「ER-YD3000」と「ER-XD3000」は、両方とも東芝の過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム」です。
両モデルは発売された年の異なる新旧モデルの関係。
- ER-YD3000:2023年6月発売
- ER-XD3000:2022年7月発売
さっそく結論ですが、新モデル「ER-XD3000」で変更があったのは主に次の4つ。
新モデルで変わった点
- カラッとあたため機能の強化
- 分量フリー自動メニューの搭載
- お手入れコースの強化
- 搭載レシピや自動メニューの変更
当記事では、上に挙げた主な3つの違いについて解説したうえで、現時点の両モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
ER-YD3000とER-XD3000の違い
両モデルの2つの違いを下表にまとめました。
ER-YD3000 (新モデル) | ER-XD3000 (旧モデル) | |
---|---|---|
カラッとあたため | スチーム・オーブン・グリルを使用 | スチーム・オーブンを使用 |
分量フリー 自動メニュー | あり | なし |
お手入れコース | ・庫内乾燥 ・手間なしお手入れ(5分/10分/15分) | 手間なしお手入れ(10分) |
レシピ数 (自動メニュー数) | 197(114) | 198(108) |
カラッとあたための違い
「カラッとあたため」とは、スチームで食品表面を湿らしてオーブン加熱することで、表面をカラッと仕上げる機能のことで、揚げ物などをあたため直した際も、作りたてのような食感になる機能。
旧モデルも「カラッとあたため」機能は搭載していますが、新モデル「ER-XD3000」では、スチームとオーブンに加えてグリルも使用するようになったのがポイントです。
カラッとあたため 加熱方法 |
ER-YD3000 (新モデル) |
ER-XD3000 (旧モデル) |
---|---|---|
グリル | ○ | × |
オーブン | ○ | ○ |
スチーム | ○ | ○ |
分量フリー自動メニューの違い
新モデル「ER-YD3000」では、分量フリー自動メニューを新搭載しました。
「分量フリー自動メニュー」とは?
該当メニューを選ぶだけで分量に合わせて加熱を自動調節するメニューのこと。
例えば、ハンバーグを作るときに2人分でも、4人分でも加熱時間の設定を変更する必要はなく、メニューを選んでスタートするだけで、分量に合わせた適切な加熱を行います。
レンジやオーブン調理などは、分量が変わると何分加熱すればよいか分からなくなり、焦がしたり、生焼けだったり、調理失敗の原因ともなります。
当機能は「石窯おまかせ焼き」に似ていますが、「石窯おまかせ焼き」は味付けや食材を自分好みに決めて加熱を丸投げする「自動加熱機能」です。
一方「分量フリー自動メニュー」は、あくまでレシピ集に掲載された「メニュー」のひとつであり、レシピどおりに下準備をしますが、分量に関しては何人分でも勝手に加熱を調整してくれるというもの。
分量フリー自動メニュー
- ハンバーグ
- 鶏の照り焼き
- 塩鮭
- 塩さば
- 鶏のから揚げ
お手入れコースの違い
旧モデル「ER-XD3000」も、お手入れ機能は搭載していますが、新モデルではより強化されました。
(新)ER-YD3000 | ・庫内乾燥 ・手間なしお手入れ(5分/10分/15分) |
---|---|
(旧)ER-XD3000 | ・手間なしお手入れ(10分のみ) |
新モデル「ER-YD3000」に独自に搭載されている「庫内乾燥コース」は、レンジ調理後の内部の結露や、スチーム調理後のべたつきを軽減するための便利な機能です。
また、「手間なしお手入れコース」は、スチームを利用して汚れを浮かせて落としやすくする機能。旧モデルは10分コースの一択でしたが、新モデルでは「5分/10分/15分」の中から選択が可能で、汚れの程度に応じて調整ができます。
搭載レシピ(自動メニュー)の違い
両モデルの搭載レシピや自動メニューの数にも少しだけ違いがあります。
ER-YD3000 (新モデル) |
ER-XD3000 (旧モデル) |
|
---|---|---|
総レシピ数 | 197 | 198 |
自動メニュー数 | 114 | 108 |
新モデルでは自動メニュー数が少し増えていますが、搭載レシピも含め、ほとんど同じなので、新旧比較においては過度に気にする必要はないかと思います。
総レシピ数とは付属の料理集に掲載されるレシピ数のこと。
レシピのなかには、細かな加熱設定が不要でボタン一つで加熱スタートするものがありますが、これが自動メニューです。
例えば、ハンバーグを作る場合、レシピに従って下ごしらえした後は「ハンバーグの自動メニュー」を選択するだけで、レシピに適した最適な加熱をしてくれます。
自動メニュー非対応のレシピの場合は、レシピに掲載されている加熱方法や加熱時間のとおりに手動で設定するひと手間があります。
新旧モデル共通の特徴
ここまで、「ER-YD3000」と「ER-XD3000」の主な違いを紹介してきましたが、両製品の共通機能も簡単に紹介します。
- 石窯おまかせ焼き
- 庫内まるごと遠赤加熱
- 高精度「8つ目赤外線センサー」
- 食材や用途に合わせた「選べる3つの解凍」
- 遠赤、脱臭ブラックコート
- 薄型コンパクトサイズ
なかでも、特徴的なのは「石窯おまかせ焼き」機能。
選んだ食材に合う「温度・時間」を自動で検知して自動調理してくれる優れもので、量に合わせて加熱時間などをいちいち考える必要がないのが魅力です。
ER-YD3000とER-XD3000の価格を比較
ここまで「ER-YD3000」と「ER-XD3000」の機能的な違いを中心に解説しました。
ここからは両モデルの価格の違いを確認してみましょう。
ER-YD3000の価格
2023年6月1日発売の新モデル「ER-YD3000」の予約価格(4月時点)は、約10万円というところ。
今後、6月の発売に向けて、もう少し価格を切り下げていく可能性はありますが、いずれにせよ旧モデルよりも高額な状態がしばらく続くでしょう。
先述のとおり、機能面では自動メニューの追加調整やお手入れ機能の強化が見られますが、正直、大きな変更点はないので、個人的には価格重視で選ぶのが正解だと思っています。
新モデルが選択肢となるのは、もう少し先でしょうか。
ER-XD3000の価格
2022年7月1日発売の旧モデル「ER-XD3000」は、いま価格的におすすめのモデルです。
発売時価格は9万円前後でしたが、2023年4月時点では、安いもので5万円台に到達。
新モデルよりも圧倒的に安いことから、価格重視の場合には有力な選択肢となるでしょう。
【参考】ER-WD3000は選択肢となるか?
なお、さらに1年古い2021年モデル「ER-WD3000」も、まだまだ低価格を推移していますが、機能的には後継機種より劣るので(冷凍から焼き物・簡単調理・冷凍野菜の3メニュー非搭載など)、選択肢としては微妙です。
ただし、後継機種とはデザインも大きく異なるので、もし後継機種のデザインがしっくりこない場合、「ER-WD3000」が低価格のうちは、選択肢として検討するのも有りでしょう。
結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは旧モデル「ER-XD3000」です。
理由は、新旧の機能差が大きくないにも関わらず、旧モデルの方が価格が圧倒的に安くコスパが高いため。
やがて、新モデルの価格が下がってきて価格が並べば、わずかながらも機能的に優れえる新モデルの一択ですが、それまでの間は旧モデル推しです。
今のおすすめモデル
以上、東芝の過熱水蒸気オーブンレンジ「ER-YD3000」と「ER-XD3000」の違いを解説しました。