「空気を洗う」がコンセプトの次亜塩素酸水溶液を用いた空間除菌脱臭機「ジアイーノ」
ペットや介護のニオイ対策として、脱臭力に定評のある人気製品ですが、その実力を確かめるべく2021年モデル「F-MV4300」のレビューをお届けします。
執筆にあたって
- 使わないと分からないことを主に発信
- 主観のみならず口コミ等を引用して客観性を担保
- 脱臭効果は主観になるので、せめて条件を決めてテスト
- 使って感じたデメリットも全部書く
ジアイーノのレビューの結論としては「脱臭効果はしっかり感じられるも、デメリットもあり万能ではない」と感じました。
メリットは調べればすぐ分かるので、この記事ではあえてネガティブな部分も積極的に紹介していきたいと思います。
ジアイーノとは?空気清浄機じゃないの?
ジアイーノは、次亜塩素酸水溶液を使用した空間除菌脱臭機で、次のステップで空気をきれいにします。
- 水道水と塩タブレットから次亜塩素酸水溶液を生成
- 水溶液を除菌フィルターに吸水させる
- 吸い込んだ空気をフィルターに通すことで空気を洗浄
- 除菌・脱臭された綺麗な空気を放出
次亜塩素酸が、化学反応によりニオイ菌などから電子を奪うことで、その働きを抑制します。
空気清浄機は、吸い込んだ微細粒子をフィルターでろ過することで、綺麗な空気を放出することが主な機能ですが、ジアイーノは、化学反応による除菌・脱臭をメインとしている点で違いがあります。
どちらが優れるという話ではなく、担う役割が違うのですね。
役割分担
- ジアイーノ
→ 空気中の菌やニオイ成分の除去 - 空気清浄機
→ 空気中の粒子の除去
ジアイーノは、ペット臭や介護で発生するニオイ対策として用いられることが多いです。
一方、花粉・PM2.5などの微細粒子の集じんが目的の場合は空気清浄機が向いています。
塩タブレット自動投入機能で手間いらず
ここからはジアイーノを使って感じた魅力をお伝えしますが、まず感じたのは使い勝手の良さ。
使用方法はとっても簡単な2ステップとなっています。
- 塩タブレットを自動ユニットにセット
- タンクに吸水
付属の塩タブレットを塩自動ユニットと呼ばれる専用ケースにセットしておくと、自動で塩タブレットを投入してくれます。
「F-MV4300」に付属のタブレットは300粒(2.5年~3年分)。自動ユニットには50粒ほど入るので、一度セットすると数ヶ月は作業不要となります。
あとは、タンクに給水して運転ボタンを押せばスタート。
次の写真はタンクと除菌フィルターですが、タンクは約4Lの大容量です。旧モデルは2.1Lでしたが2021年モデルからは下位機種を除きタンク容量が倍増しています。
使用感として、自動モードで2~3日は水が持つので、思ったより吸水頻度が少ないのは好感触でした。もちろん湿度にもよりますが。
ジアイーノの脱臭効果をテスト
効果を数値化するのが難しいので主観となりますが、脱臭効果をテストしてみました。
ジアイーノを使ってみた感想は、効果は感じるが即効万能なものではないというのが正直なところです。
テストとして、魚のほっけをグリルで焼いてみました。グリル調理後は換気しても何時間もニオイが残ってなかなか消えませんよね。
自動モードで運転しましたが、調理後はジアイーノのランプが赤く反応し、しっかりニオイを検知している様子。
同じ空間にずっと留まっていると嗅覚が慣れて分からなくなるので、10分毎に屋外に出て、屋外で1分経過したら入室してニオイを確認するという方法をとりました。
結果、30分もすればニオイは弱まり、1時間もすれば焼き魚臭がほぼ分からないレベルまで脱臭できているように感じました。
即効でもなく、1時間後も完全無臭ではありませんが、普段なら翌日までうっすら残るニオイが明らかに軽減されたことに驚きです。
気になったデメリット
脱臭について効果を実感することができたジアイーノですが、使って感じたデメリットもあります。
- 強モードの運転音が大きい
- 塩素臭がする
- 満水のタンクが重い
強モードの運転音が大きい
ジアイーノの運転モードは、強・中・弱・自動の4種ですが、強モードは爆音です。
1m距離で騒音計で計ってみると運転音は64.5dB。60dBが走行中の自動車内と例えられることを考えると結構な音量です。
ただ、安心して欲しいのは、中や弱モードとなると急激に静かになります。先ほどと同じ環境での弱運転の騒音値は42.5dB。参考として40dBは図書館内と例えられます。
普段は自動モードで運転することが一般的だと思いますが、自動モードでは基本的に弱風で運転し、極稀に風量が少し上がる程度なので、運転音をストレスに感じる機会はほぼありません。
爆音を感じるのは、あえて強モードを選択した時くらいなので、その時は別室に移動するなど工夫すると問題ないのですが、購入前に知っておくべきポイントでしょう。
塩素臭がする
ジアイーノと同じ空間にずっといると全く気にならないのですが、外から帰ってきたときなどにふと塩素のニオイを感じます。
いわゆるプールのニオイで、最初は少しびっくりしましたが、個人的には慣れるとあまり気になりません。
この塩素のニオイは反応臭らしく、汚れなどに反応している証拠であると公式でアナウンスされているので、空気が綺麗になっているんだな~と実感するニオイでもあります。
満水のタンクが重い
2021年モデルはタンク容量が約4Lで、満水時の重さは約4.3kgにもなり結構重いです。
2~3日に1度程度とはいえ、給水ポイントまで距離がある場合は地味に大変だなと。
