「NE-UBS10A」と「NE-BS2700」は、両方ともパナソニックの最上位モデルのスチームオーブンレンジ。
「焼く・煮る・蒸す・揚げる」といった多彩な加熱をレンジで実現した機種で、これを選んでおけば間違いないといえるハイエンドモデル。
そんな両モデルは、発売された年の異なる新旧モデルの関係です。
- NE-UBS10A:2022年8月発売
- NE-BS2700:2020年6月発売
2021年に当シリーズの発売はなかったので、2年ぶりのモデルチェンジとなります。
型番名がガラッと変わっていますが、両モデルとも最上位モデルかつ機能もほぼ同じなので、新旧モデルの位置づけで問題ないでしょう。
さっそく結論ですが、両モデルの主な違いは次の4つ。
新旧の違い
- グリル調理時の電波効率
- エスニックメニュー
- 食器清潔コース
- 付属品
ほかにも細かな部分で「操作パネルの微妙な違い」「新モデルでは300g重くなった」などの違いもありますが、大差はないので割愛します。
当記事では、上に挙げた主な4つ違いについて詳しく解説したうえで、現時点の両モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
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NE-UBS10AとNE-BS2700の違い
はじめに書いたとおり「NE-UBS10A」と「NE-BS2700」の違いは4つありますが、新モデル「NE-UBS10A」では次のとおり変更となりました。
- グリル調理時の電波効率の改善
- エスニックメニューの追加
- 食器清潔コースの搭載
- 付属品のミトンがなくなった
グリル調理時の電波効率の改善
グリル調理は、通常はヒーターの強い熱で食材を焼くのですが、当シリーズはレンジ庫内上部の大火力ヒーターに加え、グリル皿の下部からもマイクロ波(レンジ)により加熱する仕組みです。
グリル皿の底にフェライトと呼ばれるマイクロ波を吸着する素材を配置することで、食材を裏返さなくても裏面も加熱。食材の両面をしっかり焼き上げるのが当シリーズの売りでもあります。
新モデル「NE-UBS10A」では、新設計のアンテナ制御により電波効率が旧モデルと比べて約1.6倍にアップしたことにより、これまで難しかった下段のグリル皿調理が可能となりました。
結局どうなる?
新モデル「NE-UBS10A」では、グリル皿を使って下段調理した際の加熱ムラが改善。
調理の幅が広がるとともに、解凍ムラが軽減される。
下段でグリル皿が使えるようになったことの具体的なメリットをひとつ挙げると、上段にグリル皿を設置するときと比べて、庫内スペースを広く使えるため、ボリュームのある食材でも調理しやすくなります。
エスニックメニューの追加
新モデル「NE-UBS10A」では、ワンボウルメニューのなかにエスニックメニューが追加されました。
ワンボウルメニューとは?
