「SR-VSX101・SR-VSX100・SR-CVSX100」は、大火力と可変圧力でお米の甘味と旨味を引き出す「Wおどり炊き」が特徴で、高温スチーム機能や銘柄別炊き分け機能を搭載するパナソニック炊飯器の最上位シリーズ。
3モデルとも同一シリーズですが、「発売年された年」と「オリジナル or 量販店」の2点の違いがあります。
型番 | 発売年 | 販路の違い |
---|---|---|
SR-VSX101 | 2021年 | オリジナルモデル |
SR-VSX100 | 2020年 | オリジナルモデル |
SR-CVSX100 | 2020年 | 量販店モデル |
※量販店モデルの2021年版はなし
2020年に発売された「SR-VSX100」と「SR-CVSX100」は、いわゆる販路の違いというもので、大手家電量販店で売っているものと、それ意外の販売経路で名前を変えているだけ。
中身は同じなので、価格の安い方を選ぶのが正解です。

新旧比較においては、機能的な違いがあります。主な違いは次の5つ。
ポイント
- おまかせ見極め炊きの搭載
- 高温スチームの進化
- スチーム保温の進化
- 冷凍用ごはんコースの搭載
- アプリ「キッチンポケット」連携
上記のとおり、最新モデル「SR-VSX101」は多くの点で、型落ちモデルから進化しています。
一方、型落ちモデルの一般的なメリットは価格の安さですが、新旧比較において重要なのは「機能差に対して価格差が妥当か」という点です。
当記事では、上に挙げた違いについて詳しく解説したうえで、現時点の両モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
SR-VSX101とSR-VSX100(SR-CVSX100)の5つの違い
新モデル「SR-VSX101」と旧モデル「SR-VSX100(SR-CVSX100)」の5つの違いを比較表にまとめました。
モデル | おまかせ 見極め炊き | 高温スチーム (最高温度) | スチーム保温 (12時間後までの噴射回数) | 冷凍用ごはん コース | アプリ連携 |
---|---|---|---|---|---|
【新】SR-VSX101 | 搭載 | 250℃ | 10回 | 搭載 | 対応 |
【旧】SR-VSX100 (SR-CVSX100) | 同等機能あり (少し劣る) | 220℃ | 2回 | 非搭載 | 非対応 |

おまかせ見極め炊きの違い
新モデル「SR-VSX101」は、大火力IH・可変圧力・高温スチームの3要素を、お米の状態(鮮度・銘柄・出来栄え)に応じて炊き分けが可能で「おまかせ見極め炊き」と呼んでいます。
具体的には、次の3機能を中心にお米の状態を見極めたうえで、火力・圧力・スチームを変化させ、最適な炊飯プログラムを実行する仕組みです。
- 鮮度炊き分け(圧力センサーでお米の乾燥具合を把握)
- 銘柄炊き分け(銘柄の特徴をおさえる)
- 出来栄え炊き分け(その年の気象状況を踏まえる)
例えば、銘柄「ゆめぴりか」を指定すると、銘柄の特徴を活かすだけでなく、鮮度センシングによりお米の鮮度(お米の水分量)を判定。
さらに、後述するネット連携により、その年の気象状況(猛暑・長雨・日照不足など)も踏まえて、最適な加熱を行うという具合です。

旧モデル「SR-VSX100(SR-CVSX100)」にも、鮮度センシングや銘柄炊き分け機能は備わっていますが「おまかせ見極め炊き」という名称は使われていませんでした。
新モデルでは、ネット連携により、お米の状態をより見極められるようになるとともに、鮮度・銘柄炊き分け機能が進化することで、「おまかせ見極め炊き」に昇華されたイメージです。
高温スチームの違い
当シリーズは、追い焚き・蒸らし工程で、高温スチームを噴射することで、最後までじっくり加熱できるのが魅力ですが、新モデル「SR-VSX101」では、スチームの最高温度が220℃から250℃に上昇しています。
例えば、水分量の多い新米の場合は、高温スチームで余分な水分を飛ばすことでハリがUPします。逆に、乾燥したお米の場合は、スチーム温度を落とすことでパサつきを抑制します。

スチーム保温の違い
新モデル「SR-VSX101」では、スチーム保温が進化しました。
スチーム保温とは、保温時にスチーム噴射することで、お米の乾燥を防ぎ、炊きたてに近い味わいを維持する機能です。
新旧のスチーム保温を比較すると、保温開始から12時間経過するまでに、スチーム噴射する回数が異なります。
SR-VSX101 | 保温開始してから12時間後までに約10回噴射 |
---|---|
SR-VSX100 (SR-CVSX100) | 約6時間後と約12時間後の2回スチームを噴射 |
以上の結果、新モデルは旧モデルと比べて、ごはんの柔らかさが10%向上しました。
ごはんを炊いた後に、長時間保温することが多い家庭は新モデルがおすすめです。
冷凍用ごはんコースの違い
新モデル「SR-VSX101」には、「冷凍用ごはんコース」が搭載されたました。
「冷凍用ごはんコース」とは、冷凍&解凍をされることを前提に、ちょうどよい炊き加減で炊飯する機能のこと。
冷凍ごはん特有のべちゃっとした感じなどを軽減します。

