「AX-XA30」と「AX-XA20」は、両方ともシャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」の最上位モデル。
過熱水蒸気でのヘルシー調理が特徴のモデルですが、そんな両モデルは発売された年の異なる新旧モデルの関係です。
- AX-XA30:2022年9月発売
- AX-XA20:2021年6月発売
さっそく結論ですが、新モデルで変更があったのは主に次の5点です。
新旧の違い
- 「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」機能を搭載
- 「食べごろ解凍」機能を搭載
- 掲載メニュー(自動メニュー)の変更
- デザインの変更
- カラー展開の変更
当記事では、上に挙げた5つの違いについて詳しく解説したうえで、現時点の両モデルの価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどっちなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
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AX-XA30とAX-XA20の違い
はじめに書いたとおり「AX-XA30」と「AX-XA20」の違いは次の5つです。
AX-XA30 (新モデル) | AX-XA20 (旧モデル) | |
---|---|---|
ヘルシオあたため (おいしさ復元) | 〇 | △ |
食べごろ解凍 | 〇 | × |
掲載メニュー数 (自動メニュー数) | 256(260) | 333(373) |
デザイン | 金属面多め | ガラス面多め |
カラー | ・レッド ・ブラウン ・シルバー | ・レッド ・ホワイト |
ヘルシオあたため(おいしさ復元)機能
新モデル「AX-XA30」では、「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」機能が搭載されました。
(新)AX-XA30 | ヘルシオあたため搭載 |
---|---|
(旧)AX-XA20 | 非搭載 |
「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」機能とは、過熱水蒸気などを用いて、冷めたおかずや総菜などを作りたてのようなおいしさに復元する機能。
次の4メニューから構成され「揚げもの・焼きもの・蒸しもの・パン」を作りたてのようにあたためることが可能です。
- 揚げたてサックリ
- 焼きたてふっくら
- 蒸したてしっとり
- 焼きたてパンふんわり
機能の活用例
- 冷めてベタっとした天ぷら
- 市販の焼き魚や冷めた焼き料理
- 冷めてパサついた中華まん
- 冷凍食パンや市販のパン
- テイクアウトしたファーストフード
上記のような食品に対して、時間経過による食感や味の劣化を感じたことがある方は多いと思います。
総菜をよく買う場合や、家族の帰宅時間がバラバラで料理をあたため直すことが多い家庭には新モデルはおすすめです。
ただし、旧モデルにも一部似たようなあたため機能があります。
AX-XA30 (新モデル) | AX-XA20 (旧モデル) | |
---|---|---|
揚げもの | 揚げたてサックリ | サックリあたため |
焼きもの | 焼きたてふっくら | ‐ |
蒸しもの | 蒸したてしっとり | しっとりあたため |
パン | 焼きたてパンふんわり(ロールパン・フランスパン・クロワッサン・生食パン) | パンあたため(ロールパン・フランスパン・クロワッサン) |
上表のとおり、名称が微妙に異なりますが、旧モデルにも過熱水蒸気やスチームを使ってあたためる機能があります。
新モデルでは機能が強化され「ヘルシオあたため」という新機能へと昇華されているのがポイント。
また、新モデルでは本体初期画面のメニューのなかに「ヘルシオあたため」キーが設置されており、気軽に使用できるのも魅力です。
食べごろ解凍機能
新モデル「AX-XA30」では、「食べごろ解凍」機能が新搭載されました。
(新)AX-XA30 | 食べごろ解凍搭載 |
---|---|
(旧)AX-XA20 | 非搭載 |
「食べごろ解凍」機能とは、庫内に充満させた水蒸気を循環させて効果的に食品に熱を与えて解凍する機能のこと。
従来、電子レンジで上手に解凍できない食品は、常温・冷蔵・流水などで解凍する必要があり、解凍に時間がかかるのが難点でした。
その点「食べごろ解凍」機能は、食材に合わせて庫内を最適な温度に自動で制御するので、簡単に素早く解凍できるのが魅力。
例えば、冷凍ローストビーフを冷蔵解凍すると半日ほど要しますが、「食べごろ解凍」であれば約30分で自然な解凍が可能です。
食材に合わせた繊細な加熱を必要とすることから、当機能の対応メニューは無線LAN経由で専用サービスCOCORO KITCHEN(ページ内で「食べごろ解凍」で検索)上からダウンロードする仕組みとなっています。
対応メニューの一例
- ローストビーフ
- ロールケーキ
- カットショートケーキ
- かつおのたたき
- 鴨肉のロースト
- クリームパン
メニューは今後増えていくのでしょうが、全ての冷凍食品に対して「食べごろ解凍」が使えるわけではないので要注意。
