「KI-PS50」「KI-NS50」「KI-LS50」、これらは全て「プラズマクラスター25000」を搭載したシャープの空気清浄機。
それぞれ、発売された年が異なる新旧モデルの関係です。
型番の違い
- KI-PS50(2021年12月発売)
- KI-NS50(2020年12月発売)
- KI-LS50(2019年10月発売)

さっそく結論の概要ですが、2021年モデル「KI-PS50」と2020年モデル「KI-NS50」の中身は全く同じ。型番だけが変わったモデルチェンジです。
一方、2019年モデル「KI-LS50」は、後継の2種と比べ、機能のみならずデザインも異なります。
進化(一部改悪)の歴史をまとめると次表のとおりです。
KI-LS50(2019) → KI-NS50(2020) |
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・デザイン変更 ・加湿力が向上 ・加湿時の静音性がアップ&風量ダウン ・「COCORO AIR」非対応に |
KI-NS50(2020) → KI-PS50(2021) |
変更点なし |
当記事の目的は、今おすすめのお得モデルを探ることですが、判断するには「機能差」と「価格差」を天秤にかけ、納得できるモデルを選ぶ必要があります。
そこで、この記事では各モデルの機能の違いを解説したうえで、価格の違いを比較し、コスパの高いモデルを検証していきます。
KI-PS50・KI-NS50・KI-LS50の違い
まずは3モデルの機能の違いを詳しく解説します。
はじめに書いたとおり違いがあるのは次の4つ。
- デザインの違い
- 加湿力の違い
- 加湿時の静音性・風量の違い
- 「COCORO AIR」対応状況の違い

デザインの違い
写真左側が2020年モデル以降の「KI-PS50・KI-NS50」で、右側が2019年モデル「KI-LS50」のデザインです。
新デザインでは、高さが12mm・奥行が32mm減少、その一方で、幅は39mm増加しました。

(2020年以降) KI-PS50 KI-NS50 | 幅38.4×奥行23=約883cm2 |
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(2019年モデル) KI-LS50 | 幅34.5×奥行26.2=約904cm2 |
設置面積に極端な違いはないものの、新デザインの方が省スペースとなりました。
また、シャープ空気清浄機は背面吸引が特徴で、背面スペース(壁から最低3cm)の確保が必要なことを考えると、薄い方が設置しやすそうと個人的には感じます。
デザイン変更に関しては、見た目の好みも大事ですが、スペースに限りがある場合は設置時のことも考慮しておくと不要な後悔を避けられます。

加湿力の違い
引用:シャープ公式
「KI-PS50・KI-NS50」と「KI-LS50」は加湿力に違いがあります。
2020年以降の新モデルでは、加湿フィルターを2重に通す仕組みを採用することで、加湿力が50mL/h向上しました。
(2020年以降) KI-PS50 KI-NS50 | 最大加湿量:600mL/h |
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(2019年モデル) KI-LS50 | 最大加湿量:550mL/h |
また、2020年以降の新モデルでは、加湿運転用に水を補給する「給水タンク容量」も200mL増えました。
(2020年以降) KI-PS50 KI-NS50 | 給水タンク容量:約2.7L |
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(2019年モデル) KI-LS50 | 給水タンク容量:約2.5L |

加湿時の静音性・風量の違い
2020年以降の新モデル「KI-PS50・KI-NS50」では、2019年モデル「KI-LS50」に比べて、加湿時の運転音が静かになりました。
ただし注意が必要で、運転音と空気清浄力は基本的にトレードオフの関係。
「静音性が高い=パワーが弱い」ということが少なくありません。

型番 | 空気清浄適用床面積(加湿時) | 空気清浄風量(加湿時) | 運転音(加湿時時) | 加湿量 |
---|---|---|---|---|
(2020以降) KI-PS50 KI-NS50 | ~16畳(26m²) | 強3.6m³/分、中2.8m³/分、静音1.0m³/分 | 強43dB、中40dB、静音19dB | 強600mL/h、中480mL/h、静音200mL/h |
(2019) KI-LS50 | ~22畳(36m²) | 強4.7m³/分、中2.7m³/分、静音1.2m³/分 | 強52dB、中45dB、静音24dB | 強550mL/h、中350mL/h、静音170mL/h |
2020年以降の新モデル「KI-PS50・KI-NS50」は、最大風量(パワー)が弱く、それに伴い適用床面積も小さくなっています。
静音性の高さは魅力ですが、同面積ならパワーが強い方が、より速く空気清浄&加湿が可能です。
一長一短であることを踏まえて、検討してみてください。
「COCORO AIR」対応状況の違い
2020年以降の新モデル「KI-PS50・KI-NS50」では、「COCORO AIR」が非対応になりました。
(2020年以降) KI-PS50 KI-NS50 | COCORO AIR:非対応 |
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(2019年モデル) KI-LS50 | COCORO AIR:対応 |
COCORO AIRとは?
空気清浄機をネットクラウド上のAIとリンク。学習する人工知能が、家庭ごとに間取りや環境、天気などを考慮し、最適な運転を提供するためのシステム。
スマホで情報確認や操作も可能。
要は、空気清浄に直接影響する訳ではないですが、あればちょっと便利になるという類の機能です。

