アメリカで大ヒットを記録した韓国メーカーCOWAY(コーウェイ)の空気清浄機エアメガシリーズ。
この記事ではシリーズの中から「エアメガ300」について実機レビューを行います。
エアメガ300は「空気清浄」をシンプルに突き詰めた1台です。
加湿機能やイオン系技術は搭載しておらず、強力な風量と高性能な2枚のフィルターにより空気をきれいにします。
ざっとエアメガ300の特徴を挙げると次のとおり。
- 国内メーカー最上位モデルクラス以上の強力な風量
- 高性能なHEPAフィルターを2枚も搭載
- 風量のわりに静かな運転音
- ひと目で空気の汚れがわかるLEDリング
- シンプルなキュービック型の中にデザイン性を併せ持ちおしゃれで可愛い
以上のような特徴を持つエアメガ300ですが、その人気を探るべく、使ってみた感想や評価も交えつつレビューを行います。
デメリットやエアメガ400、Sモデルとの違いも解説するので、購入前の参考としてください。
エアメガ300の特徴
エアメガ300の内部構造はとってもシンプル。
サイドパネルを外すと内部にはプレフィルターとフィルターが格納されています。
本体の上部は吹出口となっており、ここに操作ボタンも全て集約されていて使いやすいです。
右側に電源ボタンと風量調整ボタンが配置されており、自動運転、おやすみモード、弱、中、強の5つからモードを選べます。
左側には切タイマーボタン(1・4・8時間)とLEDライトのON/OFFボタン、そしてフィルター清掃や交換のお知らせランプが設置されています。
操作ボタンが少ない点が高評価です。
風量が大きく空気清浄力が高い
エアメガ300の特徴は、風量の大きさにあり最大風量は9.7㎥/分を誇ります。
この数字は国内メーカーの最上位機種クラス以上に相当し、比較するとエアメガのスペックの高さがわかります。
各メーカーの 最上位機種と比較 | 最大風量 |
---|---|
COWAY エアメガ300 | 9.7㎥/分 |
シャープ KI-NP100 | 10㎥/分 |
パナソニック F-VXT90 | 8.7㎥/分 |
ダイキン MCZ70W | 7㎥/分 |
エアメガ300はシリーズの中でミドルクラスの性能ですが、国内メーカーの最上位モデルと同等以上のパワーを持っています。
そして凄いのは、国内メーカー最上位モデルは10万円以上するモデルが普通にある中で、エアメガ300の本体価格は4万円台というコスパの良さが魅力だと思います。
空気清浄機の仕組みは次の3ステップ。
- 汚れた空気を吸い込む
- フィルターで空気をろ過
- きれいにした空気を出す
風量が大きいほど空気の取り込み量も増え、より早く、より多くの空気をきれいにできます。
高性能なHEPAフィルターを2枚採用
エアメガ300は、高性能な「MAX2 Greenフィルター」を本体両サイドに2枚搭載している点が特徴的です。
「MAX2 Greenフィルター」とは「抗菌GreenHEPAフィルター」と「活性炭脱臭フィルター」が一体となったもの。
緑色の面は「抗菌GreenHEPAフィルター」、裏側の蜂の巣のような黒色の面は「活性炭脱臭フィルター」です。
0.3μmの微小な粒子を99.97%以上除去するHEPA基準をクリアする高性能フィルターが微細粒子を強力にキャッチします。
国内メーカーの上位機種の多くもHEPAフィルターを搭載していますが、2枚搭載は珍しいです。
フィルターを降るとシャカシャカと活性炭の粒がぶつかり合う音がして、活性炭がふんだんに使われている様子がわかります。
風量のわりに運転音が静か
エアメガの最大出力時の運転音50デシベル。
静かといっても、正直なところそれなりにはうるさいです。
参考
- 40デシベル:図書館
- 50デシベル:静かな事務所
- 60デシベル:普通の会話、
50デシベルは、エアコンの室外機や静かな事務所くらいの騒音と例えられます。
ぼんやり想像できると思いますが、近くで全力運転していると、テレビの音量を少し上げようかなと思うくらいにはうるさいです。
