「ER-YD7000」と「ER-XD7000」は、両方とも東芝の過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム」の最上位モデル。
それぞれ発売された年の異なる新旧モデルの関係です。
- ER-YD7000:2023年6月発売
- ER-XD7000:2022年6月発売
さっそく結論ですが、新旧モデルの主な違いは次の6つです。
新旧の違い
- 石窯おまかせ焼きのグラタンコースの有無
- カラッとあたため機能の違い
- 分量フリー自動メニューの有無
- ゆで卵・半熟卵・温泉卵の自動メニューの有無
- お手入れコースの追加等
- レシピ数や自動メニュー数の違い
当記事では、上に挙げた6つの違いについて詳しく解説したうえで、現時点の各モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
ER-YD7000とER-XD7000の違い
「ER-YD7000」と「ER-XD7000」の6つの違いを表にまとめました。
ER-YD7000 (新モデル) | ER-XD7000 (旧モデル) | |
---|---|---|
石窯おまかせ焼き グラタンコース | あり | なし |
カラッとあたため | 3つ加熱方法 | 2つの加熱方法 |
分量フリー 自動メニュー | あり | なし |
ゆで卵・半熟卵・温泉卵 | 自動メニューあり | なし |
お手入れコース | ・庫内乾燥 ・手間なしお手入れ(3分/5分/10分) | 手間なしお手入れ(3分) |
搭載レシピ数 (自動メニュー数) | 507(487) | 510(490) |
石窯おまかせ焼きのグラタンコースの有無
「石窯おまかせ焼き」とは、東芝が最大の売りとしているフルオートのオーブン調理機能のこと。
オーブン機能は本格的な調理には欠かせませんが「参照レシピと分量が異なれば、何℃で何分焼けばいいか分からない」など、初心者にはハードルが高い面もあります。
その点「石窯おまかせ焼き」機能は、食材を並べてスタートボタンを押すだけで、分量や食材に合わせた温度と時間で自動的に加熱してくれるのが魅力です。
「石窯おまかせ焼き」を使用する際には、メイン食材(コース)を選ぶことになりますが、新モデル「ER-YD7000」では、グラタンコースが新搭載されたのがポイントです。
食材 (コース) | ER-YD7000 (新モデル) | ER-XD7000 (旧モデル) |
---|---|---|
グラタン | ○ | × |
牛肉 | ○ | ○ |
豚肉 | ○ | ○ |
鶏肉 | ○ | ○ |
魚 | ○ | ○ |
野菜 | ○ | ○ |
煮込み | ○ | ○ |
新モデルでは、好きな材料を好みの量で入れ、コースを選んでスタートするだけでグラタン・ドリア・ラザニアなどを簡単に調理することが可能。
グラタンなどを家庭で手間なく手作りしたい場合は、新モデルがおすすめです。
カラッとあたため機能の違い
「カラッとあたため」機能とは、スチームで食品表面を湿らしてオーブン加熱することで、表面をカラッと仕上げる機能のこと。
揚げ物などをあたため直した際も、作りたてのような食感になるのが魅力です。
旧モデルも「カラッとあたため」機能は搭載していますが、新モデル「ER-XD7000」では、スチームとオーブンに加えてグリルも使用するようになったのがポイント。
カラッとあたため 加熱方法 |
ER-YD7000 (新モデル) |
ER-XD7000 (旧モデル) |
---|---|---|
グリル | ○ | × |
オーブン | ○ | ○ |
スチーム | ○ | ○ |
分量フリー自動メニューの有無
新モデル「ER-YD7000」では、分量フリー自動メニューを新搭載しました。
「分量フリー自動メニュー」とは?
