「F-VXV90・F-VXU90・F-VXT90」は、パナソニック空気清浄機の最上位モデルで、業界でもトップクラスの清浄力を誇るハイパワータイプ。
そんな各モデルは、発売された年の異なる新旧モデルの関係です。
- F-VXV90:2022年11月発売
- F-VXU90:2021年9月発売
- F-VXT90:2020年11月発売
さっそく結論ですが、当シリーズの進化の歴史をまとめると次表のようになります。
F-VXT90(2020) → F-VXU90(2021) |
---|
・ナノイーの濃度UP |
F-VXU90(2021) → F-VXV90(2022) |
・お急ぎ加湿モードの搭載 ・木目調デザインをよりリアルに |
当記事では、上記の各モデルの違いについて、次の2つのパートに分けて解説します。
- F-VXV90とF-VXU90の違い
- F-VXU90とF-VXT90の違い
また、機能的な違いの解説のみに留まらず、各モデルの現時点の価格も比較。
機能差と価格差の2つの視点で、今おすすめのモデルがどれなのか、家電アドバイザー有資格者の目線で比較検討します。
F-VXV90とF-VXU90の違い
2022年発売の最新モデル「F-VXV90」では、はじめに書いたとおり2つあります。
F-VXV90 (2022) | F-VXU90 (2021) | |
---|---|---|
お急ぎ 加湿モード | あり | なし |
デザイン | 木目調をよりリアルに | ‐ |
お急ぎ加湿モード
最新モデルで新搭載された「お急ぎ加湿モード」とは、名前のとおり、通常より早い時間で快適な湿度にするためのハイパワーモードのこと。
「強」運転時と比べて、快適な湿度に到達する時間が約17%短縮されました。
モード | 快適な湿度に 到達する時間 | 運転音 |
---|---|---|
お急ぎ加湿 | 約60分 | 55dB |
強運転 | 約72分 | 53dB |
当モデルの加湿方式は「気化式」で、吸い込んだ空気を加湿フィルターに通すことで、湿度の高い空気を送り出すというもの。
「お急ぎ加湿モード」では、風量を上げて、湿度の高い空気を送り出す量を増やすことで、部屋の湿度を早く上げる仕組みです。
要は、強運転よりも更に強いパワーで運転するターボモードのようなもので、加湿力が高まる半面、わずかに運転音も大きくなります。
木目調デザインがよりリアルな質感に
パナソニック空気清浄機の特徴のひとつが、珍しい木目調デザインを一部モデルで採用していることですが、当シリーズも木目調デザインを採用するモデルのひとつ。
外観カラー | |
---|---|
F-VXV90 (2022) |
・木目調 ・ホワイト |
F-VXU90 (2021) |
・木目調 ・ホワイト |
両モデルとも「木目調」「ホワイト」を採用する点は同じですが、最新モデルではよりリアルな木目の質感を再現し、インテリアとの自然な調和を目指しています。
引用:パナソニック公式
F-VXU90とF-VXT90の違い
続いて、2021年モデル「F-VXU90」と2020年モデル「F-VXT90」の違いについて。
結論としては、「OHラジカルの生成量に5倍差がある」というのが新旧の違いです。
要はナノイー技術のレベルに違いがあるのですが、まずはナノイーにはどんな種類があって何者なのか確認しましょう。
2020年までは3種類に区分されていたナノイーのグレードが、2021年からは4種類となりました。
OHラジカル 生成数/秒 | ~2020年の グレード名 | 2021年~の グレード名 |
---|---|---|
4,800億個 | ナノイー | ナノイー |
4.8兆個 | ナノイーX | ナノイーX 4.8兆 |
9.6兆個 | 高濃度の ナノイーX | ナノイーX 9.6兆 |
48兆個 | なし | ナノイーX 48兆 |
ナノイーとはOHラジカルを発生させる技術で、1秒間に何個作れるかでグレードが分かれます。
2021年からは、上位の名称は「ナノイーX」に統一され、OHラジカル数を併記する形になるとともに、48兆個の最上位グレードが新設されました。
引用:パナソニック公式
続いて、ここ数年の当シリーズとナノイー進化の関係を表にまとめました。
F-VXS90 (2019年モデル) | ナノイーX(4.8兆) |
---|---|
