炎舞炊きとは、炎のゆらぎを再現した加熱制御による「ごはんの炊き方」のことで、象印炊飯器の上位モデルに搭載された炊飯技術。
炎舞炊きができる炊飯器は、現行モデルでは3シリーズだけですが、型落ちまで含めるとそれなりの数になってきます。
炎舞炊き 3シリーズ | 2023年モデル | 2022年モデル | 2021年モデル | 2020年モデル | 2019年モデル | 底IHヒーター数 | 炊飯容量 | わが家炊きパターン |
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最高峰 シリーズ | NW-FB10 | NW-FA10 | NW-LB10 | NW-LA10 | NW-KB10 | 6つ(2019年モデルは3つ) | 5.5合 | 121通り炊き分け |
ハイコスパ シリーズ | NW-PV10 | NW-PU10 | NW-PT10 | NW-PS10 | - | 4つ | 5.5合 | 81通りの炊き分け |
小容量 シリーズ | 2023年6月時点未発表 | - | NW-US07 | - | NW-ES07 | 4つ(2019年モデルは2つ) | 4合 | 81通りの炊き分け |
※小容量シリーズ以外はそれぞれ容量の大きい10合(1升)モデルも存在。
この一覧表は、2019年モデル以降の炎舞炊き全モデルをまとめたもので、シリーズ名は勝手に名付けましたが、特徴は伝わるのではないでしょうか。
毎日食べるお米だからこそ良い炊飯器にこだわりたいものの、性能を理解せずに購入するのも怖いもの。
ということで、この記事では次の流れで象印の炎舞炊きモデルに特化して徹底解説しています。
- 炎舞炊きの特徴
- 炎舞炊き非搭載モデルとの比較
- 炎舞炊きを使ってみた感想・口コミ
- 比較表で全モデルのスペック比較
比較表の中では、最新モデルと型落ちモデルとの比較記事も差し込んでいるので、性能差と価格差を天秤にかけて、今お買い得なモデルも分かる構成となっています。
炎舞炊きの特徴
炎舞炊きの特徴は、精密な加熱制御技術にあります。
従来、底部分のIHヒーターは1つだけでしたが、複数の底IHヒーターを設置し、ローテーション式に加熱制御するのが炎舞炊きの仕組み。
引用:象印公式
炎の火先のゆらぎを再現したこのローテーション加熱が、釜内の温度差を生み、激しい対流が起こることでお米1粒1粒へ均一に熱を伝えます。
ヒーター数が多いほど、より精密な加熱制御ができることから上位モデルほどヒーター数が多くなっています。
炎舞炊き非搭載モデルとの違い
炎舞炊き炊飯器が、普通の炊飯器と比べて美味しくお米を炊けるのはなぜなのでしょうか。
まずは、美味しくお米を炊くうえで大事なポイントを2つ紹介しましょう。
美味しくお米を炊くポイント
- 高火力で加熱
- 均一に加熱
デンプンが溶け出す前に高火力でスピーディーに沸点に持っていくことで、もちっと張りのある炊きあがりになり、均一に加熱することで炊きムラを抑えられることが主な理由です。
以上のポイントについて、炎舞炊きモデルは非対応モデルに比べて、どれくらい凄いのか数値を用いて客観的に比べてみましょう。
まずは高火力について、単位面積あたりの火力を比較してみました。
ヒーター数 | 単位面積火力 |
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1つ(従来型) | 約3.0W/cm² |
4つ(炎舞炊き) | 約6.0W/cm² |
6つ(炎舞炊き) | 約12.5W/cm² |
上の表は、公式HPにも掲載されている「加熱面積1cm²あたりの電気エネルギーに熱効率を乗じた値」を比較したもの。
炎舞炊きは、部分的な集中加熱により従来型の2~4倍の火力を誇り、美味しいごはんを炊く秘訣である高火力を実現しています。
また、炎舞炊きの特徴であるローテーション加熱が温度差を生み、窯内に激しい対流を生じさせます。
「対流が起きる=お米がよく混ざる」ことを意味するので、結果的に熱が一粒一粒にしっかり伝わり、ムラのない均一加熱に繋がります。
白米と玄米の混ざり具合を、釜の上層・中層・下層で比べてみると、左の炎舞炊きモデルの方が全ての層で比較的均一に混ざっています。
独自の加熱制御により美味しいごはんの秘訣である「高火力」と「均一加熱」を実現できる点が、普通の炊飯器と比べた炎舞炊きモデルの魅力と言えます。
炎舞炊きの感想・評価
私自身が炎舞炊きモデルを使用してみた初炊きの感想を正直に書くと「美味しいけどハードルを上げすぎていた」というのが本音です。
まずは普通に炊いたのですが、「ふっくらもちもちで美味しい!」とは感じつつも、感動するレベルには至りませんでした。
しかし、それだけでは終わらないのが象印の最高峰モデル。続いて試したみた「熟成炊き」では象印の底力を感じました。
「熟成炊き」とは、水をしっかり吸わせて時間をかけて炊飯するモードで、炊けるまで約70分かかりましたが、その味は抜群。
「甘みが深く噛めば噛むほど旨い」という表現がぴったりで大満足の炊きあがりでした。
炎舞炊き最上位シリーズ型落ちモデルのレビュー記事も参考にどうぞ。
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【炎舞炊きNW-KB10レビュー】象印の最高級炊飯器の実力は?
