空気清浄機の本当に安い時期をご存知でしょうか?
家電の買い時と言えば、セオリーは「新モデル発売直前」です。
これは、家電量販店などで新モデルとの入替えのために旧モデルの在庫一掃があるためで、ある意味正解で多くの家電はこのケースに該当します。
結論から書くと、空気清浄機はこのセオリーに必ずしも当てはまりません。
空気清浄機の価格が底値圏に到達する時期はメーカーによって大きく異なります。
また、新型コロナの影響で空気清浄機の需要が高まり、近年は従来の値動きから外れるものも散見されます。
この記事では、そのあたりも踏まえるため、近年モデルの具体的な価格推移を例にとり、空気清浄機メーカーごとに真の買い時を検証します。
空気清浄機を安く購入する方法
空気清浄機の安い時期を検証する前に、前提となる安く購入する方法についてですが、コスパ重視でお得に入手するには、ネットでの型落ち狙いがおすすめです。
理由
- 型落ちの理由 → 空気清浄機はモデルチェンジでの変更点が少なく型落ちのコスパが圧倒的に高い
- ネットの理由 → 人件費や家賃の差で実店舗より安いうえ、型落ちモデルを探しやすい
家庭向けの空気清浄機は技術的に成熟しており、性能面で毎年劇的に進化することはありません。
また値下げに関しても、クリスマスや決算期などの特別な時期には、価格が並ぶことがあっても基本的にネットの方が安いです。
ということで、ここから先は、ネット上の価格推移を元に空気清浄機の安い時期を検証していきます。
空気清浄機の安い時期
空気清浄機は発売後に価格がどんどん安くなっていき、やがて底値圏に到達します。
発売時の初値と比べ、底値では3~5割ほど安くなることが多いので、買い時は逃したくないものです。
冒頭に書いたように、安い時期のセオリーは後継機種の発売直前ですが、空気清浄機の場合は必ずしも当てはまらず、メーカーごとに価格推移の傾向を掴んだ方が良いです。
ここからは、業界の代表的なメーカーであるシャープとダイキンの傾向を確認してみましょう。
シャープの空気清浄機の買い時
過去に世界一売れた空気清浄機ブランドとしてギネス認定された記録を持つシャープ。
全機種にプラズマクラスターを搭載する人気メーカーですが、製品の息が長いのが特徴です。
言い換えると、底値に到達するのに時間がかかり、底値期間も長いため、安く買えるおすすめ機種が2世代前の機種だったりします。
なお、近年シャープの空気清浄機はモデルチェンジで全く中身が変わらないケースも多いので、型落ちだから性能が劣るという心配は不要です。
検証モデルと発売時期 | 後継モデルと発売時期 | シリーズの特徴 | 発売当初の初値 | 後継モデル発売時の価格 | 底値圏到達の時期と価格 |
---|---|---|---|---|---|
KC-L50 2019.10発売 | KC-N50 2020.9発売 | 加湿機能ありコスパ最高エントリーモデル | 2019.10 45,000円前後 | 2020.9 25,000円前後 | 2021.2頃 1万円台後半 |
FU-L50 2019.10発売 | FU-N50 2020.9発売 | 加湿機能なしエントリーモデル | 2019.10 30,000円前後 | 2020.9 25,000円前後 | 2021.2頃 1万円台後半 |
KI-LS70 2019.10発売 | KI-N70 2020.9発売 | 清浄力・プラズマクラスター強化の上位機種 | 2019.10 70,000円前後 | 2020.9 45,000円前後 | 2021.3頃 30,000円前後 |
上の表から、エントリーモデルの最新モデルより、上位機種の型落ちの方が安いことが分かります。
結論は表のとおりで、最安値となるのは発売から約1年半が経過する頃です。
価格推移のポイント
- シャープ空気清浄機は毎年秋に発売
- セオリーの後継モデル発売前も充分安いが底値ではない
- 底値は発売から1年半が目安
シャープが特殊なのは、前年以前モデルも割りと流通があり、通年を通していずれかのモデルが底値圏を推移していることが多いです。
つまり、他のメーカーと比べて、そこまでシビアに買い時を見定める必要がないのが特徴的です。
以上を踏まえると、シャープの空気清浄機は特定モデルの買い時を考えるより、欲しいタイミングに応じて、前年モデルか前々年モデルを選択する方法が正解です。
例えば、花粉対策として2~3月に購入する場合は前年モデルがすでに安くなっているでしょう。
また、乾燥対策として秋~冬頃に購入する場合は、前年モデルがまだ底値に到達していないので前々年モデルがおすすめです。
