「NW-KB10」は、象印炊飯器の全モデルの中でも、最高級のランクに位置するモデルです。
- ムラなくお米の甘みを引き出す「炎舞炊き」
- 40時間もおいしく保温できる「極め保温」
- 121通りの炊きから自分好みにか調整できる「わが家炊き」
- 約20分で炊ける「白米特急」
炊飯、保温、カスタマイズ、スピードの全てがハイレベルで、正に高級炊飯器の名に恥じぬモデル。
ただし、スペックに比例して高価格なため、
と、ためらう方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では「NW-KB10」を実際に使ってみた感想を交えつつ、機能レビューを行い、価格に見合う実力があるのか検証したいと思います。
NW-KB10の外観・スペック・特徴
炊飯容量 | 5.5合 |
---|---|
外形寸法 | 幅27.5×奥行34.5×高さ23.5cm |
ふた開き時の高さ | 46cm |
重さ | 8.5kg |
1回あたりの炊飯時消費電力量 | 154Wh |
1時間あたりの保温時消費電力量 | 16.2Wh |
電気代は「1kWh=27円」とするなら、1回の炊飯で約4円、1時間の保温で約0.4円というところでしょうか。
付属品は、しゃもじ、軽量カップ、無洗米用軽量カップの3点です。
オープンして中を覗くと、内釜と、上部には内釜を押さえる二重のフタというシンプルな構造。
さらに内釜を外すと炊飯器の底はこんな風になっています。
この底の部分に3つのIHヒーターを内蔵し、「かまどの炎」を再現した「炎舞炊き」で美味しいご飯を炊き上げます。
NW-KB10最大の特徴「炎舞炊き」
底部分の3つのIHヒーターが、ローテーションしながら局所的に集中加熱をすることで、かまどの炎のゆらぎを再現します。
炎のゆらぎは釜の中に対流を生み、結果、一粒一粒がムラなく高温で加熱され、お米の甘みを引き出すことが可能です。
この3つのIHヒータを細かく繊細に制御する「炎舞炊き」は、象印の上位機種にしか搭載されていません。
炎舞炊き全モデルを比較した記事も参考にご覧ください。今のお買い得モデルがわかるよう型落ちとの違いの比較も行っています。
-
【炎舞炊き(えんぶだき)炊飯器の違い】型落ち含めて全モデル比較!今のおすすめは?
続きを見る
「豪炎かまど釜」を採用
炎舞炊きの大火力を受けるために、NW-KB10では「豪炎かまど釜」が採用されています。
豪炎かまど釜は、アルミとステンレスで鉄を挟み込む構造で、高い「蓄熱性」「発熱効率」「熱伝導」を実現。
鉄が入っているので若干重めで、重さを量ってみると約1.1kgでした。
米を研ぐときには少しずっしりきますが、鉄による高い蓄熱性や熱伝導性によって、美味しいごはんが炊きあがります。
メニューが豊富
NW-KB10は、お米の炊き方に関するメニューが豊富です。
種類別 | 白米 無洗米 玄米 雑穀米 |
---|---|
食感別 | しゃっきり ややしゃっきり ふつう ややもちもち もちもち |
速さ別 | 特急 急速 |
目的別 | おこげ 炊き込み すしめし おかゆ 雑穀米がゆ 湯の子 |
便利機能 | 熟成炊き わが家炊き エコ炊飯 お弁当 蒸気セーブ やわらか よりやわらか |
わが家の場合は、時間の余裕を見てメニューを使い分けることが多いです。
- 時間がある → 熟成炊き(約70分)
- 早めに炊きたい → わが家炊き(約50分)
- 時間がない → 特急(約20分)
ご飯の味は?熟成炊きがモチモチで美味しい
肝心な味について、結論から書くと、NW-KB10で炊いたごはんは、ふっくらモチモチで、甘みがあり美味しいです。
ただし、正直に申し上げると、はじめて食べたときは、そこまでの感動はありませんでした。
間違いなく美味しいのですが、7万円前後という高価格から、味に対するハードルが上がっていたのでしょう。