続きを見る
また、炊き加減を好みの食感に近づけられる「わが家炊き」機能も高評価。
ごはんを炊いて食べる度に評価を入力すると、次回の炊飯に反映されるので自分好みにカスタマイズできます。
客観的な意見も交えるために、少し長いですが参考になりそうな口コミも紹介しておきましょう。
米粒がハッキリ1粒1粒って感じられます。今までの炊飯器は米粒同士が結構くっついてて(糊みたいに潰れてるワケではない)「これが米の粘りか」と思ってたんですが…もしかしたら違うのかも?例えば、炊いたばかりのご飯を皿によそいます。よそった米をチョイチョイッと箸で転がすと…
炎舞炊き:米粒そのままで崩れて広がる
旧炊飯器:塊が幾つかに分かれるこれだと「水分のないパサついた米」のように思えますが、決してそんな事はなく、噛めば「固いというよりは詰まってる」感じです。今までの炊飯器と明らかに違うのは【噛むほど味が変わる(米の甘味が強くなっていく)】という点でした。これが「美味しいご飯」なのでしょうか…?
「わが家炊き」の感想を「固い・粘り気が少ない」にしました。
こうやって何度も試してく事で、どれだけ変わっていくか楽しみでもあります。★★追記★★
今じゃ文句なしに、めっちゃウマー。
我が家炊きスゲー。引用:価格コム|NW-KA10口コミ(一部抜粋)
「炎舞炊きによる炊飯能力×わが家炊きのカスタマイズ」で、自分にとって最適な美味しいご飯が実現できる点が大きな魅力と言えます。
炎舞炊き炊飯器の違いを比較表でチェック
最後に炎舞炊きの最新モデルをベースに全シリーズの主なスペックを比較表で比べてみましょう。
表中のリンク先からは、最新モデルと型落ちモデルの比較記事に飛べます。
型番 | デザイン | 型落ちとの比較 | ヒーター数 | わが家炊きパターン数 | 容量 | 内釜 | 圧力パターン | 保温 | 早炊き機能 | 熟成炊き | エコ炊飯 | サイズ | 重量 |
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NW-FB10 | 新旧モデルの違い | 6つ | 121通り | 5.5合 | 豪炎かまど釜 | 7通り | 40時間 | 白米特急 白米急行 | ○ | ○ | 26×33×23.5cm | 約8.0kg | |
NW-PV10 | 新旧モデルの違い | 4つ | 81通り | 5.5合 | 豪炎かまど釜 | 7通り | 40時間 | 白米急行 | ○ | ○ | 27.5×34.5×21.5cm | 約6.5kg | |
NW-US07 | 新旧モデルの違い | 4つ | 81通り | 4合 | 豪炎かまど釜 | 7通り | 30時間 | 白米急行 | ○ | ○ | 23×30.5×20.5cm | 約6kg |
各シリーズの主な違い
- 炎舞炊き技術の根幹を支える底ヒーターの数
- わが家炊きのパターンの豊富さ
- 容量・サイズ感
- 保温時間
- 早炊きの早さ
このあたりが炎舞炊きを選ぶ際の大きなポイントでしょうか。
タイミングによって新モデルと型落ちモデルのどっちがお得かは変わるので、気になるモデルがあれば新旧比較の関連記事もぜひご覧くださいね。
以上、象印の炎舞炊きモデルについてお届けしました。