リンクを押すと、各シリーズの新旧モデルで機能と価格の比較を行い、現時点のおすすめ型落ちモデルを検証した記事に飛べるので参考にしてくださいね。
型番 2020年モデル | 新旧比較記事 | 特徴を一言で | 最大風量 (数字が大きいほど高清浄力) | 空気清浄適用床面積 | フィルター | フィルター交換目安 | プラズマクラスター ランク | プラズマクラスター 適用範囲 | COCORO AIR 対応可否 | 加湿機能有無 | 除湿機能有無 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KI-NP100 | - | 最上級モデル | 10m³/分 | ~41畳(68m²) | 静電HEPAフィルター(交換目安) | 10年 | NEXT | 約23畳(約38m²) | ◯ | ◯ | × |
KI-NX75 | 新旧モデルの違いを比較 | 業界トップクラスの加湿 | 7.5m³/分 | ~34畳(56m²) | 静電HEPAフィルター | 10年 | 25000 | 約21畳(約35m²) | ◯ | ◯ | × |
KI-NS70 | 新旧モデルの違いを比較 | ハイグレードモデル | 7m³/分 | ~31畳(51m²) | 静電HEPAフィルター | 10年 | 25000 | 約19畳(約31m²) | ◯ | ◯ | × |
KI-NS50 | 新旧モデルの違いを比較 | プラズマクラスターにこだわるなら | 5.1m³/分 | ~23畳(38m²) | 静電HEPAフィルター | 10年 | 25000 | 約13畳(約21m²) | × | ◯ | × |
KI-NS40 | 新旧モデルの違いを比較 | スリム&コンパクト | 4m³/分 | ~18畳(30m²) | 集じん・脱臭一体型フィルター | 2年 | 25000 | 約10畳(約17m²) | × | ◯ | × |
KC-N50 | 新旧モデルの違いを比較 | ハイコスパ定番モデル | 5.1m³/分 | ~23畳(38m²) | 静電HEPAフィルター | 10年 | 7000 | 約13畳(約21m²) | × | ◯ | × |
KI-ND50 | 新旧モデルの違いを比較 | 加湿・除湿もオールインワン | 5.1m³/分 | ~21畳(35m²) | 集じん・脱臭一体型フィルター | 2年 | 25000 | 約10畳(約17m²) | × | ◯ | ◯ |
FU-N50 | 新旧モデルの違いを比較 | 加湿不要ならコスパ良くおすすめ | 5.1m³/分 | ~23畳(38m²) | 静電HEPAフィルター | 10年 | 7000 | 約14畳(約23m²) | × | × | × |
FU-NC01 | 2021年新発売 (旧モデルなし) | シャープ史上最もコンパクト | 1.5m³/分 | ~6畳(10m²) | 集じん・脱臭一体型フィルター | 1年 | 7000 | 約6畳(10m²) | × | × | × |
FU-PK50 | - | 蚊とコバエも取れる | 5.1m³/分 | ~23畳(38m²) | 静電気HEPAフィルター | 10年 | 7000 | 約14畳(約23m²) | × | × | × |
ダイキンの空気清浄機の買い時
続いて「空気で答えを出す会社」がキャッチフレーズの空調専業メーカー「ダイキン」の空気清浄機について。
先のシャープは、最も安くなる時期は発売から1年半頃でしたがダイキンはどうでしょうか。
ダイキン2019年モデルは、コロナ禍の在庫不足で価格が高騰するなど、大きな影響を受けました。
シェア首位のシャープより影響が大きかった理由は、市場のダイキン製品数が少ないためだと考察しています。
ということで、従来の価格推移傾向とは異なる面もありますが、シャープと同じく2019年モデルの値動きを表にまとめました。
検証モデルと発売時期 | 後継モデルと発売時期 | シリーズの特徴 | 発売当初の初値 | 後継モデル発売時の価格 | 底値圏到達の時期と価格 |
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MCK70W 2019.9発売 | MCK70X 2020.12発売 | 高スペックな万能モデル | 2019.9 60,000円前後 | 2020.12 5~6万円台 | 2019.12頃 45,000円前後 |
MCK55W 2019.9発売 | MCK55X 2020.12発売 | スリムタワー型のスタンダードモデル | 2019.9 50,000円前後 | 2020.12 50,000円前後 | 2020.1頃 40,000円前後 |
