F-YHTX120は、2020年4月にパナソニックから発売されたハイブリット方式の衣類乾燥除湿機です。
- 2つの除湿方式を持つハイブリッド型なので年中活躍
- 2kgの洗濯物なら約75分でパワフル速乾
- 幅約165cmもの広範囲の衣類を乾かせるワイド送風
- ナノイーXにより部屋干し臭を抑制
パナソニックのハイブリッド型は2005年発売開始以来、累計販売台数100万台を超える人気シリーズ。
「F-YHTX120」は、シリーズ2020年モデルのミドルクラスに該当します。
この記事では、そんな「F-YHTX120」の人気の理由を探るべく、使用体験に基づくレビューをお届けしますが、良かった点だけではなく、リアルな衣類乾燥時間の検証、デメリット、メンテナンスの手間などにも切り込みます。
なお、当モデルには、名前が似ているモデルが複数存在しますが、どれも同じか機能的に大差なしです。
詳細は比較記事にまとめているので良ければ参考にどうぞ。
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F-YHTX120の高評価な点
F-YHTX120は、上部のメニューを見れば分かる通り、衣類乾燥のほかにも多彩な運転モードを搭載しています。
運転モードは大きく分類すると、衣類乾燥、除湿、ケアの3種類に分かれますが、ケア運転にはさらに細かい3つのモードがあります。
クローゼット | ウォークインクローゼットなどで衣類のニオイや湿気を取るモード。湿度約40%以上のときは除湿。 |
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衣類 | 衣類の花粉対策やニオイ、湿気を取るモード。洗いにくい衣類のケアに便利。湿度約60%以上のときは除湿。 |
部屋 | ナノイー Xを部屋中に行き渡らせて、ニオイ、花粉、浮遊菌・ウイルスを抑制。湿度約70%以上のときは除湿。除湿し過ぎないので冬場も安心。 |
衣類乾燥以外にも用途があり、雨季以外にも活躍するのは魅力的。
本体前面には湿度メーターも搭載しており、湿度の目安がひと目でわかるのは便利です。
なお、同シリーズのコンパクトモデルである「F-YHTX90」には、湿度メーターのほか、衣類乾燥の乾き具合をお知らせする「ドライナビ」メーターがありません。
湿度の「見える化」という点では、「F-YHTX120」に優位性があり特徴とも言えるでしょう。
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ここからは「F-YHTX120」の大きな強みである「除湿方式」と「ナノイー技術」について解説します。
ハイブリッド方式で年中活躍
引用:パナソニック公式
除湿方式には主に次の2種類があります。
- コンプレッサー式
- デシカント式
- 室温上昇が少ない
- 電気代が安い
- 寒いと除湿力が低下
- サイズが大きく重い
- 部屋の温度が上がる
- 電気代が高い
- 気温による影響なし
- 軽量コンパクト
それぞれ、一長一短なのですが、季節や環境に合わせて最適な運転ができるのがハイブリッド型の魅力です。
コンプレッサー式は、ヒーターを使わないので電気代が安い代わりに、冬場は性能が落ちます。
デシカント式は、除湿力は気温に関わらず一定の性能を発揮しますが、ヒーターを使うので電気代が高く夏場には向きません。
F-YHTX120は、両方の除湿方式を持つハイブリッド型のため、環境に合わせて最適なフォーマンスを発揮できるところが高評価なポイントです。
ナノイーXを採用
パナソニックのイオン技術「ナノイー」にはランクがあります。
- ナノイー
- ナノイーX
ナノイーの正体は、OHラジカルですが、ナノイーXはナノイーの10倍の量のOHラジカルを含んでいます。
このOHラジカルが、ニオイ菌やアレル物質の働きを抑制するため、OHラジカルの量が多いナノイーXが採用されているのは嬉しいですね。
ここからは、衣類乾燥時間の検証やデメリットなどを紹介していくよ!