なお、「冷凍用ごはんコース」と併せて、冷凍方法も工夫することで、冷凍ごはんをより美味しく食べられます。
- 釜での長時間保温は避けてすぐにラップで包む
- ラップで包むときは潰さないよう注意
- 常温まで冷めたらすぐに冷凍庫
- 冷凍庫に急速冷凍機能があれば使う
以上のコツを踏まえて、冷凍保存することで、より炊きたてに近いごはんを味わえます。
「キッチンポケット」対応状況の違い
新モデル「SR-VSX101」は、「キッチンポケット」アプリと連携が可能となりました。
キッチンポケットとは?
パナソニック公式のスマホ用アプリのことで、無線LANにより炊飯器をネット接続して使用。
その年のお米の出来栄えに合わせて炊き方を更新したり、炊き分けられる銘柄米を追加することが可能。
アプリを使ってできることを、改めて具体的に書き出すと、主な機能は次のとおり。
- 出来栄え炊き分け(今年のお米の出来栄えに合わせてプログラム更新)
- 銘柄コンシェルジュ(質問に回答していくと、おすすめ銘柄を提案)
- 予約時刻変更(外出先から予約時間の変更が可能)
これらは、近年の高級家電のトレンドでもある「IoT(モノとネットを接続)」技術による機能ですが、最大の魅力は購入後も炊飯プログラムがアップデートできる点。
ネット経由で、炊飯器プログラムの更新ができるので、例えば「出来栄え炊き分け」では、好みの銘柄が日照不足や冷害にあった年は、それらの状況を踏まえた炊飯プログラムが配信されます(一部の銘柄は非対応)。

SR-VSX101とSR-VSX100(SR-CVSX100)の共通の特徴
ここまで各モデルの機能の違いを紹介してきましたが、当シリーズの特徴を把握するために、共通機能についてもサクッと紹介します。

- Wおどり炊き(大火力と可変圧力でお米の甘味と旨味を引き出す)
- 全面発熱6段IH(釜を包むように搭載したIHで、細かい火力調整も可能)
- ダイヤモンド竈(かまど)釜(高い発熱性と蓄熱性、断熱性を実現)
- 食感自在炊き分け(13通りの食感に炊き分け)
- 15の炊飯メニュー(白米・無洗米・玄米・雑穀米・カレー用など15種類)
- 高速炊飯(ご飯を最短24分で炊き上げ)
- 旨み熟成浸水(低温前炊きで旨味となるアミノ酸を生成)
- うまみ循環タンク(うまみの素になる「おねば」を循環)
- エコナビ保温(省エネしながら保温してくれる)
- 量ピタスピードスチーム再加熱(ご飯の量に応じて加熱時間をコントロール)
- フラット天面パネル(メンテナンスしやすい凹凸のない天面)
Wおどり炊き・6暖IH・熱効率の高い釜を採用し、炊飯器としての基本スペックが高いのはもちろん、豊富な炊き分け機能・炊飯メニューなどを搭載。プレミアムモデルの名に恥じない内容となっています。
SR-VSX101とSR-VSX100(SR-CVSX100)の価格を比較
最後に、各モデルの現時点の価格を比較してみましょう。
比較にあたってのポイントを2つおさらいです。
- 新旧モデルは5つの機能差があり、新モデルが性能的に優秀
- 2020年発売の旧モデル2つは販路の違いだけで中身は同じ

SR-VSX101の価格
2021年6月発売の最新モデル「SR-VSX101」の発売時価格は、11万円弱からのスタートでした。
価格は少しずつ下がっており、2022年10月時点では8万円台という水準。
過去モデルを参考にすると底値圏は7万円台という印象なので、あと一歩感はあるものの値頃感は出てきました。
懸念があるとすれば、先述のとおり、旧モデルよりも機能的に大きく進化しているので、旧モデルの水準まで価格が落ちるかわからないこと。
ただし、旧モデルは在庫がかなり減少しており、もし在庫があっても価格が以前のように安くないため、選ぶなら新モデル「SR-VSX101」の一択でしょう。
SR-VSX100の価格
2020年6月発売のオリジナルモデル「SR-VSX100」は、2021年秋頃までは7万円台の底値圏を推移していましたが、市場で新品在庫をほとんど見かけなくなりました。
もし、在庫を発見して、最新モデルよりも大幅に安い状態であれば選択肢となりますが、市場の在庫が少なくなるほどネット最低価格は上昇傾向となるので(安いものから売れるため)難しいでしょう。

SR-CVSX100の価格
最後に2020年6月発売の家電量販店モデル「SR-CVSX100」の価格について。
2021年中は6万円台の後半~7万円台の前半あたりまで安くなっており、有力な選択肢でしたが2022年に入り価格が上昇。
まだ在庫は見かけるものの、最新モデルと同程度以上の価格のため、あえて選ぶ理由のないモデルとなってしまいました。
こちらも安いものが見つかれば選択肢ですが、モールには中古品なども並んでいるので間違わないよう要注意。
結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは新モデル「SR-VSX101」ですが、その理由は2つ。
- 発売時と比べて安くなってきており値頃感が出てきた
- 旧モデルの在庫がそもそもあまりない
一時は、7万円台まで安くなっていた2020年発売モデル(オリジナル・量販店モデル)ですが、2022年に入り価格が上昇、選ぶメリットがなくなりました(市場在庫もほぼなし)。
新モデル「SR-VSX101」は、まだ底値圏には到達していないものの、新旧比較では一択でしょう。
おすすめの新モデル
以上、パナソニック炊飯器「SR-VSX101・SR-VSX100・SR-CVSX100」の違いを解説しました。