「KI-SX70・KI-RX70・KI-PX70」は、すべて最高グレードの「プラズマクラスターNEXT」を搭載するシャープの空気清浄機。
各モデルは発売された年の異なる新旧モデルの関係です。
- KI-SX70:2023年9月発売
- KI-RX70:2022年9月発売
- KI-PX70:2022年1月発売
さっそく結論ですが、当シリーズの進化の歴史をまとめると次表のようになります。
型番 | 前モデルから 進化した点 |
---|---|
KI-PX70 (2022.1) |
・プラズマクラスターがグレードアップ ・デザインやサイズの変更 ・加湿力の強化 ・飛沫粒子モードの搭載 ・シャープ製エアコンとの連動対応 |
KI-RX70 (2022.9) |
使い捨て加湿プレフィルターが付属 |
KI-SX70 (2023.9) |
なし |
2022年1月発売の「KI-PX70」では、外観を含め大幅に仕様が変更されるモデルチェンジでしたが、以降の機種は機能面での違いはなく、付属品がわずかに異なるだけです。
最新2023年モデル「KI-SX70」と前年モデルに違いはないので、当記事では、まず次のとおり2つのパートに分けて旧モデル間の機能的な違いを解説します。
- KI-RX70(2022.9)とKI-PX70(2022.1)の違い
- KI-PX70(2022.1)とKI-NS70(2020.9)の違い
その後、最新2023年モデル「KI-SX70」も含めて、各モデルの現時点の価格を比較することで、
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどれなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で検討します。
KI-RX70とKI-PX70の違い
最新のモデルチェンジで変わったのは付属品のみで、中身の変更はありません。
モデル | 使い捨て加湿プレフィルター | 使い捨てプレフィルター | マジックテープ |
---|---|---|---|
KI-RX70 (2022.9) | 2枚付属 | 3枚付属 | 10片付属 |
KI-PX70 (2022.1) | なし | 3枚付属 | 10片付属 |
「使い捨て加湿プレフィルター」とは、ニオイの原因となる汚れが加湿フィルターへ不着するのを防ぐもので、加湿フィルターへ張り付けて使用します。
月1回交換が前提の消耗品ですが、最新モデル「KI-RX70」では2枚付属されています。
ただし「使い捨て加湿プレフィルター」は別売品(型番:FZ-PF10MF)として、6枚入で税込1,100円(公式2023年9月時点)で販売されており、旧モデルでも使用可能。
2枚で約367円相当であることを考慮すると、新旧比較で違いを気にする必要はあまりなさそうです。
つまり「KI-RX70」と「KI-PX70」は、基本的に違いはないので、価格の安い方を選ぶのが正解です。
KI-PX70とKI-NS70の違い
続いて、型落ちモデル同士の違いですが、こちらは次のような違いがありました。
- 外観・サイズ
- 加湿力
- プラズマクラスターのグレード
- 飛沫粒子モード
- エアコンとの連動機能
外観・サイズの違い
左側の「KI-PX70(2022.1)」は、右側の「KI-NS70(2020.9)」と比べて、サイズが全体的にコンパクトになりました。
特に奥行が小さくなり薄くなったことと、設置面積が小さくなったことは個人的にかなり嬉しいポイントです。
型式 | 設置面積 |
---|---|
KI-PX70 (2022.1) | 26.5×39.5=約1,047cm² |
KI-NS70 (2020.9) | 33.9×40=約1,356cm² |
加湿力の違い
両モデルを比較すると、一時間あたりの最大加湿量に50mLの差があります。
型式 | 加湿量 |
---|---|
KI-PX70 (2022.1) | 最大 750mL/h |
KI-NS70 (2020.9) | 最大 700mL/h |
「KI-PX70」では、2層構造の加湿フィルターに空気を通すことで、より多くの加湿が可能となっています。
プラズマクラスターの違い
プラズマクラスターにはグレードが3種類存在し、上位グレードほどイオン濃度が高く、より早く有害物質の抑制や脱臭などを期待できます。
「KI-PX70」では、プラズマクラスターのグレードがアップしました。
型式 | 搭載プラズマクラスター |
---|---|
KI-PX70 (2022.1) | プラズマクラスターNEXT |
KI-NS70 (2020.9) | プラズマクラスター25000 |
グレードの違いにより、対応する有害物質などの種類にどれくらいの差があるかチェックしてみましょう。
まずは、空気中に浮遊している有害物質などへ期待できる効果です。
型番 | 浮遊カビ | 浮遊菌 | 浮遊ウイルス | 浮遊アレル物質 | 浮遊ニオイ原因菌 | 浮遊花粉アレル物質 |
---|---|---|---|---|---|---|
KI-PX70 (NEXT) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-NS70 (25000) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
続いて、付着した有害物質などへ期待できる効果です。
型番 | 付着タバコ臭 | 付着汗臭 | 部屋干し臭 | 付着排せつ物集 | 付着カビ繁殖抑制 | 付着ウイルス | 静電気 | フェイスケア | 付着ニオイ原因菌 | ペットの皮膚特有の菌 | 付着花粉アレル物質 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-PX70 (NEXT) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
