「F-MV4300」と「F-MV4100」は、パナソニック「ジアイーノ」の最上位モデルで、発売年の異なる新旧モデルの関係となります。
- F-MV4300:2021年9月21日発売
- F-MV4100:2019年9月20日発売
さっそく結論、新モデルは3つの改良点があります。
新モデルで進化した点
- 加湿機能を搭載
- タンク容量が大幅増加
- 脱臭スピードUP
当記事では、上に挙げた3つの違いについて詳しく解説したうえで、現時点の各モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
F-MV4300とF-MV4100の違い
冒頭にも書いたように、新旧モデルには大きく次の3つの違いがあります。
- 加湿機能の有無
- タンク容量の違い
- 脱臭スピードの違い
加湿機能の有無
最新モデル「F-MV4300」では、新たに加湿機能が搭載されました。
ジアイーノは、次亜塩素酸水溶液を浸透させた除菌フィルターに空気を通すことで除菌・脱臭するので、旧モデルでもわずかに加湿はされていましたが加湿量の調整はできませんでした。
新モデルでは、風路の切替により加湿量をコントロールできるよう内部設計を見直し、強力に加湿できる「加湿多め運転」が追加されています。
- 加湿多め運転
- 加湿標準運転(加湿多めをOFFにした状態、従来機の運転)
次表は、新モデル「F-MV4300」加湿有無と風量の強さの違いで、加湿量と運転時間を表したものです。
モード | 加湿量 | 連続運転時間 |
---|---|---|
加湿多め | 強:650L/h 中:380L/h 弱:270L/h | 強:6.1時間 中:10.5時間 弱:14.8時間 |
加湿標準 | 強:350L/h 中:250L/h 弱:170L/h | 強:11.4時間 中:16時間 弱:23.5時間 |
なお、構造上ジアイーノの加湿を完全に止めることはできません。
加湿標準モードの加湿力はさほど高くないので、むやみに湿度上昇することはないですが、湿度が気になる方は注意しましょう。
加湿多め運転のときは、内部でダンパーが閉じ、風を全て次亜塩素酸水溶液を含んだ除菌フィルターを通すことで高加湿を実現します。
引用:パナソニック公式
一方、加湿標準運転ではダンパーを開放して、フィルターを通さない風路を残すことで湿度上昇を抑えます。
新モデルでは、現在の湿度目安をパーセンテージ表示してくれる湿度モニターが搭載されたので、湿度が気になる方はモニターを見ながらモードを切り替えることもできます。
タンク容量が大幅増加
先述のとおり加湿機能が強化されたことに伴い、連続運転時間を確保するためタンク容量が大幅に増えました。
F-MV4300 (新モデル) | F-MV4100 (旧モデル) | |
---|---|---|
タンク容量 | 約4.0L | 約2.1L |
連続運転時間 | 強:11.4時間 中:16時間 弱:23.5時間 | 強:6.5時間 中:11時間 弱:18時間 |
※新モデルは加湿標準運転の連続運転時間
給排水の手間は加湿家電の大きなデメリットでもあるので、タンク容量が大きくなったのは嬉しい改良です。
使ってみた感想としては、4Lタンクを満水にするとかなり重かったので、給水ポイントが遠い場合はちょっと大変かもしれません。
脱臭スピードの違い
新モデルでは、除菌フィルターの通風面積を大きくすることで、ペット臭の脱臭スピードが旧モデルに比べ16%上昇しています。
また、ペットや介護のニオイ対策として人気のジアイーノですが、料理・生ゴミ・体臭など生活臭への脱臭効果が新たに確認されました。
新旧比較とは異なる話ですが、ジアイーノがある場合とない場合の比較で、効果が確認されるのは嬉しいことです。
6畳の試験空間で、風量:強、加湿:標準・電解強度:強で、それぞれの疑似臭の臭気強度を調べた結果が次のとおりです。
ジアイーノあり | 自然減衰 | |
---|---|---|
ペット臭 (75分後) | 臭気強度1.8 | 臭気強度3.8 |
介護臭 (60分後) | 臭気強度1.4 | 臭気強度3.6 |
生ゴミ臭 (30分後) | 臭気強度1.8 | 臭気強度3.3 |
排水口臭 (60分後) | 臭気強度2.0 | 臭気強度3.9 |
焼き魚臭 (90分後) | 臭気強度1.6 | 臭気強度3.6 |
汗・体臭 (60分後) | 臭気強度2.0 | 臭気強度3.9 |
臭気強度が低くなるほどニオイを感じにくくなるのでジアイーノの効果があることが分かります。なお、臭気強度は6段階で定義されています。
臭気強度
- 臭気強度0:臭いを感知しない
- 臭気強度1:臭いを知覚
- 臭気強度2:何の臭いか分かる
- 臭気強度3:容易に感じる
- 臭気強度4:強く感じる
- 臭気強度5:非常に強く感じる
「強く感じるレベルのニオイ」も、ジアイーノを使用することで「何のニオイか分かるかどうか」というレベルまで脱臭できることが分かります。
また、併せて布にニオイが染み付くことへの抑制に効果があることも確認されました。
F-MV4300とF-MV4100の価格を比較
以上、新旧両モデルの機能的な違いを紹介してきましたが、最後に価格を比較してみましょう。
F-MV4300の価格
2021年9月発売の新モデル「F-MV4300」の発売時価格は15万円前後でした。
家電は発売後に徐々に安くなっていきますが、まだまだ高値を推移しており、割安感はありません。
旧モデルより機能的には優れますが、2023年1月時点では安いもので13万円台くらいを推移。
旧モデルとの価格差が大きすぎるのが難点です。
F-MV4100の価格
2019年9月発売の旧モデル「F-MV4100」は、いま価格的におすすめのモデルです。
発売時の価格は新モデルと同程度でしたが、徐々に価格を下げ、2023年1月時点では、安いもので8万円前後。
加湿力や脱臭スピードなどは劣るので、機能にこだわる場合にはおすすめできませんが、価格重視の方にとっては有力な選択肢となるでしょう。
結論|今のおすすめは?
結論として、今のおすすめは旧モデル「F-MV4100」です。
理由は、価格が圧倒的に安いため。
新モデルは機能的に大幅に進化しているので悩ましいところですが、個人的には新旧の価格差が大きすぎます。
やがて新モデルの価格が下がると新モデルの一択ですが、それまでの間は旧モデル推しです。
現時点のおすすめ
以上、ジアイーノ「F-MV4300」と「F-MV4100」の違いを解説しました。