「NW-FB10」と「NW-FA10」は、象印の炊飯器の中でも最高グレードを誇り、炎のゆらぎを再現した加熱技術「炎舞炊き」を搭載したハイエンドシリーズです。
そんな両モデルは、同シリーズの中でも発売年の異なる新旧モデルの関係です。
- NW-FB10:2023年6月発売
- NW-FA10:2022年6月発売
両モデルの違いは、主に次の4点です。
新旧の違い
- 蒸気センサーの精度
- お気に入り登録機能
- 液晶2次元コード表示機能
- 雑穀米炊き分けコース
当記事では、上に挙げた4つの違いについて詳しく解説したうえで、現時点の両モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
なお、関連記事では、炎舞炊き搭載モデルを全て比較して違いを検証しているので、炎舞炊きモデルの全体像を俯瞰したい場合は併せてご覧ください。
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【炎舞炊き(えんぶだき)炊飯器の違い】型落ち含めて全モデル比較!今のおすすめは?
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「NW-FB10」と「NW-FA10」の違い
「NW-FB10」と「NW-FA10」の4つの違いを表にまとめました。
NW-FB10 (新モデル) | NW-FA10 (旧モデル) | |
---|---|---|
蒸気センサー精度 | 高い | 新モデルと比べると低い |
お気に入り登録 | あり | なし |
液晶2次元コード | 表示可能 | 不可 |
雑穀米 | 3食感のを選べる | 食感は選べない |
蒸気センサーの精度
蒸気センサーは新旧両モデルともに搭載されていますが、新モデル「NW-FB10」ではセンサーの精度が向上しました。
お米は大火力で炊き上げることで、ふっくら美味しく仕上がりますが、火力を上げ過ぎると噴きこぼれます。
噴きこぼれギリギリの温度まで加熱できるように、正確な温度検知を目的に多くのセンサーが搭載されていますが、今回、蒸気センサーの精度が向上したことで火力アップを実現しました。
ポイント
- 新モデルでは蒸気センサーの精度向上
- 結果、一部工程で火力が旧モデルより5%UP
- 甘味成分の一つである還元糖量も旧モデルと比べ3%UP
当シリーズは、象印炊飯器の最上位モデルだけあって、元より美味しくお米を炊く技術が詰め込まれていますが、新モデルではさらに炊飯性能が向上しているのがポイントです。
お気に入り登録機能
当シリーズは最上位モデルということもあり、非常に多くの炊飯モードを搭載しています。
お米の硬さ・粘り・炊飯スピードなど、様々な設定が可能で、個々の好みに合わせた調節ができるのが魅力ですが、いちいち選択する手間が少しあるのも事実です。
その点、新モデル「NW-FB10」では、よく炊飯するメニューをホーム画面に最大3つまで表示するよう登録可能となりました。
登録の例
- 普段用
→ かたさ標準・粘り標準 - お弁当用
→ お弁当コース - 時間がないとき
→ 白米特急コース
以上のように、よく使う炊き方をホーム画面表示させておくことで、ちょっとした時短になるのが新モデルの魅力です。
液晶2次元コード表示機能
当シリーズは最上位モデルゆえに非常に多機能です。
機能が豊富なことは素晴らしいのですが、シンプルなものと比べて使い方に迷うことも多くなります。
その点、新モデル「NW-FB10」では、次の4つの2次元コードを液晶に表示させることが可能で、利用者をサポートしてくれます。
- 取扱説明書
- 使い方動画
- お客様サポート
- オーナーサービス
使い方に迷ったときや、お手入れ方法を確認したいときに、いちいち説明書を出してくるのは面倒ですよね。
そんなときは、液晶に2次元コードを表示させて、それをスマホで読み取ることで、WEB上で操作方法などを確認できます。
私も当シリーズの昔のモデルを使ったことがありますが、よく説明書を引っ張り出していたので、スマホでサッと確認できるのは地味にありがたい機能だと思います。
雑穀米炊き分けコース
旧モデル「NW-FA10」も雑穀米コースは搭載していますが、新モデルではより細かな食感の炊き分けが可能となりました。
(新)NW-FB10 | ・しゃっきり ・ふつう ・もちもち |