下ごしらえした材料を耐熱ガラス製ボウルに入れるだけで簡単調理できる自動メニュー。
「パスタ・カレー・シチュー・中華・フレンチ・やみつき野菜・かんたん煮物」などのワンボウルメニューがあるなかに、新たにエスニックメニューが増えました。
具体的には、次のようなアジアンメニューが追加されています。
- 鶏肉のバジル炒め(タイ風)
- 豚肉の煮込み(フィリピン風)
食器清潔コースを搭載
新モデル「NE-UBS10A」では、食器清潔コースが搭載されました。
NE-UBS10A(新) | 食器清潔コースあり |
---|---|
NE-BS2700(旧) | なし |
食器清潔コースとは、洗い終わった食器をヒーターとスチームで除菌するコースのこと。
グリル皿に食器を並べて、給水タンクに水を入れた後に、お手入れメニューの「食器清潔」ボタンを押すと35分程度で除菌が可能です。
あくまで、食器洗剤で落としきれない菌の除菌が目的であって、食洗器代わりにはならないので注意しましょう。
付属品のミトンがなくなった
両モデルは付属品が少し異なります。旧モデルにはミトンが2つ付いていますが、新モデルには付属がありません。
NE-UBS10A | NE-BS2700 | |
---|---|---|
グリル皿 | 1枚 | 1枚 |
角皿 | 2枚 | 2枚 |
取扱説明書 | ○ | ○ |
レシピブック | ○ | ○ |
ガイド | ○ | ○ |
ミトン | × | 2枚 |
説明不要かもしれませんが、ミトンとは親指だけが分離した「ふたまた手袋」で、火傷を防ぐ便利なアイテム。
うちは年季の入ったマリメッコのミトンを使ってます。
ミトンはすでに持っていることが多いと思うので、個人的にはなくても困らないかなと思っていますが、一応、旧モデルの方がミトンのぶん付属品が充実しているといえます。
NE-UBS10AとNE-BS2700の価格の違い
ここまで「NE-UBS10A」と「NE-BS2700」の機能の違いについて解説してきましたが、ここからは両モデルの現時点の価格差を比較していきます。
まずは、当シリーズの価格推移の傾向をサクッと確認しておきましょう。
- 発売時価格:16万円前後
- 底値圏:10~12万円
以上が過去のモデルを参考にした当シリーズの傾向です。
ただし、重要なポイントとして、最新モデル「NE-UBS10A」は、メーカー指定価格の対象商品となっています。
メーカー指定価格とは、パナソニックが近年取り入れている制度で、対象商品は販売店側で値引きができないため、値崩れしにくいのが特徴です。
パナソニック家電のなかでも上位機種が対象となることが多く、最新モデル「NE-UBS10A」も対象となっていることから、今後もあまり価格は下がらないと思われます。
NE-UBS10Aの価格
2022年8月発売の最新モデル「NE-UBS10A」の発売時価格は、シリーズの傾向どおり、16万円台のものが多い印象でした。
メーカー指定価格の影響により、2023年3月時点では、値段はあまり下がっておらず、安いもので15万円前後を推移することが多いです。
ここまで紹介してきた4つの違いを振り返ると、新モデルの方が全体的に機能が優れるものの、正直、そこまで極端な機能差はないと思っています。
なので、価格の安い旧モデルを推したいところですが、後述するとおり、旧モデルの在庫が減っているのが難点です。
NE-BS2700の価格
2020年6月発売の旧モデル「NE-BS2700」は、市場の在庫が少なくなってきた関係もあり、安値の値動きが荒い展開が続いています。
一時は、12~13万円台を推移しており、当記事でも推していましたが、新モデルが安くならないこともあり、旧モデルの安いものから売れた結果、最近は値段の安いものを見る機会も減ってきました。
もし、値段の安いものを発見できれば価格重視の方にはおすすめですが、現状では在庫の発見も困難になってきており、選択肢として微妙です。
NE-BS2700とNE-CBS2700の違いは?
「NE-BS2700」とよく似た型番で「NE-CBS2700」という機種が存在しますが、これは販路違いの中身が同じモデル。
パナソニック家電のあるあるですが、販売経路の違いにより次のように型番を変えています。
- NE-CBS2700:家電量販店で販売
- NE-BS2700:オリジナル(量販店以外で販売)
型番を分ける理由は「管理のため」「価格競争を避けるため」など、色々と言われていますが、要は中身が同じで名前が違うものという認識でOKです。
つまり、選ぶときは価格の安い方を選ぶのが正解。
量販店モデル「NE-CBS2700」の方が安いことも多いので、旧モデルが気になる場合は、必ず価格比較することをおすすめします。
結論|おすすめは?
結論としては、現時点のおすすめは新モデル「NE-UBS10A」。
メーカー指定価格制度により新モデルは安くなりにくいので、旧モデルを推したいところですが、旧モデルは低価格の在庫がないため、やむを得ず新モデル推しという消極的な理由です。
現時点のおすすめ
以上、パナソニックスチームオーブンレンジ「NE-UBS10A」と「NE-BS2700」の違いについて解説しました。