」と「X80J」の違いを比較
はじめに書いたとおり「X85J」と「X80J」の機能的な違いは3つですが、まとめると下表のとおりです。
X85J (上位モデル) | X80J (下位モデル) | |
---|---|---|
パネル | 倍速駆動(120Hz) | 等速(60Hz) |
モーションフロー XR240 | 搭載 | 非搭載 |
HDMI2.1機能 | 4K/120p VRR(可変リフレッシュレート) ALLM(自動低遅延モード) eARC | eARC |
倍速駆動パネルの搭載有無
上位モデル「X85J」には「倍速駆動パネル(120Hz)」が採用されています。
- X85J(上位):倍速駆動パネル(120Hz)
- X80J(下位):等速パネル(60Hz)
倍速パネルとは?
動きの早い映像を滑らかに表示する技術のこと。
映像は複数枚の静止画をパラパラ漫画のように画像を切り替えることで動きを表現するが、例えば1秒で60枚表示される映像を、倍速パネルにより1秒120コマに補正することで映像が滑らかになる。
ハイフレームレートのゲームで遊ぶ場合や動きの大きい映像をよく視る場合は、倍速駆動パネルを搭載した上位モデル「X85J」がおすすめです。
逆にいうと、あまり動きのないコンテンツを視聴することが多い場合は、倍速パネルの効果を実感することが少ないので下位モデルの性能でも充分でしょう。
モーションフロー XR240の搭載有無
上位モデル「X85J」のみ、残像感を低減できる「モーションフロー XR240」が搭載されています。
- X85J(上位):モーションフロー XR240搭載
- X80J(下位):非搭載
先に紹介した倍速駆動パネルとセットの話となりますが、「モーションフロー XR240」とは、より動きを滑らかにして残像感を減らすための技術。
倍速駆動パネルで1秒間120コマに補正した映像を、「モーションフロー XR240」により、倍速駆動パネルのLEDバックライトを上下2分割にして表示制御することで、さらに滑らかな1秒間240コマ相当の映像を生成。
- X85J(上位):1秒に240枚相当の静止画を表示
- X80J(下位):1秒に60枚の静止画を表示
HDMI 2.1規格の機能への対応状況の違い
新旧モデル最後の違いは、HDMI伝送機能にどれだけ対応しているか。
X85J (上位モデル) | X80J (下位モデル) | |
---|---|---|
4K/120p | ○ | × |
VRR(可変リフレッシュレート) | ○ | × |
ALLM(自動低遅延モード) | ○ | × |
eARC | ○ | ○ |
- 4K120P(4K画質1秒120コマの映像に対応)
- VRR対応(可変フレームレートで遅延・角つきを軽減)
- ALLM対応(操作不要で低遅延モードに自動切替)
- eARC対応(Dolby Atmos等の3次元音響も伝送可能)
例えば、4K/120p・VRR・ALLMは、主にPS5のような4K出力対応の最新ハイスペックゲーム機や、PCと接続して4K・ハイリフレッシュレートのゲームや映像素材を楽しむ時にその実力を発揮します。
eARCは従来のARCでは入出力できなかった、立体的な音響データの入出力もできるので、対応AVアンプやサウンドバーなどとテレビを組み合わせて、高品位なサウンドや映像への没入感を楽しめるのがメリットです。
X85JとX80Jの価格の比較
以上、上位モデル「X85J」と下位モデル「X80J」の主な機能の違いを紹介してきました。
ここからは両モデルの価格を比べ、おすすめモデルを検証します。
両モデルは、次のとおりサイズ展開が異なるので、各モデルのサイズごとに価格の目安を確認していきましょう。
43V | 50V | 55V | 65V | 75V | |
---|---|---|---|---|---|
X85J (上位) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
X80J (下位) | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
X85Jの価格
上位モデル「X85J」の発売日は2021年6月。
家電は発売後に価格が下がっていくことが多いですが、各サイズとも発売時と比べ2~3割ほど安くなっており、購入時期としては良いタイミングとなってきました。
なかでも、個人的なおすすめサイズ2点とその理由は次のとおり。
- 43V型「KJ-43X85J」:価格が比較的安くて手を出しやすい
- 55V型「KJ-55X85J」:サイズに対して価格が安く高コスパ
また、下位モデルと比較してみると、43~55V型までのモデルについては、実はそれほど価格差ありません。
稀に上位モデルの方が安いケースすらあるので、小型モデルで探している場合は、上位モデル「X85J」も選択肢となります。
2022年7月の価格目安
- 43V型「KJ-43X85J」:12万円~
- 50V型「KJ-50X85J」:13万円~
- 55V型「KJ-55X85J」:14万円~
- 65V型「KJ-65X85J」:19万円~
- 75V型「KJ-75X85J」:26万円~
X80Jの価格
一方、下位モデル「X80J」の発売日は2021年4月。
「X80J」も発売から1年以上が経過し、発売時に比べて価格は落ちついています。
50・55V型はあまり価格差がないので、設置スペースが許すなら55V型を検討してみるのがおすすめ。
上位モデルとの比較では、65V型では下位モデルが数万円ほど安いケースが多いため、65V型を狙うなら有力な候補となります。
2022年7月の価格目安
- 43V型「KJ-43X80J」:10万円~
- 50V型「KJ-50X80J」:13万円~
- 55V型「KJ-55X80J」:13万円~
- 65V型「KJ-65X80J」:14万円~
【結論】ソニーBRAVIAの4K液晶テレビ「X85J」と「X80J」はどっちがおすすめ?
以上、上位モデル「X85J」と下位モデル「X80J」の違いを解説しました。
改めてまとめると違いは3点。
- 倍速駆動パネルの搭載有無
- モーションフロー XR240の搭載有無
- HDMI 2.1規格の機能への対応状況の違い
X85J (上位) | ・滑らかな映像でスポーツ番組などの動きの速い映像を視聴したい ・PS5などの次世代4K対応ゲーム機を使用する ・75V型の大型モデルが欲しい(下位モデルにないサイズ) ・43~55V型で探している(コスパ高い) |
---|---|
X80J (下位) | ・PS5などの次世代4K対応ゲーム機を使用しない ・動きの速い映像をあまり視聴しない ・65V型で探している(上位種よりかなり安い) |
スポーツ番組などの動きの速い映像を視聴したり、PS5などの次世代4K対応ゲーム機を使う予定があるのであれば、パネルの違いやHDMI2.1の機能の違いなどから上位機種の「X85J」を選ぶべきでしょう。
一方、動きの速い映像はあまり視聴しない、また次世代ゲーム機などを使う予定がない方は、価格も安価で機能も上位機種の「X85J」と遜色ない「X80J」で充分だと思います。
というのが機能的な違いからの一般的な考え方ですが、43~55V型を選ぶなら、上位モデルと下位モデルの価格差がほとんどないケースもあります(タイミングによりますが)。
下位モデルより安い上位モデルを見つけたら、スポーツ番組を観たり、ゲームをしたりしなくても、上位モデルを選んでおけば間違いないでしょう。
以上、ソニーBRAVIAの4K液晶テレビのグレード比較、「X85J」と「X80J」の違いの説明でした。