とはいえ、タンク容量が大きいことで給水頻度が減っているので、トータルで考えるとメリットが勝つのですが、それなりに重さがあることは覚悟しておきましょう。
ジアイーノの口コミ・評判とそれに対して思うこと
ここまでは主観で使用感などを書いてきましたが、記事の客観性も担保するために、ジアイーノに対する口コミ・評判(旧モデル・下位シリーズ含む)を拾ってみましょう。
良い口コミ・悪い口コミに分けて、よく見かける意見をまとめました。
- 劇的な脱臭性能
- 感染予防対策になる
- 給排水が手間
- サイズが大きい
- 安全性が不安
一番多いのは脱臭効果の高さへの驚きの声でしょうか。
ペット特有のニオイや介護で発生するアンモニア臭などが劇的に消えたという声が多いです。
ペット(トイプードル)5匹と生活をしていますが、トイレ臭が全く気にならなくなりました。
ちょっとお高い買い物でしたが素晴らしい逸品です。ペット臭が気になる方には是非お勧めします。
わが家にも猫が3匹いますが、帰宅時のモワッとしたトイレ臭やペット臭は感じなくなりました。
トイレしたてホヤホヤのニオイが即時消えることはないですが、脱臭効果が本物というのは同感ですね。
そのほか、インフルエンザ等の感染症が減ったという口コミも見かけますが、どれほどの効果があるのか正直不明です。
ジアイーノの構造上、運転すると加湿されるので、ウイルスが活性化する乾燥状態を防げるという意味で、間接的な効果は期待できるかもしれませんが、直接的な効果について過度な期待は禁物です。
続いては、給排水の手間についての意見で、次に紹介する口コミは旧モデルに対するものです。
毎日水タンクが空になります。ほぼ週イチでタンクの排水が必要、月イチで洗浄とメンテナンスは忙しいですが、逆に効いてると感じさせてもらってる感があります。
COVID-19対策で購入しましたが、お陰で(?)我が家のニャンズも変わりなく、満足しています。
家庭用のジアイーノは現行の最新モデルが3種あり、それぞれに型落ちモデルが存在しますが、下位シリーズを除いて新モデルではタンク容量が増えたため、給水の手間が少し改善されています。
3シリーズの新旧 | タンク容量 | 連続運転時間 |
---|---|---|
F-MV4300(新) F-MV4100(旧) | 新:4.0L 旧:2.1L | 新:23.5時間 旧:18時間 |
F-MV2300(新) F-MV2100(旧) | 新:4.0L 旧:2.1L | 新:40時間 旧:38時間 |
F-MV1300(新) F-MV1100(旧) | 新:1.8L 旧:1.8L | 新:36時間 旧:36時間 |
なお、上表のスペック値は、温度20度・湿度30%という乾燥状態での値で、実際にタンクが空になる時間は、室内の湿度・温度に大きく依存します。
例えば「F-MV4300」を湿度約65%の環境において、自動モードで運転した場合、2~3日は水が持ち、スペック値を大きく上回る結果となります。
一方、乾燥する冬場に使用すると、もっと早いペースで水が減りますし、暖房を併用すればそのスピードは加速します。
ところで次亜塩素酸って安全なの?
口コミの中でも時々見かけるジアイーノの安全性について。
この手の話に答えはありませんが、少なくとも今のところ使ってみて体調不良はありません。
- 低濃度の次亜塩素酸なので安心
- 業務用で30年実績があるから大丈夫
というのが公式の見解ですが、例えば、今までプールの塩素のせいで具合が悪くなった経験があるのであれば私なら使いません。
なお、余談ですが、厚生労働省が新型コロナ関係のモノの消毒方法として挙げるなかに以下2種が含まれますが、ジアイーノで生成される次亜塩素酸水溶液とはpH・濃度が異なるものです。
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 次亜塩素酸水
ジアイーノのメンテナンス方法
水を扱う家電は特に、メンテナンスの手間からは逃れられないので、頻度や手順の部分にも触れておきます。
メンテナンスが必要な部分は、主に次の6点です。
- 本体の吸気口(月1回)
- 保護エレメント(月1回)
- タンク(給排水の都度)
- トレー(半年に1回)
- 除菌フィルター(半年に1回)
- 防カビユニット(半年に1回)
本体側面の吸気口は、月に1回掃除機による吸い取りが必要です。
正面のカバーを外すと、青いフィルターが出てきますが、これが保護エレメント。これも月1回掃除機で吸い取りますが、裏面は掃除機厳禁なので、青い面のみ吸引します。
続いて、下の写真で手に持っているのが防カビユニット、円盤が除菌フィルター、そして水を受けるトレー、これらは半年に1度の水洗いでOK。
除菌フィルターも水かぬるま湯に浸けて押し洗いするだけなので簡単です。
タンクに関しては毎日水洗いが推奨されています。
めんどくさいので給排水のタイミングでサッと洗うだけのこともありますが、定期的にタンク内を清潔なスポンジや布で水洗いします。
まとめ
以上、ジアイーノ「F-MV4300」のレビューをお届けしました。
まとめ
- ジアイーノは除菌・脱臭に特化したもの
- 使い方簡単で脱臭効果は抜群
- 運転音や塩素臭などのデメリットもある
- メンテナンスはそれなりに必要
以上、ジアイーノはデメリットはありつつも、ニオイ対策としては優秀なパフォーマンスを発揮する脱臭機でした。
最新モデルの値段は高めなことが多いので、型落ちとの比較もお忘れなく。新旧の機能差と価格差に納得がいけば、タイミング次第では数万円お得になることもあります。