F-YHTX120の衣類乾燥時間を検証
F-YHTX120は、約2kgの洗濯物が約75分で乾くというのが売りですが、それは最適な条件でのパフォーマンス。
公式最速75分というのは、至近距離でずっと強風を当て続けたときの結果でしょうが、現実ではそうもいかない場合があります。
現実的な環境の中で、どれくらいの時間で乾くのかを検証してみました。
上下の広範囲で乾燥
約2kg(13枚)のタオルを衣類乾燥実験してみました。
約2kgという量は、公式の最速75分の条件と同じですが、検証するのは広範囲に干してみた場合にどれくらいのパフォーマンスを発揮するかという点。
ということで、上部と下部に分けてタオルを干してみました。
干す場所がなくて、上部と下部に分けて広範囲に干さざるを得ない状況も、現実的には起こりえます。
F-YHTX120の風向きは、上方向~下方向の範囲の中で自由に設定できますが、今回はスイング送風で衣類乾燥(速乾モード)を行いました。
下部のタオルへの送風の様子。
続いて上部のタオルへの送風の様子。スイング運転によりルーバーが上下に風を振ります。
完全に乾くまで、2時間30分というところでした。
75分からは乾燥時間が大きく伸びましたが、送風が上下に分散されている中で、思いのほか早くて驚きました。
普通に部屋干しをするだけでは、2時間30分では乾かないので、乾燥能力は十分と言えるでしょう。
ちなみに、この1回の衣類乾燥で、下の画像の青ラインのところまで水が溜まりました。
赤色のラインまで達すると、満水となり排水が必要となります。
洗濯物の量や湿度にもよりますが、衣類乾燥4~6回程度で満水というところでしょうか。
少し離れた衣類に集中送風
先ほどと違い、スイング送風はせずに強風を当て続けるのですが、F-YHTX120と洗濯物の距離が少し離れているという状況です。
我が家には、室内干し用のいい感じのポールがないので、普段からリアルにカーテンレールに干しています。
「ふわっと風が届く」という微妙な距離感で、約3kgの洗濯物の衣類乾燥を行ってみました。
全ての洗濯物が完全に乾くには、約3時間15分かかりました。
インナーなパジャマなど薄手のものは約2時間30分で乾いたのですが、厚手のスウェットの脇の下や衣類の上の方は少し湿っており、完全に乾くには3時間ちょっと要しました。
晴れの日の日中に外に干すのと同程度の時間で乾かすことができたので、上々の結果と言えるでしょう。
YHTX120のデメリット
衣類乾燥で優秀な結果を出したF-YHTX120ですが、デメリットが2つあります。
- 重い
- うるさい
F-YHTX120の重さは13.9kgです。
といっても裏面の四隅に車輪がついているので、致命的ではありませんが、それでも移動させるときには重さを感じます。
F-YHTX120は、衣類乾燥のほかにも、部屋やクローゼットのケアなどにも活躍するので、用途に応じて移動させることがあるのですが、少しずっしり感じます。
この点は、同シリーズのハイブリッド型衣類乾燥除湿機のコンパクトモデルである「F-YHTX90」に軍配が上がります。
2点目のデメリットは騒音です。
衣類乾燥「速乾モード」では、58.8デシベル。
衣類乾燥「音ひかえめモード」でも49.4デシベルでした。
50デシベル=静かな事務所と例えられます。
「静かな」と言っても事務所相当の騒音なので、静かな部屋の中では気になるレベルで、寝室での夜間の衣類乾燥は軽いストレスとなるでしょう。
違う部屋で衣類乾燥する分には全く音は気にならないので、夜間の衣類乾燥は寝室以外で行いましょう。
ワンルームに暮らしている場合は要注意。
なお、騒音に関しては、コンパクトモデル「F-YHTX90」も同様にうるさいので代替も厳しいです。
F-YHTX120のメンテナンス方法
F-YHTX120のメンテナンスは次の2点。
- フィルターの清掃
- 排水とタンク清掃
メンテナンスの手間に関しては、実はかなり簡単で楽です。
ますは1つめのメンテナンス箇所のフィルター。
本体背面が吸引口となっており、ほこりを捕集するフィルターがあります。
写真はフィルターを外した状態ですが、メンテナンスはこのフィルターを掃除機で吸い取るだけで、頻度は2周間に1回が目安です。
メンテナンスの2つめはタンクの排水と洗浄です。
本体右側面の下部にタンクセットが格納されているので、満水ランプが点灯したら引っ張りだして水を捨てます。
また、少なくとも1ヶ月に1回はタンクを水で洗います。
洗うと言っても、水で2~3回すすぐだけなので、メンテナンスとしては相当楽。
ぬめりが強いなど汚れが落ちにくいときは、台所用の中性洗剤を薄めて使用すると効果的です。
まとめ
F-YHTX120は、人気シリーズだけあって衣類乾燥機能は優秀で、多機能な面も高評価でした。
重さや騒音デメリットがあるものの、部屋の間取りがワンルームでない限り致命的なものではなく、メンテナンスの手間も少ないので、トータルで考えると優秀なモデルと言えるでしょう。
F-YHTX120は、中身は全く同じにも関わらず、販路の違い(家電量販店モデル)により名前だけが違うモデル「F-YC120HTX」が存在しますが、値段の安い方を選べばOKです。
価格は日々変動するので、チェックが必要ですが、家電量販店モデル「F-YC120HTX」の方が少しだけ安いことが多い印象です。
オリジナルモデル「F-YHTX120」
家電量販店モデル「F-YC120HTX」
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