上の表で注目すべき点は、発売から3~4ヶ月で底値に到達している点です。
ただし、これは結果として底値になってしまった感が強いです。
本来、価格がグッと下がって底値圏を推移する春以降に、緊急事態宣言が出て価格高騰したからですね。
2020年秋には再び底値圏まで安くなりましたが、後継機種が発売される2020年12月には値上がりし、丁度「W」を描くよう価格推移しました。
本来の価格推移の傾向は、春過ぎ頃から新モデル発売後の冬~春くらいまでは底値を推移しており、底値ももっと安かったです。
- MCK70V(2018)の底値:3万円台後半
- MCK55V(2018)の底値:3万円前後
また、2020年は後継機種の発売が前年より3ヶ月遅いこともあり色々とイレギュラーな年でした。
長々と値動きについて書きましたが、結論としてはダイキンの空気清浄機の安くなる時期はセオリーからは外れていません。
ただし、もっと言うならば「後継機種の発売直前まで待たずとも、それ以前に底値に到達する」が正確です。
ダイキン空気清浄機の安い時期
- ダイキン空気清浄機は毎年秋~冬に発売
- セオリーの後継モデル発売前まで待たずとも底値圏へ到達
- 従来は発売から半年程度、コロナ禍では春に値下がりせず結果発売3~4ヶ月で底値となった
- コロナ禍で底値が1万円程度上がっているので動きが読みづらく今後も注視
ダイキンの場合、コロナ禍以降は在庫薄となりがちなので、後継モデル発売まで待たずに、年明け~春頃に最新モデルが底値近くまで落ちてないか要チェック。
シャープとは異なり、ダイキンの場合は最新モデルを狙っていくのがおすすめです。
リンクから新旧モデル比較の参考記事を確認できます。
型番 | デザイン | 新旧比較記事 | 最大風量 | 8畳の清浄時間 | 適用床面積 | 加湿面積 | ストリーマユニット数 | フィルター | センサーの種類 | チャイルドロック | スマホ連携 | 本体サイズ | 重さ(水無し) |
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MCZ70X | 新旧モデルの違いを比較 | 7.2m3/分 | 9分 | ~32畳(~52m2) | プレハブ~18畳(~29m2) 木造~11畳(~18m2) | 2つ | TAFUフィルター | 温湿度センサー ホコリンサー PM2.5ンサー ニオインサー | ◯ | ◯ | H69×W41.5×D36cm | 23kg | |
MCK70X | 新旧モデルの違いを比較 | 7.0m3/分 | 9分 | ~31畳(~51m2) | プレハブ~18畳(~29m2) 木造~11畳(~18m2) | 2つ | TAFUフィルター | 温湿度センサー ホコリンサー PM2.5ンサー ニオインサー | ◯ | ◯ | H60×W39.5×D28.7cm | 12.5kg | |
MCK55X | 新旧モデルの違いを比較 | 5.5m3/分 | 11分 | ~25畳(~41m2) | プレハブ~14畳(~23m2) 木造~8.5畳(~14m2) | 1つ | TAFUフィルター | 温湿度センサー ホコリンサー PM2.5ンサー ニオインサー | ◯ | × | H70×W27×D27cm | 9.5kg | |
MCK40X | ー | 4.0m3/分 | 15分 | ~19畳(~31m2) | プレハブ~11畳(~18m2) 木造~7畳(~11m2) | 1つ | HEPAフィルター | 温湿度センサー ニオインサー | ◯ | × | H70×W27×D27cm | 9.5kg | |
MC55X | 新旧モデルの違いを比較 | 5.5m3/分 | 11分 | ~25畳(~41m2) | 加湿機能なし | 1つ | TAFUフィルター | ホコリンサー ニオインサー | ◯ | × | H50×W27×D27cm | 6.8kg |
まとめ
以上、空気清浄機の安い時期についてお届けしました。
まとめ
- 家電の安い時期のセオリーは、後継機種の発売直前
- しかし空気清浄機では必ずしも当てはまらない
- メーカーにより価格推移の傾向が異なる
- シャープは、発売から1年半ほどで底値となるが、型落ちも在庫数が多く常にどれかが底値。
- シャープは、2~3月以降なら前年モデルが、秋~冬なら前々年モデルがおすすめ
- ダイキンは、コロナ禍以降は特に在庫薄で型落ちはほぼない。
- ダイキンは、後継機種の発売まで待たずに、年明けから春頃に最新モデルをチェック