風量が大きい高性能な空気清浄機は、どれも全力運転時にうるさいのは共通ですが、エアメガの優れる点は、風量のわりに運転音が静かな点です。
一般的に風量が大きくなるほど、運転音も大きくなりますが、国内メーカーの最上位機種と比較をするとエアメガ300の静音性の高さがわかります。
各メーカー最上位機種と比較 | 全力時の運転音 |
---|---|
COWAY エアメガ300 | 50デシベル |
シャープ KI-NP100 | 54デシベル |
パナソニック F-VXT90 | 55デシベル |
ダイキン MCZ70W | 54デシベル |
ひと目で空気の汚れがわかるLEDリング
フロントパネルのLEDリングの色を見れば、空気の汚れ具合が一目でわかる点も良かったです。
青色なら空気がキレイなので低速運転、センサーが汚れを感知すれば赤色になって高速運転、というように自動で最適な運転に切り替えてくれます。
メンテナンスは手間いらず
空気清浄機はメンテナンスがめんどくさい家電ですが、エアメガ300は加湿タンクもなく、フィルターも交換が前提なので、メンテナンスの手間は少ない方です。
定期的に手入れが必要なパーツは3つあります。
- プレフィルター
- ホコリセンサー
- 吹出口
プレフィルターお手入れランプが赤く点灯したら清掃サインです。
最大風量で毎日8時間運転すると2周間で点灯するそうですが、自動運転で24時間稼働させると約1ヶ月というところでした。
サイドカバーを外して、プレフィルターを取り出し掃除機で吸い取るだけの簡単メンテ、水洗いもOKです。
ついでに数ヶ月に1回くらいの頻度でサイドカバーのホコリを掃除機で吸い取ります。
ホコリセンサーは、フロントパネルを外したところに設置されています。
レンズの部分を綿棒でサッと拭き取る程度で簡単ですが、約2ヶ月に1回くらい清掃することが推奨されています。
最後に吹出口、そんなに汚れませんが、よ~く見るとうっすらホコリが溜まっていることがあります。
気になる場合はサッと拭き取りましょう。
エアメガ300の評価
以上のような特徴を持つエアメガ300ですが、使ってみた個人的評価としては上々です。
エアメガ300を一言で表現するなら「シンプルで良いもの」でしょうか。
加湿やイオン系技術など余分なものを搭載せず、空気清浄にだけ特化する性能面のシンプルさも世界基準的です。
そして機能の少なさが操作性のシンプルさにも繋がり、直感的に使える点が高評価でした。
多機能が悪とは思いませんが、例えば加湿タンクがあればメンテナンスの手間が増えたり、カビなどの不衛生に繋がりやすいのも事実。
AI機能なども使いこなせているかと問われると微妙な方が多いのではないでしょうか。
見た目に関しては、シンプルな中にもデザイン性があるため好みが分かれるようです。
個人的には有りなのですが、私の周りでは前面のドットデザインは「ない方がよい派」と「ある方がよい派」に分かれました。
いずれにせよ、国内メーカーにはあまりないデザイン性を持つ空気清浄機なので、おしゃれなデザインで探している方にとっては選択肢となるのではないでしょうか。
おしゃれで高性能な空気清浄機のまとめ記事でも紹介しています。
-
【おしゃれなだけじゃない!】デザイン性のある高性能な空気清浄機7選
続きを見る
そのほか、ホコリセンサー感度を自分で調整できる点も地味に嬉しかったポイント。
性能に対するコスパも抜群で、国内トップクラスと同等の風量を持ちながら、4万円台という価格を実現している点も魅力的です。
エアメガ300のデメリット
性能の高さには大満足なエアメガ300ですが、どんな商品にもデメリットは存在するもの。
ここでは、私が感じたデメリットを2点紹介します。
ランニングコストがかかる
フィルター交換目安は年に1回が目安とされているので、ランニングコストがかかる点が1つ目のデメリット。