該当メニューを選ぶだけで分量に合わせて加熱を自動調節するメニューのこと。
例えば、ハンバーグを作るときに2人分でも、4人分でも加熱時間の設定を変更する必要はなく、メニューを選んでスタートするだけで、分量に合わせた適切な加熱を行います。
レンジやオーブン調理などは、分量が変わると何分加熱すればよいか分からなくなり、焦がしたり、生焼けだったり、調理失敗の原因ともなります。
先に紹介した「石窯おまかせ焼き」に似ていますが、「石窯おまかせ焼き」は味付けや食材を自分好みに決めて加熱を丸投げする「自動加熱機能」です。
一方「分量フリー自動メニュー」は、あくまでレシピ集に掲載された「メニュー」のひとつであり、レシピどおりに下準備をしますが、分量に関しては何人分でも勝手に加熱を調整してくれるというもの。
分量フリー自動メニュー
- ピーマンの肉詰め
- ハンバーグ
- 塩鮭
- 塩さば
- 鶏の照り焼き
- 茶碗蒸し
- 鶏のから揚げ
ゆで卵・半熟卵・温泉卵の自動メニューの有無
新モデル「ER-YD7000」の自動メニューには、新たに「ゆで卵・半熟卵・温泉卵」が追加されました。
ER-YD7000 (新モデル) |
ゆで卵・半熟卵・温泉卵の自動メニューあり |
---|---|
ER-XD7000 (旧モデル) |
なし |
ゆで卵などは、電子レンジ(マイクロ波)で加熱すると庫内で爆発するのが難点ですが、新モデルでは、スチームで庫内温度を精密にコントロールすることで加熱します。
レンジでゆで卵を作るための「ゆで卵調理器具」などが市販されていますが、あれもマイクロ波を遮断して、蒸気で加熱するので、原理的には同じですね。
自動メニューを選択するだけで、専用調理器具を使わずとも「ゆで卵・半熟卵・温泉卵」を簡単に作れるのが新モデルの魅力です。
お手入れコースの追加等
旧モデル「ER-XD7000」も、お手入れ機能は搭載していますが、新モデルではより強化されました。
(新)ER-YD7000 | ・庫内乾燥 ・手間なしお手入れ(3分/5分/10分) |
---|---|
(旧)ER-XD7000 | ・手間なしお手入れ(3分のみ) |
新モデル「ER-YD7000」のみに搭載される「庫内乾燥コース」とは、レンジ調理後の庫内の結露や、スチーム調理後のべたつきの軽減などに役立つ機能です。
また、従来から存在する「手間なしお手入れコース」は、スチームで汚れを浮かして落としやすくする機能ですが、新モデルでは3分/5分/10分から時間を選べるようになっており、汚れ度合いにより調整が可能です。
搭載レシピや自動メニューの変更
レンジのモデルチェンジにおいては、搭載メニューの変更はよくあることで、今回もメニュー数に若干の違いが出ています。
ER-YD7000 (新モデル) |
ER-XD7000 (旧モデル) |
|
---|---|---|
総レシピ数 | 507 | 510 |
自動メニュー数 | 487 | 490 |
新モデルでは、わずかにレシピ数などが減っていますが、正直、掲載レシピはほとんど同じなので、新旧比較においては過度に気にする必要はないでしょう。
総レシピ数とは付属の料理集に掲載されるレシピ数のこと。
レシピのなかには、細かな加熱設定が不要でボタン一つで加熱スタートするものがありますが、これが自動メニューです。
例えば、ハンバーグを作る場合、レシピに従って下ごしらえした後は「ハンバーグの自動メニュー」を選択するだけで、レシピに適した最適な加熱をしてくれます。
自動メニュー非対応のレシピの場合は、レシピに掲載されている加熱方法や加熱時間のとおりに手動で設定するひと手間があります。
新旧モデル共通の特徴
以上が、新旧モデルの違いとなりますが、両モデルに共通する主な特長もサクッと4つ紹介します。
- 石窯おまかせ焼き
→ 食材に合う温度・時間で勝手に調理。食材を並べるだけでOK - 350℃贅沢火力
→ 業界最高水準の火力。素早い加熱で旨味や水分を逃がさない - 狙って赤外線センサー
→ センサーが食材の位置と分量を検知、食品ごとに適した温度で温め - 「IoLIFE」アプリ連携
→ アプリを使って、電子レンジにレシピ送信、スマホから操作など
ER-YD7000とER-XD7000の価格を比較
ここまで「ER-YD7000」と「ER-XD7000」の主な違いを紹介してきました。
ここからは各モデルの現時点の価格を比べることで、コスト面も含めておすすめモデルを検証していきましょう。
ER-YD7000の価格
2023年6月1日発売の新モデル「ER-YD7000」の予約価格(2023年4月時点)は、18万円台の後半が多い印象です。
今後6月の発売に向けて、価格を切り下げていく可能性はありますが、発売後もしばらくは旧モデルより高額な状態が続くでしょう。
機能的には新モデルに魅力を感じる点も多いですが、価格差が大きすぎて手を出しづらいというのが正直なところ。
保証はありませんが、過去モデルを参考にすると、発売から3~4ヶ月もすれば大幅に価格を落とすことが多いので、2023年の秋頃が狙い目かもしれません。
ER-XD7000の価格
2022年6月発売の旧モデル「ER-XD7000」は、いま底値圏を推移するおすすめのモデルです。
当初の価格は新モデルと同等でしたが、発売後は順調に価格を下げて、2023年4月時点では、安いもので10万円前後となっています。
過去モデルを見ても、当シリーズの底値圏は10万円前後となることが多いので、タイミングとしては申し分ないでしょう。
先述のとおり、機能面では新モデルに劣りますが、価格重視の方にとっては有力な選択肢となります。
なお、より古いモデル「ER-WD7000」は、すでに価格が高騰(生産停止状態で安いものから売れるため安値切り上げ)しており選択肢として微妙なので、当記事の比較からは除外しています。
結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは旧モデル「ER-XD7000」です。
理由は、圧倒的に旧モデルが安いため。
新モデルの新機能に強く惹かれる場合は、機能と価格の天秤の話となってきますが、個人的には現状の価格差であれば旧モデル推しです。
現時点のおすすめモデル
以上、「ER-YD7000」と「ER-XD7000」の違いを解説しました。