型番 | 空気情報モニター | 消耗品状況 | スマホ操作 | みまもり | ペット登録 | ペット専用運転モード | AI加湿サポート | クラウド学習運転 | 生活パターン分析運転 | 位置情報連携運転 | スマートスピーカー |
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(2020以降) KI-PS50 KI-NS50 | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
(2019) KI-LS50 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
この中で、個人的に惹かれるのは「AI加湿サポート」機能。
「AI加湿サポート」とは、「室内外の環境・人がいるか」を自動判別し、最適な加湿を実現する機能で、不要時の加湿を弱めることで給水の手間を減らせます。


AI加湿サポートでは、「天気、季節、家の広さ、鉄筋・木造などの造り」といった要因からも加湿の強弱を自動判別します。
一般的な除湿センサーが湿度のみで、判別するのに対し「プラスαの要因でもう少し繊細に判別します」というイメージです。
KI-PS50・KI-NS50・KI-LS50のスペックを比較
既に紹介した部分も含まれますが、一応3モデルのスペックも比較しておきましょう。

型番 | プラズマクラスター適用床面積 | 空気清浄の適用床面積(加湿時) | 空気清浄風量(加湿時) | 運転音(加湿時) | 1時間あたりの電気代(加湿時) | 加湿量 | 加湿の適用床面積 | 本体カラー | サイズ | 重さ |
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(2020以降) KI-PS50 KI-NS50 | 約13畳 | ~23畳(~16畳) | 強5.1m³/分(3.6m³/分) 中2.8m³/分(2.8m³) 静音1.0m³/分(1.0m³) | 強51dB(43dB) 中40dB(40dB) 静音17dB(19dB) | 強1.4円(0.65円) 中0.38円(0.43円) 静音0.1円(0.12円) | 強600mL/h 中480mL/h 静音200mL/h | プレハブ洋室 ~17畳(27m²) 木造和室 ~10畳(17m²) | 白(W) グレー(H) | 幅384mm×奥行230mm×高さ619mm | 約7.9kg |
(2019) KI-LS50 | 約13畳 | ~23畳(22畳) | 強5.1m³/分(4.7m³) 中2.0m³/分(2.7m³) 静音0.8m³/分(1.2m³) | 強53dB(52dB) 中38dB(45dB) 静音15dB(24dB) | 強1.73円(1.43円) 中0.27円(0.62円) 静音0.08円(0.13円) | 強550mL/h 中350mL/h 静音170mL/h | プレハブ洋室 ~15畳(25m²) 木造和室 ~9畳(15m²) | 白(W) グレー(H) | 幅345mm×奥行262mm×高さ631mm | 約8.9kg |
「KI-PS50・KI-NS50」は完全にスペックが一致します。
なお、本体カラーは3モデルとも白かグレーの2色展開です。
補足|カラー記号の見方
型番の最後についているアルファベットが、本体カラーを表しています。
W=白、H=グレー
例えば「KI-NS50-H」の場合は、2020年モデルのグレーを表しています。
KI-PS50・KI-NS50・KI-LS50の価格を比較
ここまで機能的な違いを紹介してきましたが、最後に各モデルの価格を確認して、いまお買い得なモデルを検証していきます。
その前に、サクッと当シリーズの値動きの傾向をチェックしましょう。
- 発売時の初値:6万円前後
- 底値:2万円台の中盤
2017年以前の大底は2万円前後でしたが、コロナ禍以降は2万円台の中盤くらいが底値となることが多い印象です。
家電は発売後に徐々に値段を下げ、やがて最もお得な底値圏へと至ります。
「今どれくらい安くなっているのか」を意識しながら各モデルの価格をチェックしてみてくださいね。
KI-PS50の価格
2021年12月発売の「KI-PS50」は、発売時価格は約6万円前後とシリーズの傾向どおりのスタート。
その後、徐々に価格を下げ、2022年4月時点では安いもので4万円台を推移していますが、前年モデルの方がまだ価格が安いです。
次に紹介する前年モデル「KI-NS50」とは、名前が異なるだけで性能が同じことから、価格の安い方を選ぶのが正解。
ということで、しばらくは「KI-PS50」おすすめから外れることとなりそうです。

KI-NS50の価格
2020年12月発売の「KI-NS50」は、2021年9月には2万円台に突入しそうな勢いでしたが、10月以降は値上がりに転じて少し微妙になっていました。
しかし、2022年春以降、再度価格が落ちてきて、2万円台のものも少し見かけるようになってきました。
前年2019年モデルとの比較では、改良点・改悪点が混在し、機能的に単純なおすすめができないのが難しい部分。
また、2022年4月時点では価格帯も同程度なのも悩ましいところです。

KI-NS50 | ・サイズは薄い方がいい ・加湿力は高い方がいい ・加湿時は静音性重視 |
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KI-LS50 | ・加湿時はパワー重視 ・COCORO AIRに惹かれる |
あとはデザインの好みも大きいと思うので、気になるモデルの価格をチェックしてみてください。
なお、個人的にはデザインの好みと加湿力を重視して「KI-NS50」推しです。
KI-LS50の価格推移
2019年10月発売の「KI-LS50」は、2021年のうちは2万円台の底値圏を推移していましたが、2022年に入り少し値上がり傾向に。
先述のとおり、性能面で後継機種「KI-NS50」と比べると一長一短。価格比較では同程度となっています。
自分が何を重視するかを考えて、最適なモデルを選んでみてください。

以上、「KI-PS50・KI-NS50・KI-LS50」の違いをお届けしました。