F-VXT90 (2020年モデル) | ナノイーX(9.6兆) |
F-VXU90 (2021年モデル) | ナノイーX(48兆) |
F-VXV90 (2022年モデル) | ナノイーX(48兆) |
ご覧のとおり、ここ数年ナノイーは進化を遂げてきており、2021年モデル以降には「ナノイーX48兆」が搭載されています。
OHラジカルは酸化力がとても強く、接触したものから水素原子(H)を奪って、水(H2O)になる活性酸素分子です。
花粉などのアレル物質表面から水素を奪って不活性化させることから、多くの空気清浄機に採用されています。
他メーカーのイオン系技術も基本的に同じで、OHラジカルを生成してアレル物質等を抑制します。
まとめると、新モデルではナノイー技術が進化して、旧モデルに比べて5倍の量のOHラジカルを作れるようになり、花粉などのアレル物質の抑制力がさらに高まったということ。
F-VXV90・F-VXU90・F-VXT90の価格を比較
以上が新旧モデルの違いですが、新旧比較では機能差と価格差を天秤にかけることが重要です。
ということで、各モデルの価格を確認していくのですが、まずは、当シリーズの価格推移の傾向を参考に見ておきましょう。
- 発売時価格:9~10万円台
- 底値:4~5万円台
年式により若干の誤差はありますが、上記が当シリーズの過去モデルから考察する価格推移の目安です。
ただし、重要な注意点として、最新モデル「F-VXV90」は、メーカー指定価格の対象商品となっています。
メーカー指定価格とは、パナソニックが近年取り入れている制度で、対象商品は販売店側で値引きができないため、値崩れしにくいのが特徴です。
パナソニック家電のなかでも上位機種が対象となることが多く、最新モデル「F-VXV90」も対象となっていることから、今後もあまり価格は下がらないと思われます。
F-VXV90の価格
2022年11月発売の最新モデル「F-VXV90」の、発売時価格は13万円弱のものが多く、従来よりも少し高額なスタートの印象です。
メーカー指定価格の影響で、2023年3月時点では11万円台と、ほとんど安くなっていません。
今後も旧モデルより高額な状態が続くことが予想されるので、新搭載の「お急ぎ加湿モード」などに魅力を感じる場合を除き、選択肢としては微妙です。
F-VXU90の価格
2021年9月21日に発売の「F-VXU90」は、2023年3月時点では7万円台を推移するものが多いです。
底値圏へはあと一歩ですが、発売時は10万円前後であったことを踏まえると値頃感は強め。
旧モデルと比べて、ナノイーが進化した利点はありますが、旧モデルよりはまだ少し高額なことが多いです。
ナノイーにこだわる場合は、選択肢となる価格帯に入ってきました。
F-VXT90の価格
2020年モデル「F-VXT90」は、価格的には今一番安いモデル。
2023年に入り、ほんの少し価格が上昇気味ですが、それでも安いものは6万円前後を推移しています。
底値圏は抜けた印象がありますが、まだまだ安い水準です。
先述のとおり、ナノイーの性能的には新モデルに劣るものの、フィルターや風力関係などの空気清浄機の本質的には差異がありません。
市場の在庫は減ってきていますが、まだ安いものを見かけるので、価格重視の方にとっては狙い目です。
ちなみに「スペックが落ちてもいいから価格を抑えたい」という場合は、ワンランク下の「F-VX70シリーズ」が高コスパでおすすめです。
ワンランク下と言ってもハイクラスに変わりなく、清浄力(風量)的にはダイキン空気清浄機の最上位クラスと同等の性能です。
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結論|今のおすすめは?
結論としては、今のおすすめは2020年モデル「F-VXT90」です。
理由は、価格が一番安いため。
ナノイーのグレードについては後継機種に劣りますが、空気清浄機の本質はあくまでフィルターによる除去であり、その点の変更がないことも理由のひとつ。
ただし、後継モデルもかなり安い水準となってきたので、ナノイーにこだわりたい場合は2021年モデルも充分に選択肢となる価格差です。
現時点のおすすめモデル
ナノイーを重視するなら
以上、パナソニック空気清浄機の最上位モデル「F-VXV90・F-VXU90・F-VXT90」の違いを解説しました。