ただし、世界的に見ればフィルターの定期交換はむしろスタンダードで、空気清浄の心臓部であるフィルターを常にキレイな状態に保つには定期交換しかありません。
日本電機工業会規格では、フィルターの寿命(交換の目安)は、空気を清浄する時間が初期の2倍以上、ニオイの除去率が半分と定義されています。
国内メーカーはこの規格に基づき、フィルター10年交換不要としていることが多いですが、もちろん使用頻度に応じてフィルターは汚れるので、空気にこだわるなら本来は定期交換がベストなんです。
エアメガは性能が半減するまで使用することを推奨しておらず、交換時期については運転状況から自動算出して、お知らせランプで教えてくれます。
以上の話があるので、フィルター交換の頻度をデメリットと捉えるかは考え方次第ですが、ランニングコストがかかることに違いはありません。
なお、フィルターの値段は2枚セットで1万円ちょっと。
国内メーカーと方向性が違うため、コスト重視ならデメリットとなります。
ペットが上に登る
エアメガ300/400/600に共通して言えますが、形状がキュービック型で上部がフラットなので、我が家の場合は猫が上に登ろうとして困りました。
強運転のときは、風量がパワフルでさすがに猫も登らないのですが、風量が弱いときは涼しげに空気清浄機の上でまったりしていたことも。
継続して注意してると、人がいるときは登らなくなりましたが、不在の際には怪しいものです。
上部がちょうど吹出口となっているため、ペットの毛が内部に落ち込まないかちょっと心配な点がデメリットの2つ目でした。
エアメガシリーズ他機種との違い
エアメガシリーズの中には見た目や名前が似ている空気清浄機がいくつかあります。
ここでは次の2点について解説します。
- Sシリーズとの違い
- 400シリーズとの違い
エアメガ300Sとの違い
「エアメガ300」と「エアメガ300S」との違いは1点のみで、Wi-Fi(無線LAN)対応モデルか否か。
Sシリーズでは、Wi-Fiを使って空気清浄機を専用アプリ「IoCare」に連携させることが可能です。
アプリでできること
- 空気状態のモニタリング
- 空気分析レポートの閲覧
- 遠隔操作
- 予約運転
- フィルター交換管理
そのほか、Amazon Alexaと連携して使用することも可能です。
エアメガ400との違い
エアメガ400は性能が高い上位機種で、デザインは同じですがサイズ感が一回り大きく、空気清浄力も高いです。
フィルター交換寿命が5段階表示で分かりやすくなったり、明るさ検知機能を搭載し「おやすみモード」を自動選択できる点など使い勝手も向上しています。
モデル | 清浄時間 | 適用床面積の目安 | 最大風量 | 運転音(最大風量時) | フィルター | お手入れランプ | スマート運転 | Wi-Fi | 本体サイズ | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エアメガ300 | 8畳を8分 | 38畳(63㎡) | 9.7㎥/分 | 50デシベル | プレフィルター MAX2 Greenフィルター | 交換時に点灯 | おまかせ エコ おやすみ(手動) | Sシリーズのみ対応 | 幅34.5cm×高さ53.8cm×奥行34.5cm | 9.7kg |
エアメガ400 | 8畳を6分 | 48畳(79㎡) | 12.1㎥/分 | 51デシベル | プレフィルター MAX2 Greenフィルター | 5段階表示 | おまかせ エコ おやすみ(自動と手動) | Sシリーズのみ対応 | 幅37.6cm×高さ58cm×奥行37.6cm | 11.2kg |
まとめ
以上、エアメガ300のレビューをお届けしました。
まとめ
- シンプルな機能で高スペック、特に風量が大きく空気清浄力に優れる
- 余分な機能がないのでメンテナンスも簡単
- スペックに対し本体価格のコスパがよい
- ただしランニングコストには要注意
- デザイン性のあるキュービックフォルムがおしゃれ
- 上位モデルもおすすめ