そんな「NW-KB10」の炊飯レベルの高さを感じたのは、「熟成炊き」というモードを使用したときでした。
熟成炊きとは、お米の芯まで吸水する時間を設けることで、お米の甘み成分を「白米ふつう炊き」の2.3倍引き出すモードです。
正直、甘み成分2.3倍と言われてもピンときませんが、ふっくらモチモチ具合は、舌ばかな私でも認識できるレベル。
ほんのり甘く、お米の自然な風味が引き立っており、「美味しいな」と素直に感じたオススメの炊飯モードです。
なお、炊飯時間は、白米ふつう炊きが約51分~57分に対して、熟成炊きは約67~74分です。
ポイント
炊飯時間に幅があるのは、電圧・室温・季節・水加減などで最適な炊飯を行うため。
121通りの炊き方からカスタマイズ「わが家炊き」
わが家炊きモードでは、「かため・やわらか・もちもち・しゃっきり」というそれぞれ11段階の基準で、自分好みの炊き方に炊飯器をカスタマイズしていくことが可能です。
カスタマイズ方法も簡単で、食べた後に「かたさ」と「粘り」の2項目について感想を選ぶだけ。
これが、次回のわが家炊きモードに反映されます。
口コミでは、だいたい3回くらいで好みの食感になるという意見がありましたが、我が家もそれくらいだったように記憶しています。
ちなみに、象印の炊飯器の中で「わが家炊き」を搭載している機種はいくつかありますが、機種によって炊き分け数に違いがあります。
- わが家炊きモードなし
- わが家炊き49通り
- わが家炊き81通り
- わが家炊き121通り
最上位機種である「NW-KB10」は、感想の入力により121通りに変化することができ、きめ細かい微調整が可能。
好みの食感にこだわりたい場合に「NW-KB10」はおすすめです。
早炊き「白米特急」がとにかく早い
NW-KB10には「白米特急」という早炊き機能があり、1合のご飯を約13分~21分で炊ける点が便利でした。
ただし、炊きあがりがべちゃっとするため、味は通常炊飯には劣りますが、仕事から帰ってきて冷凍ストックがないときに、約20分で炊けるのは嬉しい機能。
また、NW-KB10は「白米急速」というメニューもあり、こちらはもう少し質を重視して、1合のご飯を約26~33分で炊けます。
象印の中でも「白米特急」は最上位モデルのみ搭載なので、他モデルと比較した際のNW-KB10の特徴と言えます。
NW-KB10のデメリット
NW-KB10の致命的なデメリットはありませんが、強いて挙げるとするなら洗い物が3点あることです。
- 内釜
- 内ぶた
- うるおい二重内ぶた
私が以前使っていた炊飯器は、釜とフタの2点だけだったので、正直「ちょっと面倒くさいな~」と思ってしまいました。
ただし、二重内ぶたにより、釜内の水分を逃さず、ごはんのパサつきを押さえる役割があるので、捉え方はいろいろです。
この点、後継モデル「NW-LA10」では、内釜と内ぶたの2点だけで、洗い物の観点では楽になっています。
NW-KB10の価格
NW-KB10は、2019年6月の発売当初の初値は10万円オーバーでしたが、徐々に価格が落ちてきて、2019年秋頃には7万円前後まで安くなりました。
その後しばらく横ばいで推移した後、2021年春には底値圏となる5万円台に到達しました。
価格推移の傾向
- 初値:12万円台
- 底値圏:5万円台
後継機種との違い
NW-KB10には、NW-LA10(2020年6月発売)という後継機種が存在します。
主な違いは次の2点です。
- 炎舞炊きが強化
- フタが1つ無くなり洗い物が2つに
関連記事では、後継機種との機能の違い・価格の違いを比較して、今おすすめのモデルを検証しているので良ければ確認してみてくださいね。
-
【NW-FB10とNW-FA10の違い】象印の最高峰!炎舞炊き新旧モデル比較
続きを見る
後継機種NW-LA10
以上、象印の炎舞炊き炊飯器「NW-KB10」のレビューでした。