上記のような冷凍食品を食べる機会が多い場合には新モデルがおすすめです。
掲載メニュー(自動メニュー)
新旧モデルを比較すると掲載メニュー数や自動メニュー数に差異があります。
AX-XA30 (新モデル) | AX-XA20 (旧モデル) | |
---|---|---|
掲載メニュー | 256 | 333 |
自動メニュー | 260 | 373 |
レンジのモデルチェンジにおいて、メニューの見直しはよくあることですが、新モデルでは大幅に数が減っています。
レンジ調理の豊富さを重視する場合は、旧モデルの方が適しているでしょう。
- 掲載メニュー
→ メニュー集に掲載されるメニューで、アレンジメニュー等を除いたもの。 - 自動メニュー
→ 専用の加熱プログラムが搭載されており、メニュー名を選択するだけで設定不要なメニュー。
自動メニュー数は、あたためや解凍などの基本メニューのほか、アレンジメニューなども含む関係で掲載メニュー数よりも多いことがあります。
デザイン
新モデル「AX-XA30」では、デザインに大きな見直しが入り、特にフロントの印象がかなり変わりました。
左側が新モデル「AX-XA30」、右側が旧モデル「AX-XA20」の外観です。
新モデルでは、ガラス面の面積が減り、金属面の面積が増えたことでスタイリッシュな印象となりました。
ガラッと印象が変わったので、新旧比較の際にはデザインの好みも大きなポイントとなりそうです。
カラー展開
新旧モデルではカラー展開が次のとおり異なります。
(新)AX-XA30 | ・バイブレーションレッド ・バイブレーションブラウン ・バイブレーションシルバー |
---|---|
(旧)AX-XA20 | ・レッド ・ホワイト |
なお、新モデルの「バイブレーション」は、バイブレーション仕上げを施したアルミニウム素材を採用することに由来します。
バイブレーション仕上げとは?
わざと研磨模様を表面に残す仕上げで、傷が目立ちにくい。
まずは、新モデル「AX-XA30」のカラー3色です。
続いて、旧モデル「AX-XA20」のカラー2色。
新旧モデル共通の特徴
以上が、新旧モデルの主な違いとなりますが、当シリーズの特徴を把握するためにも、両モデル共通の機能もサクッと紹介します。
- 過熱水蒸気でヘルシー調理(脱油・減塩・栄養素保護の効果)
- トリプルセンサー(64眼赤外線ムーブセンサー・温度センサー・絶対湿度センサー搭載)
- まかせて調理(温度や分量を気にしなくてもセンサー検知で加熱時間などを自動設定)
- 2段調理(上段で主菜、下段で副菜などを同時調理)
- らくチン1品(分量設定不要で簡単に作れるメニューを多数搭載)
- 2品同時あたため(レンジ機能でごはんとおかずを同時あたため)
- 好みの温度あたため(-10度(アイス用)と20~90度まで仕上がり温度を調節)
- 離乳食・キッズメニュー(ベビーフード温めや離乳食用野菜レシピ有)
- 無線LAN対応(購入後もメニューが増やせる)
- 庫内クリーン機能(スチームで汚れを浮かせて楽々メンテ)
- 除菌機能(食器・哺乳瓶・キッチン用品の除菌が可能)
- 庫内乾燥機能(蒸し料理の後の水分を乾燥)
なお、主なスペックはオーブン温度調節範囲と重量を除いて同じです。
モデル | 容量 | オーブン温度調節範囲 | レンジ出力 | 外形寸法 | 質量 |
---|---|---|---|---|---|
AX-XA30 (新モデル) | 30L(2段調理) | 65~250・300℃ | 1,000W・600W・500W・200W | 幅490×奥行430× 高さ420mm | 約23kg |
AX-XA20 (旧モデル) | 同上 | 100~250・300℃ | 同上 | 同上 | 約25kg |
AX-XA30とAX-XA20の価格を比較
ここまで「AX-XA30」と「AX-XA20」の主な違いを紹介してきました。
ここからは両モデルの現時点の価格を比べることで、コスト面も含めておすすめモデルを検証していきましょう。
AX-XA30の価格
2022年9月発売の新モデル「AX-XA30」の発売時価格は、約20万円と非常に高額でした。
発売後はグッと価格を落とし、2023年3月時点では、安いもので13万円台を推移。
ただし、旧モデルと比べると、まだまだ高額な状態です。
機能的に旧モデルより優れている点も多いですが、圧倒的という印象もないので、個人的には当面は価格重視で選ぶのが正解と思っています。
AX-XA20の価格
2021年6月発売の旧モデル「AX-XA20」は、価格的に今おすすめのモデル。
発売時は新モデルと似たような価格帯でしたが、2023年3月時点では、安いもので10万円台となっています。
過熱水蒸気によるヘルシー調理や高性能センサーによるおまかせ調理など、レンジとしての基本性能に新旧で違いがないことも旧モデル推しの理由です。
結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは旧モデル「AX-XA20」です。
理由は、先述のとおり機能差よりも価格差のインパクトの方が大きいため。
やがて、新モデルの価格が安くなり、価格差が縮まってくると検討の余地が生まれますが、それまでは価格重視で選ぶのがおすすめです。
現時点のおすすめモデル
以上、「AX-XA30」と「AX-XA20」の違いを解説しました。