KI-NS70 (25000) | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | ◯ |
付着物については、「排せつ物集・ニオイ原因菌・ペットの皮膚特有の菌」の3種類について違いがあるのが分かります。
対応する種類には意外と大差はないですが、3種類以外でもNEXTの方がイオン濃度が高い分、より早い抑制・除去が見込めます。
この違いに価値を感じるかは個人差があるでしょうが、新旧比較のうえでポイントとなります。
飛沫粒子モードの搭載有無
引用:シャープ公式
「KI-PX70」では「飛沫粒子モード」が搭載されました。
「飛沫粒子モード」とは、ウイルス飛沫粒子が溜まりやすい天井付近の空気を循環させる気流制御のこと。
もちろん旧モデルでも天井付近の空気は清浄されますが、新モデルではより特化した気流で循環気流を生み出すのがポイントです。
シャープ製エアコンとの連動
「KI-PX70」では、専用アプリ「COCORO AIR」を介してシャープ製のエアコンと連動することで、効率的に空気清浄を行えます。
エアコンの風向きや風量を考慮して、効率よく空気を循環させるので、効率的な空気清浄が可能です。
ただし、シャープ製のエアコンがあることが大前提なので、自宅のエアコンがシャープ製の方は新旧比較の際のひとつのポイントとなります。
新旧モデルのスペック比較
各モデルの主なスペックも比べてみましょう。
型番 | デザイン | 最大風量 ()内は加湿運転時 | 空気清浄適用床面積 ()内は加湿運転時 | フィルター | フィルター交換目安 | プラズマクラスターランク | プラズマクラスター 適用範囲 | 加湿範囲 | 最大加湿量 | 水タンク容量 | 最大運転音 ()内は加湿運転時 | サイズ | 重さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-SX70 KI-RX70 KI-PX70 | 強7.0m³/分 (6.3m³/分) | ~31畳 (~29畳) | 静電HEPAフィルター | 10年 | NEXT | 約16畳 | プレハブ洋室~21畳 木造和室~12.5畳 | 750mL/h | 約3.2L | 51dB (48dB) | 幅39.5cm×奥行26.5cm×高さ65cm | 約12kg | |
KI-NS70 | 強7.0m³/分 (5.5m³/分) | ~31畳 (~29畳) | 静電HEPAフィルター | 10年 | 25000 | 19畳 | プレハブ洋室~19畳 木造和室~12畳 | 700mL/h | 約3.6L | 52dB (46dB) | 幅40cm×奥行33.9cm×高さ68.6cm | 約11kg |
先述のとおり、新しいモデルではプラズマクラスターのグレードは上がりましたが、効果の範囲は少し狭くなっていることが分かります。
そのほか、新モデルは小型化された影響で、加湿用の水タンク容量が小さくなっています。
加湿力の向上も相まって、給水頻度が高くなるのは地味にデメリットと言えるでしょう。
KI-SX70・KI-RX70・KI-PX70の価格を比較
ここまで「KI-SX70・KI-RX70・KI-PX70」の主な違いを中心に紹介してきました。
ここからは各モデルの現時点の価格を比べることで、コスト面も含めておすすめモデルを検証していきましょう。
KI-SX70の価格
2023年9月7日発売の新モデル「KI-SX70」の発売時価格は、8万円台の前半でした。
発売後は徐々に価格を落とし、2023年11月時点では、安いもので6万円台の前半となっています。
先述のとおり旧モデルとの機能的な違いはないため、価格の安いものを選ぶのが正解ですが、その点、まだしばらくは旧モデルより高額な状態が続くでしょう。
最新モデルという響きにこだわらない限り、選択肢としては微妙です。
KI-RX70の価格
2022年9月発売の「KI-RX70」は、だいぶ値頃感の出てきたモデルです。
とはいえ底値圏へはあと一歩という印象で、2023年11月時点では4万円台まで安くなっているものの、旧モデルの価格帯にはまだ少し及びません。
先述のとおり、前年モデルとの差異は「使い捨て加湿プレフィルター」の付属有無だけです。
古すぎるモデルはちょっと・・という場合は、比較的新しい当モデルが選択肢となりますが、価格を最優先に考えるのであれば、まだ前年モデルがおすすめです。
KI-PX70の価格
2022年1月発売の「KI-PX70」は、いま価格的にはおすすめのモデルです。
2023年11月時点では、安いもので3万円台の後半を推移しています。
前年モデルの底値圏は2万円台でしたが、冒頭でも述べたように、当モデルは前年モデルと比べて大幅に進化していることから、底値圏も上昇していると予想されます。
以上を踏まえると、当モデルもすでに底値圏に入りつつある思われ、価格重視の方にも推せる水準であると考えています。
参考|KI-NS70は選択肢となる?
フルモデルチェンジ前の機種となる2020年9月発売の「KI-NS70」は、価格的にはまだ推せるモデルです。
一時は2万円台の中盤を推移しており、その頃と比べると価格は上がってしまいましたが、2023年11月時点でも、まだ3万円前後のものを見かけます。
市場の在庫はだいぶ減ってきており、高額な出品も目立ちますが、安い在庫があるうちは、価格重視の方の選択肢となるでしょう。
ただし、先述のとおり後継機種より機能面で劣るのがネックです(プラズマクラスターのグレードや加湿力など)。
また、デザインも後継機種とは大きく異なるので、検討する際は、外観もチェックポイントとなります。
結論|今のおすすめは?
結論、今のおすすめは2022年1月発売の「KI-PX70」です。
理由は、後継機種と機能差がないなかで、価格が一番安いため。
ただし、後継の「KI-RX70」もだいぶ安くなってきたので、型式の古さが気になる場合は「KI-RX70」も選択肢となるでしょう。
現時点のおすすめモデル
以上、「KI-SX70・KI-RX70・KI-PX70・KI-NS70」の違いを解説しました。