---|---|
(旧)NW-FA10 | 食感の炊き分けはなし |
新旧モデル共通の特徴
以上が、新旧モデルの主な違いとなりますが、当シリーズの特徴を把握するためにも、各モデル共通の機能もサクッと紹介します。
- 121通りのわが家炊き(食感の感想を入力していくことで自分好みの食感に)
- 15通りの炊き分けセレクト(好みの食感に炊き分ける)
- 豪炎かまど釜を採用(鉄を仕込んだ熱伝導の高い特性釜)
- 内釜5年保証(通常使用で内釜のフッ素加工が剥がれた場合に無償交換)
- 熟成炊き(吸水時間を長くしてふっくら仕上げるモード)
- 極め保温(センサーによる温度管理で40時間美味しく保温)
- 人工知能AI炊飯(季節の変化や商品劣化をAIが補正し、常に購入時と同様の炊きあがりを実現)
- 蒸気セーブメニュー(蒸気を80%カット)
- 白米特急メニュー(1合を15分で炊ける)
- 白米急速メニュー(1合を30分で美味しく炊ける)
- 鉄器おこげメニュー(ちょうどいいおこげを簡単に作れる)
- お弁当メニュー(中パッパ工程で圧力をかけ水分を凝縮、冷めてもモチモチ)
- やわらかごはんメニュー(白米普通より柔らかく、おかゆより固く炊く)
- 玄米・雑穀米・麦ごはん・金芽米メニュー(専用メニューで最適に炊く)
- フラットパネル・フラットフレーム構造(汚れが拭きやすい)
- クリーニング機能(におい残りを抑える)
「NW-FB10」と「NW-FA10」の価格を比較
ここまで「NW-FB10」と「NW-FA10」の機能的な違いを中心にお届けしましたが、ここからは両モデルの価格を比べていきます。
まずは当シリーズの価格推移の傾向をサクッと確認しておきましょう。
- 発売時価格:12~13万円台
- 底値圏:5~6万円台
以上を踏まえて各モデルの価格をチェックします。
NW-FB10の価格
2023年6月21日発売の新モデル「NW-FB10」の発売時価格は14万円台と高額でしたが、発売後は急激に価格を落とし、2023年8月時点では10万円を切るものも出てきています。
旧モデルとの価格差は縮まっていますが、まだ旧モデルの方が安い状態です。
先述のとおり、新モデルの方が機能面では優れていますが、その差は劇的とは言い難く、現状の価格差であれば個人的には旧モデル推しでしょうか。
NW-FA10の価格
2022年6月発売の旧モデル「NW-FA10」は、いま価格的にはおすすめのモデルです。
2023年8月時点では、安いもので7~8万円台を推移しており、値頃感は相当強め。
先に紹介した、新旧の機能差のなかで「どうしても新モデルに惹かれる」というものがなければ、個人的には旧モデルがおすすめです。
【参考】NW-LB10は選択肢となるか?
さらに1年古い2021年モデル「NW-LB10 」も、まだまだ安いものを見かけますが選択肢としては微妙です。
理由は2つで、後継の2022年モデル「NW-FA10」と価格差がそれほどないことと、機能的にも後継機種より劣るため。
NW-FA10 (2022) | NW-LB10 (2021) | |
---|---|---|
ローテーションIH構造 | 縦・横・斜めへの対流 | 縦対流が主 |
タッチパネル | 〇 | × |
食感炊き分け | 15種類 | 7種類 |
冷凍ごはんメニュー | 〇 | × |
無洗米メニュー | 〇 | × |
設定可能タイマー数 | 4つ | 2つ |
上表のとおり機能面では後継の2022年モデルが圧倒的です。
ただし、機能面以外にも、デザイン・カラー・形状・持ち手の有無など、微妙に異なる点があるので、気になる方はチェックしてみてください。
個人的には、ボタンが少なくシンプルで、光沢が抑えられたマットな質感の2022年モデル「NW-FA10」の方が好みです。
結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは旧(2022年)モデル「NW-FA10」です。
理由は、機能差よりも価格差のインパクトが強いため。
旧モデルは機能面で劣るとはいえ、そこは象印のハイエンドモデルなので、性能は充分過ぎるほどです。
やがて、新モデルの価格が下がってきて、価格差がなくなれば新モデル一択ですが、それまでの間は旧モデル推しです。
現時点のおすすめモデル
以上、「NW-FB10」と「NW-FA10」の違いを解説しました。